中世哲学の歩みの中で、聖トマスは異論の余地もなく第一位を占めているが、
にもかかわらず彼は、世間一般でいう意味での純粋な哲学の本は1冊も書かなかった。
トマス・アクィナスの著作は、5つのグループに分類することができる。
@聖書注解
A哲学的・神学的注解
B「規定討論集」ならびに「自由討論集」
C各種小品(「有と本質について」、「宇宙の永遠性について」など)
D2種の全書(「対異教徒大全」、「神学大全」)
神学的知識の精密化にあたってトマスは、理性に大きな位置を与えている。
しかしその一方で、理性が与え得ないものを理性に求めるべきではないことを心得ている。
「神に関する若干の知識は人間の理性を完全に超えたものである。三位一体の教理はこれに属する。
その他の真理は自然的理性によって理解することが可能である。神の存在、その単一性などはこれに
属する」『対異教徒大全』
トマスは信仰との関係における理性の権利・義務の範囲を明確に定めているが、
理性には自立性があり、被造物の固有の活動は、神的因果律の中に解消されないとする。
「被造物の完全性から何ものかを切り取るということは、神の完全性そのものから切り取るのと同じ」
有(存在)は、2つの様態のもとにわれわれの前にあらわれる。
或る時にはそれは「実現された完全性」、すなわち《現実態》である。
また或る時にはそれは「完全性への能力」、すなわち《可能態》である。
この現実態と可能態の関係は、2つの根本原理によって支配されている。
@いかなる有(存在)も、既に現実態にある有の介入なくしては可能態から現実態へ移行しない。
A現実態は何らかの可能態に受入れられないかぎり、限定もされず増加もしない。
聖トマスは、感覚的世界の限界を超えてイデアを求めるようなことは拒否し、
どれほど高度の場合でも、われわれの認識の唯一の源は可感的現実だと考えるのである。
トマスはアリストテレスの思想を、自由に自分の目的に適応させていった。
彼は常に現代的意義を念頭に置いて、自分の生きている時代のために思いを巡らしているのだ。
トミスムは保守的傾向のある讃美者を多く生んだが、
彼の企てには革命的なところもあったのである。
焼き物を大まかに分類すると、土器・陶器・セッ器・磁器の4種類となります。
1:土器
縄文や弥生式土器、古いタイプの瓦などのように、粘土で形を作り、800度前後までの低温で焼かれ、
表面もカサカサした、比較的もろい焼き物です。
水分を吸収し、器として使用するにしても、漏れたり滲み出したりします。
2:陶器
粘土で作ります(土もの)が、普通は釉薬(うわぐすり)を掛けて、1200度から1300度くらいの高温で焼いて、
表面をガラス質の皮膜で包み、それにより強度も増し、
美術品としてだけでなく、生活用品としても重要な位置を占めています。
陶器の素地(きじ、釉薬を除外した中味)は、粘土の粒の間に隙間があるため、
器としての保温性に優れ、また中の熱を手に伝えにくい断熱性も特徴の一つとしています。
3:セッ器
一般にはあまり馴染みにない名称ですが、色のついた主として鉄分の多い粘土で作られた陶器を、
他の陶器と区別して呼ぶ言葉です。
焼く温度は、陶器よりも若干低いこともありますが、
耐火性が低く、水分を吸収せず、漏らさず、強固な焼き物です。
備前焼や常滑の朱泥焼など、焦げ色の焼き締めやその他素地土に鉄分が多く含まれています。
4:磁器
陶石(石もの)という石を砕いた粉末や、またはそれに粘土、長石などを少し加えた磁土を水で練って形を作り、
釉薬をつけて、1300度から1400度前後の高温で焼きます。
器質は色白で滑らかで、しかも丈夫で美しい焼き物になり、
食器としては陶器よりも一般的で、美術品としても貴重な分野を占めています。
磁器の素地は、焼くと完全に一体化し、いわば1枚の半透明なガラスになって、
水分も吸収せず、通気性もゼロとなり、丈夫で清潔という特徴をもつようになります。
<旅券(パスポート)>
旅券は、日本政府が日本国民に対して発給する国際的な身分証明所であり、渡航先国に対して安全な通過や
保護を要請した公文書である。観光や商用のための一般旅券には従来、1回限り有効の一回往復旅券(一次旅券)
と5年間有効の数次往復旅券(数次旅券)の2種類あったが、旅券法が1990年4月1日より改正され、数次往復旅券
のみになった。
●数次往復旅券
発給日から5年間有効で、渡航回数に制限はない。渡航先もすべての国に行くことができる。発給手数料は8000円。
国の収入印紙6500円と都道府県の証紙1500円を一緒に購入する。
【旅券申請に必要な書類】
@一般旅券発給申請書(正副2通):各都道府県庁旅券課で手に入る。
A戸籍抄本(1通):6ヶ月以内に発行されたもの。
B住民票(1通):6ヶ月以内に発行されたもの。
C写真(2枚):6ヶ月以内に撮影したもの。無帽正面向きの上半身で、背景は無地。首筋の見えない学生服やトック
リセーター、ヘアピースの着用は不可。サイズは50_×50_で縁なし。白黒でもカラーでもよいが、スピード写真
は不可とされる。裏に氏名を記入しておく。
