1 独白〜わたしの過去帳
清水の舞台から飛び降りるつもりで告白するが,かつて私はラジコン小僧だった。
今を去ること三十数年前、ファミコンブームと共にラジコンブームが到来した。
当時の小学生が読んでいた「コロコロコミック」ではラジコンの漫画が掲載され、「タミヤRCカーグランプリ」というラジコンレースの番組が全国放送されていた時代があったのである。
そんな時代だったから,私も思い切り感化されたのは言うまでもない。さらに近所の,金持ちで大きなお屋敷に住んでいたクラスメートがRCカーを持っていて,自慢げに楽しそうに走らせていたもんだから,ますますRCカーへの憧憬は強まっていった。
…のだが,何せRCカーは高価である。当時の庶民の倅のお小遣いでおいそれと買える代物ではない。
何せ月の小遣いがせいぜい500円とか1000円とかいう時代に,キット(車体)に加えてプロポセット(送受信機),バッテリーと走行に必要なものを一式すべて揃えようと思ったらどんなに安くても3万円くらいかかったのである(通販ならもう少し安かったと思うが)。
仕方がないので,まず誕生日に,親にねだってキット本体を買ってもらった。そしてその年のクリスマスに,プレゼントとしてプロポセットを買ってもらった。さらに翌年の誕生日にバッテリーを買ってもらい,これでやっと一式揃ったのである。涙ぐましい努力である。
当時買ってもらったのは,タミヤの入門用モデルとして今も名作の誉れ高い,ホーネットという車種であった。
これは当時一番人気があったらしいが,まあこれは安かったからだろう。9,800円という車体価格は,当時売られていたモデルの中で2番目に安かった。
ちなみに金持ちのクラスメートが持っていたのは当時1万4800円もしたマイティ・フロッグだったが,上は見ないことにしよう(苦笑)
そう,値段は問題ではなかった。
自分で組み立てたものが自分の思いのままに走る。これが何より嬉しく,また尊いことだったのである。銭ではないのだよ。
その後何度か走らせていたが,いつしかフェードアウトしてしまった。
時は流れ,大学生となったある日。
私は大阪の日本橋(にっぽんばし。東京で言えば秋葉原)の電気街を歩いていた。
そこで見つけたのは,某ラジコンショップ。
幼いころの郷愁に誘われて,ついふらふらと…
気が付いたときにはフルセット抱えてました(笑)
この時に買ったのはタミヤのマンタレイというモデルで,子供の頃は(銭の面で)手も足も出なかった四駆である。
神戸の某公園で何度か走らせていたが,やはりフェードアウトしてしまった。
時は流れ,社会人となったある日。
私は東広島の街を車で走っていた。
そこで見つけたのは,某ラジコンショップ。
幼いころの(以下略)。
気が付いたときには(以下略)。
今までオフロードバギーばかりだったが,この時はオンロードカーで,タミヤのTT−01シャーシモデル(車種は忘れた)。
独身寮の駐車場で走らせようとしたものの少々狭い上に目立つのでやめて,東広島市内の某公園でひっそりと走らせていたが,やはりフェードアウト。
結婚を機に引っ越しをした際,荷物を減らすためにごっそり捨ててしまったのであった。
時は流れ,2012年の年の暮れ。
私は嫁と娘を連れ,新装開店成ったばかりのエディオン広島本店を訪れた。
嫁と娘が子供広場で遊んでいる中で,私はこそっと抜け出してホビー売り場に行った。
そこで見つけたのは,タミヤのスーパーファイターGR(バイオレットレーサー)。
幼いころの(以下略)。
いや,何より目を引いたのは,その紫っぷりである。
おりしも,サンフレッチェ広島が悲願のJ1制覇を果たしたばかり。
このグランデ・ヴィオラなマシンを手に入れ,是非走らせてみたい,という物欲が頭をもたげたのである。
…これを買ったと思うでしょう?いや,さにあらず。
ここで私はふと思いとどまった。
そもそも今まで,買って組み立てたまでは良いが,走らせる場所に恵まれず,すぐに飽きてしまい放置していた苦い過去があるわけで,この四の舞は避けなければならない。
というわけで,ここで私が考えたのは,「室内でも走れる小さいマシンを買おう!」ということである。
で,ネットで調べ上げて当たりを付けたのが,京商のミニッツバギーとタミヤのタムテックギアである。
…が。
2 いきなりの試練
しかし,ここで大きな問題が…
模型屋で売っていない。
どうも両者とも,かなりマイナーというか,人気のないカテゴリーのようで…
と言うか,ラジコンそのものが…
