熱く...素晴らしい時間

本日の釣果(2000.9.3)

チヌ32cm×3枚
  25cm,22cm


土曜、16時前。
家の前に車が止まります。約1年ぶりの再会です。

昨年9月10〜11日。しまなみ海道−大三島での釣り、そして大島での充実した”話”の夜。

あの熱く深い日をもう一度...「広島湾のチヌ釣り」高橋さんのお世話で、今度は我がホームグランドである周防大島にて、昨年の充実した”話”の立て役者である仙波さんと一緒に竿を出すこととなったのです。

更に今年は、「チヌに憧れて」の友波さんも参加。このメンバーでの夜の席に期待しないわけにはいきません。


「ご無沙汰してます」
高橋さんの車から降りてこられた仙波さん。そうそう、この人です。

一路周防大島方向へ車を走らせます。

目指すのは周防大島ではなく、大島大橋の手前にある「うずしお荘」という国民宿舎です。
ここで一泊して、釣りは明日です。ここで友波さんも合流。

夕食をとって、お風呂に浸かり、私以外はビールを片手に(私は飲めませんので)話は盛り上がります。
留まることなく広がる釣りと海の話。全てを録音して、ここに書き写したいくらいの内容です。

・・・・・釣りは健常者しかできるような環境ではないよね.....
え?

考えもしなかった。

仙波さんの夢が語られます。確かに防波堤には階段や段差が沢山。磯なんて例えば車椅子で入れるはずもないでしょう。

仕事と釣りという時代を終えたら、誰でも釣りという素晴らしい行為を楽しめる環境を作る手助けをしたい。
自然にそんなことが考えられる人。

自分の若さを痛感しました。

でもそれは否定されない。私達は今は釣りを楽しめばいいと。そして一歳とって自然に辿り着けばいいのだと。

「枯れた釣りを楽しみたい」

仙波さん自身、まだ枯れるなんて年齢ではないのですが、ここのところ視野が狭まって少し悩んでいた私の頭は、一気に砕けてしまいました。

そして友波さん。「田中さんの釣りを見てると昔ほど楽しそうじゃない。」
「人に迷惑を掛けないように、自然に負担を掛けないようにして、あとは自分の思うように楽しめばいいじゃないですか!小魚釣ったって楽しい時は楽しいですよ。」


(「そうですね。もっと純粋に楽しみます。釣りは楽しい。世の中には色々なことを考えている人がいる。そんな”情報”が知らず知らず自分を縛っていたのか?チヌだけが釣りじゃないし、フカセだけが釣りじゃない。前はもっと柔軟に楽しんでいたはず。その堅さが例えばフカセにしても自分の釣りを雁字搦めにしていたんじゃないだろうか?
最近、釣りの最中に仕掛けを換える回数が減ったような気がするな...あれ?俺のスタイルってこうだたっけ?手を換え品を換え...そして新しい磯に足を踏み入れて...チヌの大きさがどうこうじゃない、まだ見ぬ一枚に憧れていただけじゃなかったっけ?それが楽しかった。・・・・・・原点...」)


行き着くところは仙波さんとは違ってくるでしょう。でも、今純粋に釣りを楽しみ、そして時が来たら、釣りを通して得てきたものを、釣りを通して返していけたら、とても素晴らしいことです。

高橋さんの優しそうな目もそう言っています。


終盤、怖い話で盛り上がったり?もしましたが、やはりとてつもなく素晴らしい日になりました。

さて、明日の釣りは思いっきり楽しめそうです。



朝4時半起床。
準備をして、食料を仕入れて、ポイントを目指します。
ここでハプニング。まさかまさかの先行入釣者です。これは予定外。

やむを得ず、少し歩かなければならないポイントを案内します。

徒歩15〜20分。岩場を越え、砂浜を歩き、釣り座に到着です。少し狭いので、実績のある釣り座に仙波さんに入ってもらい、友波さんにはサポートに入ってもらいます。

高橋さんと私は、砂浜を挟んだ岩場へ入ることにしました。こちらはまったく実績無しですが、私としては以前から目を付けていた場所です。

まずは、仙波さんと友波さんの釣り座....の下の干出しでツブ(貝)拾い。

今晩は、高橋家で獲物を魚に宴会の予定です。魚が釣れなかったときのための保険。余り拾う人がいないのでしょう。良型?のツブが沢山あります。

30分ほどツブ拾いに没頭して、それから我々の釣り座に向かいます。
さて、この釣り座はどうでしょう。

餌取りはフグ、子メバル、ベラ。そして僅かばかりのアジ。後で聞くと、友波さん達の方は、サヨリの大群やアジにかなり悩まされたようでした。私達の釣り座は少し潮通しが悪かったのが幸いしたのでしょう。


先陣を切ったのは高橋さん。釣り始めて間もなくこの時期としては良型です。目寸37〜8cmといったところ。
高橋さん自身久しぶりのフカセなのに、流石です。

さてさて、私の方は....