D旅券を以前に取ったことのある人は、その古い旅券を提出。ツアーに参加した場合は、旅行会社発行の「旅行引
受書」が必要になる。
E身元確認書類:運転免許証などの申請者本人であることを証明するもの。申請時に提示する。
F官製ハガキ(1通):旅券発給通知用で、表に申請者の住所、氏名を記入し、裏は白紙のままにしておく。
G印鑑:認め印でいい。
【旅券の申請と受領】
旅券の申請は、申請者が住民登録している都道府県庁の旅券課で行なう。旅券はふつう約10日で交付される。
旅券法の改正で、申請者出頭免除申出書により代理人に申請を以来することも可能になった。ただし、交付時の
受領は、特例を除き、本人が出向かなければならない。受領の際は、交付通知のハガキ、旅券受領票、身分証明
書類、印鑑、それに発給手数料の収入印紙と証紙(8000円)を持参する。受け取るときに窓口の係官の前で、旅券
にローマ字のサインをするので練習しておいた方がいい。
旅券を受け取ったら、必ず旅券番号と発行年月日をひかえておくこと。
<査証(ビザ)>
査証とは渡航先国の入国許可証。香港の場合、日本人は到着日を含めず7日間以内の滞在なら査証は不要で
ある。7日を超えて滞在したいときには査証が必要となるが、取得には次に2つの方法がある。
●香港で滞在延長の査証を取る。
1ヶ月までの延長なら、7日間ごとに香港移民局へ出向いて延長手続きを行なう。3回(計21日間)まで延長可能。
その際、出国の航空券、滞在経費のトラベラーズチェックなどの提示を求められることもある。手数料は1回につき
100HKj。
※香港移民局
:1階で必要書類2通を受け取り、記入ののち、3階窓口へパスポートとともに提出する。査証はその場で交付される。
●日本の英国大使館領事部に申請する。
7日以上滞在したい場合は、あらかじめ在日英国大使館領事部に査証申請をする。交付は4日後で、手数料は
5600円。
<予防接種(バクシネーション)>
日本から香港へ直行する場合、予防接種は不必要。ただし、コレラ汚染指定地域を経て香港に入るときは必要と
なる。予防接種は各地の検疫所または指定された民間の診療所で行なう。
<外貨購入とトラベラーズチェック>
香港の通貨は香港ドル(HKj)だが、香港ドルを保有している銀行は香港上海銀行の東京・大阪支店など、
非常に少ない。では米ドル(USj)を購入していけばいいかといえば、必ずしもそうではない。どちらかといえば、
米ドル→香港ドルの交換より、日本円→香港ドルのほうが安定しており、換算率も有利である。
したがって、日本円をそのまま香港へ持ち込み、現地で交換したほうがよく、盗難や紛失の心配を考えて日本円
のトラベラーズチェック(旅行者用小切手)みするのがいちばんいい。なお、日本円の持ち出しは500万円までと
制限されている。
<クレジットカード>
香港では主要なホテル、レストランをはじめ、数多くのショップでクレジットカードが使用できる。日本の有力クレ
ジットカード会社は、海外の同業会社と提携して国際カードを発行しているので、取得しておくと非常に便利だ。
国際カードの発行には、国内カードを持っている人で約2週間、新規加入の場合なら1ヶ月くらいかかる。
<国際運転免許証>
香港で車を運転するのは、ほとんど勧められない。道路は狭く、複雑に入り組んでおり、人も車も一日中ラッシュ
状態。駐車場も少なく、香港ドライバーの運転も巧みだがかなり荒っぽい。それでもレンタカーを借りて自分で運転
したいという人は、国際運転免許証が必要だが、さらに香港では満25歳以上、運転歴2年以上という制約がある。
国際運転免許証を取得するには、所轄の公安委員会の運転免許試験場へ行き、申請用紙、旅券、運転免許証、
写真1枚(タテ50_×ヨコ40_)を添えて申請する。手数料1200円。有効期間は1年間。
<海外旅行保険>
海外旅行保険には、死亡、疾病、傷害、治療などのほかに賠償責任や携行品保険など各種ある。保険料は掛け
捨て。どんな保険に加入するかは、保険会社や旅行代理店に相談してみるといい。
<服装と携行品>
12月〜2月の冬期を除けば、ほぼ夏仕度でいい。とにかく湿度が高いので汗をかく。着替えのシャツは十分に用意
したい。また、全般的にホテルやレストランの冷房がききすぎる。冷房に弱い人は長袖のシャツを用意したほうがいい
だろう。冬期は気温、湿度ともに下がり、摂氏10度以下の日もあるので、コートやセーターが必要となる。
携行品として忘れがちなのは雨具。冬以外は雨が多いことを覚悟すべし。もっとも折りたたみ傘などは香港で買った
ほうが安い。傘に限らず、日用品は香港のほうが安く品数も豊富なので、忘れ物をしても心配をすることはない。
<情報の収集>
日本で香港の最新情報を集めるなら、香港政庁の外郭団体でもある香港観光協会を訪ねるのが最も確実。香港
公式ガイドブックをはじめ、地図、ホテルリストやスポーツガイドなど、すべて無料。スタッフの応対も親切で気持ち
いい。
※香港観光協会
●東京事務所:東京都千代田区有楽町1−5−2 東宝ツインタワービル4階
●大阪事務所:大阪市中央区淡路町3−6−1 香港上海銀行ビル4階