来島海峡で思ったこと

本日の釣果(2000.10.28)

チヌ 36cm,31.5cm
 の2枚でした。

難しい...


10月27日19時半ころ。会社の飲み会の席で一人時計を気にしている私がいます。
「早く終わらないかな...」
挙げ句、「お先に失礼します...」などと中座しています。

申し訳ないですが、この席に長々と付き合っている場合ではないのです。慌てて電車に飛び乗ります。
家について、車にフカセ道具一式を詰め込んで、一路尾道へ。

待ち合わせ場所で少し仮眠。1時間くらいウトウトしたでしょうか。待ち合わせ時間より少し早く、待ち人が現れました。TONさんです。

TONさんの車に荷物を押し込んで、しまなみ海道を渡ります。一路今治へ。

10月28日。首を長くして待っていた”来島海峡OLM”の日です。HP「浮きだけを見つめて」の悠遊さんの主催の総勢16名ほどのOLM。お馴染み、こばしんさんご夫妻や、うちのBBSでお世話になっている三田さん、「磯の管理人home page」のすなちゃん、「潮騒を聞きながら」の釣夢侍さん等々、一度はお逢いしたかった面々が名を連ねています。

今治北ICで降りるところを行き過ぎてしまい、今回お世話になる”やのや釣具”さんに辿り着くまで一苦労。
TONさんと二人して方向感覚失って、今治の町中をウロウロしてしまいました。が、無事到着。

ちょっと仮眠を...といいながら、道中から続いている会話はまだ続きます。TONさんはフカセもそうですが、投げ釣りにも精通しておられ、気さくなお人柄と合わせて、とても楽しい時間を過ごさせて下さる方でした。

しばらくすると、続々と車が集まってきます。

悠遊さんと初対面。もう少し年上の方かな?と思っていたのですが、想像よりお若い方でした(私よりは当然年上ですが)。HPから想像できる通り、とても誠実そうで、感じのいい方でした。

続々と...今回、やのや釣具での渡船の手配や磯の予約等々でお世話いただいた たけちゃん。こばしんさん。釣夢侍さん。ぐれ坊さん...「(あ、この人だな)」と思ったのはやっぱりこの人でした。すなちゃんがいます。
すなちゃんは当に想像通りの(面白い)方。BBSではとてもお世話になっており、まるで初対面という気はしません。

最後に三田さん登場。三田さんにもBBSでお世話になっています。こちらも初対面という気がしません。


まだ暗い桟橋。続々と渡船に乗り込みます。
くじ引きの結果、当初私に割り当てられたのは伯母島。ところがいざ船を出してみると、心配していた北西風が強く、伯母島は苦労しそうとのことで、急遽「大島のハナレ」に上がることとなりました。

来島海峡で竿を出すのは初めてですから、私にとってポイントはどこでも同じ事です。

磯に上がったと思ったら、昼までは持つだろう...と思っていた空から、いきなり雨が落ち始めます。
濡れる前にカッパを。もう雨に濡れながら竿を出せる季節ではなくなっています。

満ち潮が本格的に動き始めます。噂通り流れは速い...が海峡の水道に面した場所でないので、速さ自体はどうしようもない程ではありません。

困惑したのはその潮の複雑さ。湧き潮。渦流。そして右へ行ったり左へ行ったり...基本的には左から右へ潮が動いているように思えるのですが、実際浮きを入れると、全く流れる方向が安定しません。

仕掛けが馴染んでいるのかどうかすら疑問に思えてきます。

手返し。棚調整。仕掛けの変更...水中浮きをつけてみたり、5Bの浮きを使ってみたり、ハリスにG7を4段に打ってみたり...あれやこれや手を打ちますが、いつもの周防大島や広島湾の磯とは全く違いすぎます。どんな手を打ってみても、確信が持てないのです。

更に、餌取りが少ない。流れが速いこともあるのでしょうが、ひたすら刺し餌が残ります。棚も竿2本近くまで探ってみたのですが...磯際には草フグとスズメダイn姿が見えますが、磯際以外には魚がいないんじゃないだろうか?と思えるほどです。(周防大島なら、メバルやベラくらい竿を曲げてくれるのに...)

