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本日の釣果(2001.3.25) チヌ41cm,37cm,30cm 計3枚 3月も末だというのに、抱卵 状態が...卵が有って直径 5mm×1.5cmくらい。 抱卵が見られないのも居た。 どうなっているのだろう? |
これだけの揺れを経験したのは初めてでした。
縦揺れだか横揺れだか、その時点では当然そんなこと考えていません。何の前触れもなく起こる地震は、身構えていない分、とっさの行動に自分の心が素直に出てしまうものです。
あの阪神大震災の日。人づてに聞いた話ですが、地震に驚いて飛び起き、女房を放っておいて猫を抱いて逃げ出した...という実話があります。まあ、これも無事だから話せることではあるのですが。
さて、私の行動。
台所付近に私と女房。娘は友達とすぐ近くの公園。
その揺れは、一瞬でただ事ではないことが把握できるほどのものでした。私は産まれてからこの方、地震でタンスが倒れたり、食器が割れたりしたのを見たことがありませんでした。運が良かったのですね。
食器棚が倒れるのでは?と思うような揺れ。扉の一つが開いて、コップ等が落ちて割れます。
公園!
揺れが収まるのを待つことなく、夫婦して家を飛び出し、公園へ向かいました。
娘はブランコを囲む鉄柵に友達としがみついていましたが、家の中より、広い公園に居たことが幸いしたのか、思ったほど動揺していないようです。
「あそこの家がね...」
指さす方向を見てみると、近所の家の屋根の両端が崩壊しています。
改めて辺りを見回すと、他には特に目立って損傷した家は見えません。念のため我が家の周りをぐるっと回ってみましたが、取りあえず問題ないようです。水も電気も使えています。
すぐにテレビを付けて状況を確認します。こういうときはNHKは役に立ちます。何度も何度も同じ事ばかり繰り返して言っているお陰で、聞き漏らすことなく状況が把握できてきます。
ふと、友波さんが気になり、連絡。友波さんもご無事のようでした。
この後、本当なら高橋さん宅で、茅渟夢想氏の壮行会(東京へ行かれる)の予定でしたが、高橋さんの仕事柄、この手の天災時には緊急出勤しているはずです。
電話も携帯電話も殆どつながりませんから、連絡は取れませんが、これまでのつき合いからそう理解します。
無事を確認したいという心境が電話のつながり難い状態に輪を掛けています。
一息ついて、取りあえず仲間が心配しているのでは?と思い、インターネットに接続を試みるとアクセスポイントには簡単に電話がつながりました。
掲示板に...すでに我々を心配したカキコが入っています。本当に有り難いことです。
ともかく、私も友波さんも殆どダメージ無い旨のカキコを残し、早々に回線を切断しておきます。
後で再び掲示板を見ると、心配のカキコが増えています。自分が心配される立場になって改めて仲間の有り難さが身に染みました。
余震が散発的に続く夜。不安で眠れなかった....のは女房だけのようで、私は熟睡。
しかもよからぬ気持ちを抑えきれないまま.....
朝4時半。目を覚まします。目が覚めてしまうのです。
外は小雨模様。
普通ならここでグッっと堪えるところ。
顔を洗って車にキーを差し込む私。そして西へ向かう。
雨足が強まってきます。引き返した方がいい....そう思いつつ、更に西へ。
南岩国の辺りで道路が突然通行止めになっています。迂回...しかしその迂回ルートはとんでもない。西へ向かうには、一旦少し引き戻して大きく遠回りしなければなりません。
これは帰れということだ....と思いつつ、何故か更に西へ。
気がつくと釣具屋。他にも釣り人がいることに妙に安心。
頭の中には、まだ”不謹慎”という言葉がグルグル回っています。
ともかくここまで来たからには竿だけは出そうか...そう、なるべくいつでも帰れる安全なところへ...