私は組み立てるのが好きなので(と言うより,組み立てられないのなら意味がないとさえ思っている),組み立てキットにこだわっているのだが,RCカーの組み立てキットは一番メジャーな10分の1モデル以外はラジコンショップでもほぼ全滅。
京商のミニッツレーサーなど,組み立て済み完成品ならあったのだが…
今の人たちはどうも,「組み立てるのが面倒くさいから完成品の方がいい」と思っている節があるのだが,嘆かわしい限りである。
物作り,ひいては日本の製造業が衰退している理由はこういうところにあるのではないか。
仕方がないのでネット通販で買いましたよ。
ミニッツバギーとタムテックギアを比較し,よりサイズが小さく,かつ比較的新しくまだ先がありそうなミニッツバギー「レーザーZX−5FS」組み立てキットを選択。
プロポも買って計およそ2万5千円なり。
工具も揃え,意気揚々と箱を開け,組み立て開始である。
…が。
3 打ち続く試練
いきなり私を不幸が襲った。
このモデルは非常に小さく,サーボモーターから延びる非常に細いコードを基盤にはんだ付けしてあるのだが,そのはんだ付けが取れていたのである。
初期不良である。
いきなり出鼻をくじかれた私は,しょうがねえなあ,とぼやきながら,京商のお客様相談室に電話を掛けたのだが,何回かけてもかかりゃしねえ。
何回もコールした挙句,留守番電話のお姉ちゃんの声。
初期不良で気分を悪くしていたところでこれであるから,私の怒りは沸点に達しまして,「わりゃあ,初期不良があったで!しかもなんぼ電話かけてもかかりゃあせんし!どうなっとるんなら,こりゃ,しごうするぞ,わりゃあ!」という趣旨の内容をメールに書いて京商に送った。
数時間後,京商から丁寧な謝罪のメールが来た。
で,商品を見るから料金着払いで送り返してもらいたい,という。
個人的には部品だけ替えてもらえばそれでいいのであり,丸ごと送らないといけないのは若干腑に落ちないのであるが,早く解決させたいことでもあり,ここでごねてもしょうがないので,おとなしく言うことを聞くことにした。
3日後,京商から電話が掛かってきた。(余談だが,仕事中の平日午後2時に掛けるのはやめてほしい。せめて昼休みか夕方に…)
ちゃんとした部品に交換し,動作確認をして送るということだったが,その際に,「今組み立て途中の状態でお送りいただいていますが,こちらで組み立てて完成させたものを送りましょうか?」という趣旨のことをぬかしたおっしゃったのである。
私は自分で組み立てたいから組み立てキットを買ったのである(てか,そうでなければわざわざ組み立てキット買わんでしょ)。
当人は親切のつもりかも知れないが,まさに小さな親切大きなお世話。
もちろん丁重にお断り申し上げ,そのままで送ってくれるようお願いしたのだが,この空気の読めなさは何とかならんのか。
ちゃんと私の望む姿で帰って来てくれるのか,非常な不安に苛まれた金曜の午後であった。
その2日後の日曜日,宅急便でわがマシンが帰ってきた。
基盤はきちんと直っており,とりあえず私が途中まで組み立てた状態で帰ってきたので万々歳である。
1週間以内で帰ってきたわけであるから,対応は早かったと思うし,この点は率直に評価に値すると思う。
あとは電話がきちんとつながることと,空気を読むことができれば満点である。
取り巻く状況は厳しいと思うが,京商には頑張っていただきたいと切に願う。
4 最大の難関,基盤取り付け
さて,早速組み立て再開,一気に完成,といきたかったのだが,サーボセイバーのはめこみに思いのほか手こずるなど,作業は遅々として進まない。
さらに,サーボモーターホルダーの取り付けに使うビスが,1.2×3.5mmタッピングビス(+)。
今持っているドライバーでは締められない上,油断するとどこかに飛んで行って見えなくなってしまう。
現に一個行方不明になり,嫁(視力2.0)によって救出されました。ありがとうございました>嫁
なお,このビスをネットで検索して調べると,メガネの鼻当て用に使うものであるらしい。
ねじ止めには「精密ドライバー」なるものが必要とのことで,これはもう「Do It Yourself」の世界。当然我が家にはない。また買い出しである。
そして首尾よく購入したとして,果たしてなくさずに無事締めることができるだろうか。
完成させる自信がだんだんなくなってきましたわ(泣)
翌日。東急ハンズで精密ドライバーを買ってきた。
2個締めないといけないうち,1個は予想外にあっさりとはまった。
理由は,幾度か失敗して滑り,サーボモーターにくっついてしまったのだが,その間にねじそのものが磁力を帯び,ドライバーにぴたっとくっつき,容易に作業をすることができたからだ。