それからしばらくして、22cmの小チヌが掛かります。通常ならリリースするサイズですが、今日の夜の「チヌ素麺」のため、キープします。

今日は気分が新鮮です。仕掛けの交換も頻繁。何度換えたかな?

基本的には潮は緩いので、00号完全フカセ〜G2くらいの間で、潮流に合わせて頻繁に仕掛けを換えていきます。

その甲斐あってか....

2匹目のチヌは、止まり掛けた潮の中、誘いを掛けて乗ってきた一枚。32cm。

3匹目...と思ったら、針折れ。カエシの少し下でポッキリです。掛かりどころが悪かったのでしょうか。

この後、アイツが...浮きに現れた魚信にアワセを入れると、「これは50cm近いか?」そんな気のするような凄い引きです。たまらずレバーブレーキを緩めます。が、磯際近くに寄せてからの突っ込みは、どう考えてもチヌとは思えません。かといって掛けた瞬間の雰囲気はグレではない。
金属的な光が水面下で反転します。バリ(アイゴ)です。40cmくらいありそう。

毒腺が厄介なので、取り込んだ後、そのまま逃げて戴きました。

ところが、今日のアイツは一枚じゃなかった。

2枚目はお昼前。またまたとんでもない引きです。これは少し油断したら、足下の磯で瀬ズレしてバラしてしまいました。

そして、3枚目。またまたとんでもない引きです。同じ足場でやり取りするとまた突っ込まれそうなので、高橋さんの釣り座まで移動させて貰い、無事に取り込み終了。
こいつとやり取りすると、汗ばんでしまいます。引きだけは存分に楽しませてもらいました。

本命のチヌの方ですが、満ちの潮止まり迄に、32cmを2枚と25cmを1枚追加しました。

僅かなアタリを拾った1枚、綺麗に浮きを消し込んだ一枚。3魚3様のアタリを出してくれました。


引き潮が動き始めると、潮が速くて私の釣り座では仕掛けが流せません。潮下の高橋さんの立っている岩に道糸が当たってしまいます。

高橋さんの隣に入れさせて戴き、釣りを再開します。

急流。
こうなると、最近の私の伝家の宝刀、こばしん浮きの登場です。こばしん浮き2Bに、道糸にBを2つ。2ヒロのハリスに針からG7、G7、G5を打って流した一投目。
またまたこばしん浮き炸裂。いきなり浮きが沈みます。チヌです....が、いきなり竿がテンションを失います。バラシ...仕掛けを回収するとハリスが切れていました。
ところが、続く2投目もまたまた浮きが沈みます。アワセるとまたまたチヌです。が、またまた竿がテンションを失います。今度は針外れ。

高橋さんの隣ですっかり場を荒らしてしまい、今日はこれでお終いでした。


そしてトドメは...あの後、37〜8cmの良型をもう一枚釣られた高橋さん。スカリを上げるとチヌが居ない。
スカリの口が緩んでいます。かなり落胆の模様です。


友波さんも仙波さんも本命をあげられた模様。良かった良かった。いや、流石にベテラン揃いということでしょうか?



一路広島方面へ!と思ったのですが、友波さんは奥さんの調子が優れないということで、そのまま帰宅されました。残念。



夜19時。高橋家。
高橋さんの奥様の「菩薩の料理」の出番です。ここで合流された落とし込みの名手沢田さんご夫妻と共に、料理に舌鼓を打ちながら、また尽きることのない話が続きます。

私の手土産は、「はがくれ釣りバカ道場」の管理人はがくれさんから、カウンター3333Get!で戴いた伊万里の焼酎のんのこ長期貯蔵です。飲めない私の変わりにみんなで味わってもらいます。
「まろやかだね。」「これは美味いよ。」口々にそんな言葉。はがくれさん、有り難うございました。
私も少しだけ舐めてみました。

そして22時半。高橋さんと仙波さんは翌日は団子釣り。私は翌朝4:30分起きで日帰り東京出張が待っています。名残惜しみながら、家路につきます。

仙波さん、またお逢いしましょう。次は仙波さんのHGかな?宜しくお願いします。


堂の浦での掛かり釣り体験。そして今回のOLM。なんだかとても気分がスッキリしてきました。
全てはネットで知り合った素晴らしい友人のお陰。有り難いことです。


ここに訪れて下さる皆さん。本当に有り難うございます。


戻る     (「釣果報告チヌ」へお戻りの方はここをクリック)