![]() |
2001がまかつチヌ選手権 地区予選広島湾会場 (2001.5.14) 第3回戦の釣果 チヌ 12枚(最大寸43cm) 磯名:宮島革籠(コウゴウ) 西向き |
初戦、2戦目と接戦が続き、自分の疲れが実感できます。いつものようにポカリスェットとカロリーメイトを流し込みます。この3戦目を突破すれば広島湾予選は突破できます。何とか次のステップへ進みたい。
撒き餌はかなり残っていましたが、車の中には既に半解凍状態になったオキアミ3kgがまだあります。あまりそうな気もしましたが、悔いを残さないよう、撒き餌を追加します。オキアミ3kg、アミエビ1kg、チヌパワーV9遠投一袋。
乗船前。私の対戦相手がなかなか現れません。どんな人だろう....強い人と当たるのは望むところではあります。強い人と当たることで自分の力を把握できるからです。負けるなら本当に強い人と当たりたい。が、そうはいいつつも、予選は突破したい。できればあまり強くない人と当たりたい(3戦目ですから皆さん強いのは当然なのですが)。
現れました。私の対戦相手。釣り好きながら殆ど有名な人の顔と名前も解らない私ですら知っている方。広島湾では超有名なベテランの方です。この方に、昨年友波さんが2回戦で敗れています。寄りにもよって....
更に因縁が続きます。私たちに割り当てられた磯は何と革籠。昨年私が2回戦で敗れた磯です。
革籠には4人、2グループが上がります。我々は革籠の西向きで釣ることとなりました。
じゃんけんで勝った私が右側に入ります。潮は殆ど動いていない状態。
午後3時。一斉に試合開始。双方、かなり大目に撒き餌を飛ばします。私の作戦は2戦目と同じ。当然ハリスは張り替えていますが仕掛けも全く同じにしています。沖から手前へ掛けて縦長の”面”を、少し遠投気味にして......対戦相手の方を見ると、同じような攻め方をしておられます。仕掛けはナビタイプの水中浮きを付けたスルスル仕掛けのようです。
取りあえず3ヒロに設定した棚一杯を、手前にゆっくり引き寄せながら張りながら沈め、馴染ませたらまた手前に寄せて浮かせ、また馴染ませる。そんなノッコミ期の釣りを忠実に実践します。
浮きへの反応が鈍いまま餌が取られるため、浮き下を30cmほど浅くします。
アタリ!ワリバシを取り出してしまうようなサイズでしたが、またもや先制できました。が、相手は超ベテランです。釣れるときに釣れるだけ釣っておこう。アタリの出方に応じてこまめに浮き下を調整しながらチヌを追加していきます。
自分がかなり焦っているのがよく解ります。ひょっとして勝てるのか?いや、ダメだ。そんなことを考えてもすぐに逆転される。兎に角最善を尽くすんだ.....
若干枚数的にはリードしたまま釣り合いが続きます。
ふと、左を見ると、対戦相手の方が大きく竿を曲げています。「こらぁ太いで!」
確かに大きそう。すると、それは釣り座の前の岩の反対側に潜り込んだ模様。必死に出そうとしておられます。
私もそれを見ているわけには行きませんので、兎に角手返しを続けます。その間に一枚追加。
「出た!」。声が聞こえます。玉網に納められたそれは50cmクラス。ベテランの力。圧倒されます。こんな大会の試合中にそのサイズを引きずり出すとは....
ここまでの差を一気に吐き出した感じです。焦りが焦りを呼び、緊張と興奮でカラカラに乾いたのどは血が出そうな痛み。大会経験の少なさがこんなときに顔を出します。
動揺は隠せず、攻めが荒くなります。するとやはり食わない。少し間合いをとって自分を落ち着かせます。
・・・今日の釣りはゆっくりした誘いが功を奏しているんだ。荒くなったら負けだ....