と思いつつ、車は何故だか長距離磯歩きコースの磯へ向かっています。海を見るともうダメです。
道中、遠回りしたこともあり、思いの外潮位が上がっています。これは釣り座まで歩くのが大変そうです。他のポイントへ行った方がいい....と、思いつつ、レインウェアを着込み歩き出す自分。
挙げ句、思った通りルートが水没しているのを、無理に通ってブーツの中は水浸し。開き直りのA型の私は、こうなってしまうともうダメです。気にせずそのまま前へ進みます。
結局、何かあっても満潮時には絶対帰れないポイントへ入ってしまったのでした。何度も思いとどまろうとしながら歯止めの効かない自分に少々反省します。
ともかく、来てしまったものは仕方ない、ということで、振り続ける雨の中、撒き餌を作ります。
釣り開始。竿への道糸のベタツキを嫌って、少し大きめのG2の浮きをセットします。釣り始めには左から右へいい感じに動いていた潮はすぐに緩んでしまいました。
まず顔を見せたのはタナゴ、そして磯ベラ。地震の影響で魚が全く顔を見せないのでは?と思っていたこともあり、一安心です。時折草フグも顔を見せますが、海自体は全体的に静かな雰囲気。釣り上げた魚が妙に冷たい。水温が思ったほど上がっていないようです。これは厳しそう。
潮が緩んできたので浮きを0号に交換します。
足下から張り出した根や、30m程沖の藻群付近等々、色々攻めてみますが、全くアタリが出ません。
先日の状態と良く似ている。これは本当に厳しいかも。
足下から張り出した根の横に仕掛けを置いていると、少し浮きがシモった状態で止まっています。根掛かりだろう、と思って竿を煽ると、ノタッっとした重み。藻でも掛けたかな?と思ったら、それが左方向に突っ込み始めました。引きからしてチヌのようですが、それにしても弱い。
浮いてきたのは35cmを超えるくらいのサイズでした。顔の大きな、瀬戸内のチヌです。先日の御荘のチヌに比べて、本当に顔が全体の上で大きい。が、私にはこれが馴染みのチヌです。
当初、ノッコミを意識した釣りをしようとしていましたが、どうにもチヌが寄りそうな雰囲気にならないため、投入位置や流す潮筋を変えて、あちこちを探ってみます。これはまだ寒の釣り方です。
天気予報では、降水確率もさほど高くなく、また波も0.5mだったはず。
なのに、雨は雨足を強めたり弱めたりしながらもずっと降り続いています。
おまけに海には白波が立ち始めています。これで0.5mってことはないな...と思いつつ、刺し餌の安定を図るため、浮きを2Bに交換。水中浮き−BにジンタンG5、G7で調整します。
昼を回る頃、今度は綺麗に浮きが入ります。アワセると、ガン!という衝撃とともに、チヌの生命観が竿越しに伝わってきます。今度はいい引きです。
浮いてきたのは引きほどではない40cmくらいのサイズ。
これと同じポイントにもう一枚チヌが居そうな気がするのですが、何度攻めても喰わないため、これは諦めます。釣り座を干出しの上に移して再開。
いい流れが出ていますが、やはりまったくアタらない。
仕掛けが上擦らないよう、浮きを3Bに交換してみたり、また元に戻してみたり....
全く活性が感じられません。
結局、流れの中では1度アタリが出ただけ。潮の力を借りて元気に走ったのは本日一番小型の30cmでした。
結局一日中降り続いた雨の中、車へ向かって歩きます。
濡れたままの足で一日過ごしましたが、やはり春ですね。少し寒かったものの、何とか過ごせました。
・・・・・が、チヌを捌いてみて驚きました。殆ど卵がないのです。3枚のうち1枚だけ、直径5mm長さ1.5cm程のできたばかりのような卵があっただけ。他の2枚は殆ど卵巣も精巣も見当たりません。例年ならこの時期釣れたチヌは小指大くらいの卵を持っているのですが....
ノッコミはまだ少し先になりそうな雰囲気でした。ただ、これは一つのポイントでの話だけですが....
それとも、抱卵したチヌが、地震の影響で浅場から姿を消した...などということが考えられるのでしょうか?
今期のノッコミ期のスタートは不安な幕開けとなりました。
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