潮の複雑さは留まるところを知りません。私をあざ笑うかのように刻一刻と姿を変えていきます。


思い知らされました。如何に自分が井の中の蛙かということを。
1枚釣れればいい...と思っていましたが、逆に1枚くらいは釣れるだろう...と心のどこかで思っていたのです。
しかし目の前の海には、私がつけ入る隙がない。


考える。実行する。また考える。また実行する。手持ちの仕掛けで考えられる限りのパターンを作りつつ、ボウズという自体を心の中で覚悟します。

10時頃だったでしょうか。
3Bの浮きに、水中浮き−B、ハリスにG7を2つとG2を一つ。浮き下は竿一本ちょっと。
流していた浮きが例によって小さな渦流に捕まり、海面下へ吸い込まれていきます。軽く仕掛けを引き戻し、そしてまた沈め、道糸を張って誘いを掛けた瞬間。竿先に衝撃が走ります。
アワセ!間違いなくチヌです。
浮いてきたのは本当に綺麗な色そして形をした30cmちょっとのチヌです。

待望の一枚に胸を撫で下ろします。

続くか?と思ったら、そんなに甘くはありませんでした。

次に仕掛けを投入したときにはもう既に海は表情を変えています。また沈黙。


潮止まりが近づいてくると、海の状況が少し変わってきました。相変わらず複雑ではあるものの、湧き上がりが少なくなり、全体的に穏やかな感じです。チャンス到来か?

この頃から、刺し餌が頻繁に取られはじめます。いくら仕掛けを張っても、アタリが出ずに刺し餌が無くなることが多いのです。

アタリ!アワセ!ん?針に掛かっているのは20cm程のハゲです。針外れ...

どうやらハゲがかなりの数撒き餌に集まっているようです。


時計が正午を回った頃。
潮がそこそこの速さで右へ。浮き5Bで棚を竿1本半程度に設定し、この流れに乗せます。
潮下で潮が反流している部分があり、そこで浮きが一旦止まり、沖手へゆっくりと動きます。その直後。浮きが沈みます。アワセ...が空振り。

次の一投。同じルートで仕掛けを流すと、同じ位置で再度浮きが沈みます。アワセ!ガツン!今度は乗りました。潮流の助けも借りて、ガンガン竿先を絞り込んでいきます。重量感はないが元気一杯の力強い引きです。
浮いてきたのは、これも綺麗で、身がパンパンに張った力強そうなチヌです。目寸35cmちょっと。

結局、その流れも5分ほどで消えてしまい、これが最後の一枚となりました。

結果的には2枚釣れてホッ...ですが、今日の釣りは、フカセの難しさを痛感させられるものであり、反省と、まだまだ色々な釣り方が楽しめる!という嬉しい気持ちで複雑な思いの中での釣りとなりました。
当然、ホームグランドでの釣りもまだまだ何も掴めていないのですが、なれ合い的なものもあり、海を目の前に動揺するようなことはなかったものですから...


場所を移して。
悠遊さんにお手配戴いた懇親会。アコウ、伊勢エビ、マダイ...新鮮で美味しい海の幸を囲んで、楽しい時間が過ぎていきます。
今日の釣りのこと。昔の釣りのこと。明日からの釣りのこと。
来島の話題あり、御荘の話題あり、宇和海の話題あり、高知の話題あり...フカセの話題あり、カセ釣りの話題あり、カゴ釣りの話題あり、ジギングの話題あり....皆さん、ホントに色々な釣りを楽しんでおられます。

いつか私も。

「負けたらいかん〜!負けたらいかん〜!・・・・」すなちゃんのお話に爆笑しつつ、こんな席に身をおける幸せを感じます。釣りっていいですね。

また、ご一緒させて下さいね。


最後になりましたが、何から何までお世話戴いた悠遊さん、渡船や磯の予約等でお世話いただいた来島海峡をホームグランドとするたけちゃん、しまなみ海道をお疲れの中運転していただいたTONさん、そして楽しい時間を戴いたOLM参加の皆さんに心より御礼申し上げます。


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