団子屁理屈釣法解説

団子釣りと浮き

団子釣りで常用する自立棒浮きです。
大体こんな形状で、こんな大きさです。
真ん中のものと左から2番目のものは
昔師匠に戴いたものです。
かれこれ7〜8年は使っています。

負荷は、0〜2Bくらいです。



いろいろなホームページに手の込んだ美しい自作浮きの作り方など公開されています。
それに比べると私の浮きは、「いかにも簡単に作った」ように見えますね。
ま、実際そうなんですが...
でも、感度はなかなかのものですよぉ。
以下に、浮きに絡めて団子釣りというものを考えてみます。

団子釣りにおける浮きの機能


@アタリをとる。

A棚を維持する。

B仕掛けを流す。

C刺し餌を浮き上がらせる。

D刺し餌をチヌに喰い込ませる。


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@アタリをとる。

もっとも基本となる機能です。
説明するまでもありませんね。
アタリの出方は様々です。

「チヌの2段引き」と言われます。最初に僅かにトップを沈めるくらいのアタリが出て、その後間をおいて一気に引き込みます。こんなアタリが出るときは、かなり活性が高いときです。
その他、

団子が割れて浮きが浮き上がるとき、浮き上がる途中で浮きが止まる。

団子が割れているはずなのに全く浮きが浮いてこない。

僅かな前アタリのあとやっと浮きのトップが沈むくらいの変化が現れ、その状態で止まる。
等々、
チヌの活性、潮の変化、仕掛けの違いにより様々なアタリが出ます。その日、いえその時点でのアタリの出方を掴みアワセのタイミングを見つけることが釣果につながります。

一般的に、重い仕掛けを使い、また仕掛けの重心(錘の位置)が鈎に近いほどアタリは大きくでます。反対に軽い仕掛けを使い、鈎近くに錘が無いほどアタリが出にくくなりますが、喰い込みは良くなります。要はバランスなんですが、その日のチヌの活性や潮の流れ等を考慮して選択する必要があります。

私の団子釣りは浮きフカセ団子とでもいいましょうか、錘負荷の小さい軽い浮きを使い、仕掛けもできるだけ錘をつけずに小さなガン玉で浮きの浮力を殺します。どちらかというと喰い込み重視の仕掛けですので、アタリに対して即アワセはしません。少し喰い込ますようなイメージでどちらかというと遅アワセになります。

遠矢浮き等の比較的大きな浮きを使う場合は、如何にアタリを正確にとるか、で決まってきます。浮き自体は比較的大きいのですが重心が低いため、小さなアタリも実にハッキリ出ます。ただチヌが餌を口にしたときの抵抗がどうしても大きくなりますので、前アタリの次の本アタリでは即アワセをしないとチヌが餌を吐き出してしまうことがあります。

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A棚を維持する。

団子釣りでは、団子が割れた後刺し餌を浮かび上がらせますが、どの程度底を切るか、というのは非常に重要になります。
私は団子釣りでは「1に団子、2に棚」が釣果決めるものだと考えています。

まず活性期ですが、この時期は団子が割れるとチヌは活発に餌を喰いにきます。ですから、チヌの注意を引く意味でも若干底を切る量を大きくします。ただし、幾ら底を切るといっても、30cm以内位を目途にして下さい。それ以上になると、餌取りばかり釣ることになります。

次に、非活性期ですが、チヌが不自然に浮き上がる刺し餌に対する反応が鈍くなり、また警戒すると思われるフシがあります。
ですから、棚は底に這わせる〜底を10cm切る の間くらいで、その日の状況により調整する必要があります。
団子が割れて仕掛けが馴染んでしまえば、後は仕掛けを流す訳ですが、非活性期では若干仕掛けを流す時間が長くなります。こんな時は刺し餌が底付近を流れるようにする必要があります。

私は通常浮きのトップがギリギリ沈むくらいを目途に棚を調整してから釣り始めます。浮きが小さいので底を3〜5cmくらい切ったイメージですが、海底の凹凸を考えると、底を切ったか切らないかくらいになっていると思います。これで飲み込まれたり、アタリが出ずに餌がとられるようなら、5cm単位くらいで浮き下を浅くしていきます。一日のうちでもチヌが食餌する棚は僅かに変わるように思いますし、潮の高さも変わってきますので、餌のつつかれ方やアタリの出方を参考に棚は積極的に変えていきましょう。

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B仕掛けを流す。

団子釣りの場合は、この機能の果たす役割は小さくなります。
団子釣りは手返しを多くするほど釣果が延びるといっても過言ではありません。
だから団子が割れた後、いつまでも流しておくのは好ましくありません。

しかし、非活性期になると、団子に対する反応が鈍くなりますので、団子の集魚力を上げて(集魚剤やオキアミ,アミエビ等を混入する)、その団子が崩れて流れるのに併せて刺し餌を流してやる必要があります。このときはフカセをやるときと同じように考える必要があります。

表層の流れに浮きを任せて流すと、底層の方が流れが緩いことが多いので、刺し餌が表層の速い流れに引きずられて、不自然な流れ方をしてしまいます。団子釣りでも”張り”は重要です。オーバーアクションは必要ありませんが、浮きを止めるような張りは必要です。

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C刺し餌を浮き上がらせる。

団子釣り独特の機能です。
棚のところでお話ししたとおり、活性期でも底から30cmまで、非活性期だと10cmくらいまでを目安にしています。

ところで、刺し餌が浮き上がるスピードというのを考えないといけません。

団子が割れた後、勢いよく刺し餌が飛び出す。これは考えものです。
浮きの残留浮力が大きい場合にこうなるのですが、私は刺し餌はゆっくり漂うように浮上するのが理想的だと考えており、浮力の小さい小型浮きを使うのはこのためでもあります。

団子が割れる或いは崩れると、刺し餌が浮き僅かな浮力により、フワァ〜っと上昇します。チヌはこの漂うような動きに弱いのです。喰いの立っているときだと、アタリの殆どがこの餌が浮き上がっている最中に出てきます。
これがスゥーっと一気に浮き上がるようだと、浮き上がるまでの時間も短くなり、よっぽど活性が高いときでないと顕著な反応をチヌは示してくれません。

浮きの浮力を十分に殺すということは、団子釣りにおいては、喰い込みをよくする以外にもこんな効果があるのです。フワァ〜がポイントです。

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D刺し餌をチヌに喰い込ませる。

当然、浮きも仕掛けもなんにも付いていない方が餌の喰い込みが良くなるのは当然です。
でも釣りである以上、それは出来ません。
筏でチヌを釣る場合は、とても細くて感度の高い穂先を使い、チヌに抵抗を与えないで尚かつアタリをとっていきます。筏師の方々には状況に合わせて穂先を変えるような方もおられます。
私のように磯や波止からチヌを釣る場合はなかなかそんな穂先は使えませんし、必ずしも竿下を釣る訳にはいかないので、波止からのぶっこみ釣りでは細かなアタリが取りにくいのが実際のところです。
ですが、浮きを使えば”細くて感度の高い穂先”と同等或いはそれ以上の効果が得られるのです。
ですから、アタリをとることを可能としながら、チヌに与える違和感を小さくして餌を喰い込ませるために、浮きは必要となってくるのです。ただし、波や風、潮の流れ等浮きでアタリをとる上で障害となるものは沢山あります。これは経験でカバーするしかありません。

また、浮きという中継支点を得ることにより、遠くでも様々な誘いが可能となります。刺し餌を浮かび上がらせたり、潮上に引き戻したりといったものです。誘いもチヌに刺し餌を喰い込ませる上で重要です。

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