深場は奥が深い

本日の釣果(2001.6.16)

チヌ 33cm 1枚

腹を捌いて驚いた...


そもそも、12時までには帰らないといけない日でした。

その様なことを友波さんに話していたら、友波さんも昼頃までなら釣りに行けそう...ということだったので、久しぶりにご一緒することになりました。

私の場合、12時までに家に帰ろうと思ったら10時過ぎには大島を発たないと間に合いません。ゆっくりやれる状況ではないし、おまけに早朝満潮という潮回りであるため、地磯のポイントは大きな制限を受けてしまいます。
この為、今回は波止からの釣りにしよう...と思っていました。

結局、都合が変わって、私は時間に縛られることなく釣りができることにはなったのですが、潮回りのこともありますので、今回は...

さて、現地集合ということにして、最初に目指したポイントには、既にキス釣りの方が入っておられました。5時過ぎには着いていたのですが、既にキスを4匹釣っておられましたので、夜明け前から入られていたのでしょう。

考えてみると、以前は私も、夜明け前には必ず釣り場へ着くような時間に出発していたものでした。
ところが、ここ数年、釣り場があまり頻繁に人の来ないような地磯であることが多く、また僅かながらでもポイントの開拓もしたし、例えポイントが空いてなくても探せばいいや、という気持ちになっており、こういうところから、あまり朝早くに家を出なくなっていました。

何せ夏場に明るくなる前に釣り場に入ろうと思うと、2時起きで3時には家を出なければなりません。毎週毎週のことですから、結構キツイ時間です。


という訳で、ゆっくり目に(それでも4時頃)に家を出ていますから、波止のポイントに人が入っていても不思議はありません。

友波さんと電話で話して、次のポイントを目指します。ところが今度はフカセ客。


予定していなかった3つ目のポイントでの竿だしとなりました。
ここは深い。満潮時で竿3本近い。私はこういうポイントは苦手です。

取りあえず、1号の棒浮きを使って底付近に棚を設定して釣り始めます。

夜中からアジを狙っていたおじさんと話をしながら、ゆっくりとした時間が過ぎていきます。
アジはどうやら釣れていないようです。

最初に竿を曲げたのはベラ。そしてトラハゼ。うーん...魚、活性低いなぁ....

下げ潮に入って、本命潮が右へ流れてくれることを期待しますが、潮が小さいこともあり、上手く潮が走ってくれません。友波さん共々大苦戦です。
少々だらけ気味。

浮きを僅かに押さえ込むアタリは出るのですが、アワセても鈎掛かりしません。10cmに満たないようなアイナメが鈎掛かりしていましたから、こんなのがつついているのだろう...と想像します。

このままだらけ気味に竿を出していたのでは、このまま終わってしまいそう。

仕掛けを交換します。

遠投の必要のないポイントです。久しぶりに若狭をホームグランドにする岩崎魚成さんに戴いた魚成浮き3Bを取り出します。
この浮きは非常に感度がよく、喰い込み時の抵抗の小さな浮きです。これなら...

魚成浮き3Bに水中浮き−2B。水深があるので、先ずはこれで様子を見ます。
何投か様子を見ると、−2Bでもスーっと仕掛けは馴染んでいきます。潮が相当素直なようです。浮力にも余裕が見られたため、ハリスの上段にG5を追加します。

1号の仕掛けで棚を取っていましたから、錘を小さくしたため、仕掛けは潮下に斜めに入っています。少し上擦った状態になっているはずです。

こまめに張りを入れながら流すこと数投目。

魚成浮きがスーっと海面下に消えていきます。半信半疑でアワセ!グン!
あれ?これは?チヌだ!
大したサイズでは無さそうですが、チヌの引きが竿を通して伝わってきます。
取り込んだのは33cmのチヌでした。
お尻から何かがはみ出ています。これを見て、友波さんも私も「まだノッコミのチヌ...」であることを疑いませんでした。

少しして、渋いアタリの中、友波さんも似たようなサイズを取り込みます。こちらはオスのようです。

続くアタリは見えません。

風が強くなってきたため、浮きを円錐浮きの3Bに交換します。

結局、アタリがあってもアワセに至らないまま、友波さんの納竿タイム。

私はまた浮きを1号に戻したりしながら更に1時間ちょっと粘って13時過ぎに納竿としました。

水潮?スレている?....そんな憶測をしながら釣り場を後にします。



さて、家に辿り着いて、本日唯一の釣果のお腹に包丁を入れます。
卵が出てくる...と思ったのですが、卵は全くありません。どうにも産卵後のようです。

その代わりに、ピンク色の大きな固まりがあります。

ん??

裂いて見ると、胃の中に一杯に詰まったオキアミ。どう考えても我々の撒いた撒き餌です。

これは......


友波さんの1枚は恐らく底で釣られたものだと思いますが、私の1枚は上擦った状態で釣ったもののはず。つまり底で釣ったものではない。

仕掛けを軽くしたとは言っても、−2B以上の錘は常に付けていた。潮が素直だったので、イメージ以上に速く仕掛けは沈んでいった。

この状況から考えられることは、チヌは底からかなりの高さに浮いていたと考えられます。

つまり、深棚に上撒きされるオキアミはユラユラとゆっくり拡散しながら沈んでいきます。チヌはこれにつられて浮いていた。そこへ、錘に引きずられて刺し餌のオキアミが沈んでいく。チヌはこれを無視するか、或いは一旦口にしても、錘が沈む為違和感が感じられる(錘の沈む力が伝わってしまう)ため、離してしまう。
何せ上から沢山のオキアミがユラユラ沈んできているのですから、何も違和感の感じられる刺し餌を喰い込む必要なないはずです。


深場の釣りは難しいです。今回は改めて痛感しました。
手は有ったはずです。そもそも棚を底に捕らわれることなく、もっともっと朝だなまで探ればよかったのでしょうし、それ以外にも、沈め釣りやスルスル釣り等が考えられます。

難しさを痛感させられましたが、いつの間にか固定概念で竿を振っていた自分に対してはよい経験となりました。
次からの深場での釣りにつなげていきたいものです。

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