落ち着け、落ち着け、と言い聞かせながら、早く、早く、と自分を追い立てます。
空針を流すな。集中して餌が取られたタイミングを掴め。少しでも有効な時間を増やせ。頭の中で基本事項を反復して唱えます。
アタリ!アワセると本日一番の重量感。といっても驚くようなサイズではありません。40cmクラスを一気に取り込みます。自分でやり取りが異常に大胆になっているのが解りますが、これは無理には抑えません。攻める、兎に角攻める。
前半終了。焦っていたため何枚釣ったか解らないのですが、枚数では明らかに勝っているはずです。しかし重量では非常に微妙なところ。
おまけに私が竿を振っていた釣り座はかなりチヌの活性が高い状態になっているため、交代した途端に相手側が爆釣する可能性があります。
今度の釣り座は一段高い。潮は僅かながら動いていますが右に行ったり左に行ったり。どちらかというと左に流れる方が多い。つまり私は潮下にいる時間が長そうなのです。ただ、若干当て潮気味になっているため、更に遠投気味に攻めを組み立てます。
撒き餌は充分にあります。自分のペースにチヌを引きずり込まなければ...
そんな心配をよそに、先程と同じような状態で浮きが滲みます。一安心。だが、相手も竿を曲げている。
ガン!重量感のある手応えが竿に伝わります。大したことは無いにしても40cm前後のサイズと思われます。一気に浮かせに掛かったら、急に竿がテンションを失います。バラシ?仕掛けを回収すると針が完全に折れていました。やり取りが荒かったこともあるでしょうが、これは掛かりどころが悪かったのが主原因だと思われます。
浮き下を20cmほど深く設定し直します。
これ以降のチヌはカンヌキ或いはカンヌキ近くの口の中に針掛かりし始めます。
釣りつ、釣られつ。緊迫した時間が続きます。多分、リードできているはず。
私の時計は終了時間の午後5時を指します。ただ相手の方の時計でスタートしているので、最初の時計アワセのときの時間差を考えると後2分程度あります。
もう一枚...そう思いながら竿を振ります。すると相手の方の竿が曲がっています。残り2分で掛けたチヌは40cmクラス。こういったところは、やはり地力の強さなのでしょう。流石です。
ともかく、枚数ではかなり勝っているはずです。勝てたか?しかし、私のバッカンの中のチヌは検量サイズギリギリのものも含まれています。
小方港桟橋の上。最後の検量です。次々にチヌが秤に載せられます。流石に3戦目ともなると皆さんかなりのチヌを釣っています。こんな凄い人達の中に残っている自分が不思議。でも、この検量で私が勝っていれば、もっと凄い人達の世界に僅かでも身を置くことができる。中国地区予選に行きたい...
対戦相手の方のチヌが秤に載ります。50cmクラスのチヌに感嘆の声が上がります。
いよいよ私の番です。バッカンからチヌを出します。
「よーけ釣っとるのぉ」そんな声が後ろから聞こえてきます。自分が何枚釣ったかすら把握していなかった私ですが、確かにバッカンの中にはかなりのチヌがいます。これは勝てたか.........
デジタル表示の秤が運命の数字を表示します..........
言いようのない達成感。充実感。こわばっていた顔が緩むのが自分で解ります。膝や腰の力が抜けます。
1次予選突破くらいでオーバーな...なんて言わないで下さいね。大会らしい大会に出たのはまだ2回目ですから。
何度も応援のi-modeメールをくれたsomeさんと友波さんにメールで報告して、それから娘の体調が悪いにも係わらず快く送り出してくれた女房に予選突破の報告。女房から一言。「勝つと思ったよ...」だってさ。
全国大会に出場するには、まだ中国地区予選を突破しなければ行けません。当然、中国地区予選を突破できるなどという自信は全くありません。でも、いつか全国大会に出てみたい。それはやはり夢ですから....
中国地区予選広島湾会場 結局順位は予選突破18人中10位でした。順位は最終戦の対戦相手との重量差がポイントになりますので、これは相手が相手だっただけに仕方ありません。賞品はがまかつのサングラスでした。有り難いのですが、釣りの最中眼鏡を常用している私には使うことはないかな。8位のcomoのロッドケースが欲しかったなぁ〜.....などと、そんなことが考えられるだけで充分です。
最後になりましたが、広島湾の予選であるにも係わらず、遠くは関東から掲示板上にエールを送って下さっていた仲間達。そして、お祝いの言葉を下さった仲間達。本当に有り難うございました。
※小方港まで持ち帰ったチヌはリリースしないように事務局から指示がありました。このため全量持ち帰り我が家と近所で美味しく戴きました。
(「釣果報告チヌ」へお戻りの方はここをクリック)