チヌが結んだ出逢い

 〜「広島湾のチヌ釣り」高橋氏〜


インターネット。
不思議な世界ですね。
全く知り合うはずのない人と出逢い、そして竿を並べている。

そして釣り。これも不思議です。
釣りの価値観が合えば、それだけで相手にとても親しみが沸いてきます。

私は決してパソコンが好き、っていう人間では無かったですし、それこそ2〜3年前だったら自分がパソコンを購入するなんてことは考えられませんでした。

インターネットが普及してきた頃、うちの会社でも少し遅れてインターネットの世界に触れることができるようになました。
それまでグループ企業内だけの意思伝達の手段だったメールもSMTPの使用が解放され、やっとネット社会に足を踏み入れたのです。


yahooだったかな?
2年ちょっと前のある朝、仕事が始まる前にチヌ釣りに関するホームページを検索しました。
「広島湾のチヌ釣り」。こんな名前のホームページが目に止まりました。
開いてみると、なんとホームページの作成者は地御前の人。地御前といえば、広島県廿日市市。私の住んでいる佐伯郡大野町とはすぐ隣の市ですし、この地御前というなんだか不思議な名前の町は廿日市の西の端近くにあり、うちから車で5分くらいの場所なのです。

内容を見てみると、実に細かで私好み。当時ちょっと壁に当たっていた私は、ホームページ作成者高橋氏の理論と釣果、それと釣りと海に対する姿勢に引き込まれました。

早速会社からメールを入れました。

翌々日だったと思います。丁寧なメールが返信されてきました。

それからしばらく、私が自分の釣果を報告したり、質問したりして、そしてメール返信を確実に戴いていました。私がメール好きになったのはこれが理由だと思います。

フカセ中心の私の釣りでしたが、半年くらい経ったある時、団子釣りをやっていたという話をしたら、「それは是非ご一緒しないといけませんね。」というメールが帰ってきました。
早速約束します。団子からかなり長い間離れていたので、取りあえず昔のホームグランド岩国港新港で調整。夏場の話ですから、取りあえず小チヌを釣って、「よし」とします。

約束の日。少し早く大竹小方港について待っていると、連絡いただいていた通りの車、そして服装をした人がやってきました。

釣りの方は...高橋さんに圧倒されっぱなし。その日、小アジ,コノシロといった餌取りが海を埋め尽くしていました。それに水深が深い。なれない環境で、また隣でどんどんチヌを上げる高橋さんを横目で見ながら焦ってしまって、それでもっていいところを見せようと無意識?に思ってしまって、もうダメ。

釣りを終えて。
小方港のフェリー待合室で少し話をしましょう、と誘われて、缶コーヒーなど飲みながら、色々な話をしました。
変形団子の説明を聞いたり、自分の釣りに対するこだわりを話したり、仕事の話や、家族の話をしたり。
高橋さんは私からするとかなり年が離れた方なので、実に懐深く私の話を聞いて戴きき、私も釣りの話しのみならず、実に意味深い話を聞かせて戴きました。

それからは、お互いに無理をしない程度のペースで一緒に竿を出し、また日を追って頻繁にメールをやり取りするようになりました。今では釣りだけでなく、色々な相談や、私の取り留めのない話に付き合ってもらったり、逆に高橋さんのお話を読ませてもらってそれに答えたり、と精神的にとても深いお付き合いをさせて戴くようになりました。

高橋さんは会社では人の上に立つ立場の方、私はまだまだ若造です。
こんな立場の違いが、お互いに新鮮な気持ちを保たせるのかも知れません。
そして、かなり理屈っぽい私に勝るとも劣らない理屈っぽい性格も合っているのでしょう。

インターネットを通して始まったお付き合い。今も、例え2〜3ヶ月一緒に釣りに行かなくても、いつもメールのやり取りをしているので、次に会ったとき違和感がありません。

この出逢いは、自分にとって本当に良い財産になりました。


結局これに煽られて、私もホームページを。そして新しい素晴らしい出逢いを。という思いに駆られ、ついにパソコンを購入して、この「いつも海を見ていた」を開設するに至ったわけです。

始めて人と会うというのは緊張するものです。特にメールというのは文章のやりとりだけなので、なかなか相手の本当の姿や考えが見えないものなのです。
「もし、思っていたような人と違ったら...」とか、「自分が相手の思っていたような人と違ったら...」とか妙な心配をしてしまいます。
高橋さんも最近よく言われていますが、メールから始まったお付き合いは、十分にメールのやり取りをして実際に合ってもお互いに不快な思いをしないという確証をある程度持ってからオフラインで合った方がお互いに良いような気はします。

本編に登場していただいている森弘さんや「団子釣り名人への道」竹下さん。この素敵な方達との出逢いもまた今度綴ってみたいと思います。
そしてまた新しい出逢いの予感もあります。大島のtaniguti@さん、そのうち是非ご一緒させて下さいね。

ネットの上だけのお付き合いにならざるを得ない遠方の魅力的な方々、大阪「女性も楽しい黒鯛筏釣り」小野さん、「両星類」篠原さん、大竹市の「波止釣り天国」さこま〜さん(大竹はすぐとなりの市だからお会いするときもあるかも...)等々。デジタル世界を通して繋がるアナログなお付き合い。楽しいし、とても刺激になります。

また明日の出逢いを求めて私の「いつも海を見ていた」はまた来週もアップするのです。
長くなっちゃったなぁ...最後まで読んで下さる人いるのかな?ははは。


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