これに味をしめた私は,2個目のねじをサーボモーターにくっつけたままにし,磁力化するのを待ったが,こっちはうまくいかなかった。
仕方がないので,右手でピンセットを持ってねじをつまみ,左手でドライバーを持つというアクロバティックな手を使い,何とかねじ込むことに成功した。これは脳の活性化につながるに違いない。
その後基盤カバーをはめるところまでやったのだが,これがなかなかはまらない。
配線の整理がなかなかうまくいかず,基盤とカバーが浮いてしまう。
最後は半ば無理やり収めたのだが,配線が傷ついたのではないかとか,またはんだが取れるんじゃないかとか,不安ばかりが頭をよぎる。
まがりなりにも車で,なおかつオフロードバギーという触れ込みなのだが,こんなにやわそうな作りで果たして実走行に耐えられるのか,まことに疑わしい。
ちなみにこの基盤の部品は全パーツ中最も高く,本体の価格の半分はこの基盤のお値段である。
よってこれを壊すと,非常に高い授業料となるのである。くわばらくわばら。
まあ,とりあえず「小さいねじ地獄」と「細い配線地獄」はとりあえず抜けたので,最大の難関は越えたと言って良いだろう。
あとは楽しくメカを組み立てればよいだけだと思う。多分。
走るかどうかは運を天に任せよう。
運を天に任せていい目が出たことはあまりないのだが。
5 シャーシ完成!
その後,仕事から帰って娘が寝てからの間を見計らってちまちまとフロントとリアのサスペンションを組んだ。
このあたりはそれなりにサクサク組めた。
メカニカルな感じが格好良い。
いい感じである。
途中ビスの長さを間違えて数が足りなくなり,一回ばらしたことは内緒だ(笑)
モーターまで組んだところで,一度試しに本体とプロポに電池を入れて動作試験。
ペアリングも問題なくできて,スロットルトリガーを入れると…
いきおいよく「ビイイイイイイイン!!」という音がして,シャフトが勢いよく回る。
ステアリングホイールを回すと,フロントのシャフトが左右に曲がる。
どうやら成功の模様。
正直,嬉しいというより安心した。
これで動かなかったら…と思うとぞっとする。(手間と金が…)
で,オイルダンパーとタイヤをつけてシャーシが完成。
タイヤが瞬間接着剤でべとべとになってしまったが,見なかったことにしよう。
再度送信器と本体に電池を入れ,試運転としゃれ込む。
走らせてみると…
思ったより速い。これは狭い我が家ではちょっと室内走行はきついかも知れない(借家だし…)。
そして…
微妙に左曲りなんですよねえ…
まあこれは後でトリムで調整すればいいのだが。
6 ボディ塗装
さて,最後に残ったのはボディの塗装とマーキングである。
マスキングテープを買っていなかったので買ってきたのと,あとデカールを自作して貼りたいのでそれ用に,「インクジェットプリンターでオリジナルデカールが製作出来ます!(原文ママ)」という触れ込みの「ミラクルデカール」なるものを買ったのだが…
まず,これ以外に専用の「デカールベーススプレー」なるものと「スーパークリヤー光沢」なるものを抱き合わせで買わないといけないらしく,マスキングテープと合わせて3000円の出費…高え…
で,裏の説明を見てみると,なんかすげえ面倒臭そう…アニメ絵のメイド服のお姉ちゃんが「カンタンに出来ますよ!がんばって下さいね。(原文ママ)」と嬉しそうに言っているのだが,全然カンタンに見えないんですけど。
しかもこれらについているイラストの一つ一つが,いかにも「痛車作ってね!」みたいな感じで,個人的にはアルファベットとか数字とか簡単な記号が作れればそれでいいんであって,痛車を作る気は全くないんですけど。
買って帰った時点で日が暮れてしまったので作業は次週に持ち越し。
で、塗装を前に,とりあえず説明書を眺めていて一つ重大なことに気が付いた。
デカールをどう貼ったらいいか書いていない。
ネットで画像を調べて勝手に貼れと言っているのか,もしくは忘れたのか。
前者ならあまりに不親切だし,後者ならメーカー失格である。
京商の別のラジコンのボディセットの取扱説明書を見ると,ウインドウの部分のみ貼り場所の指定があり,それ以外は箱写真と取説を見て好きなように貼ってちょ,と書いてある。
ということは恐らく前者なのであろう。
ただ,このマシンに関して言えば箱にも取説にも写真はない。
…
この例を見ても,京商は少々ユーザーに甘え過ぎではないかと思う。
どうせわざわざこのキットを買うのはある程度経験を積んだ人に違いないから,少々いい加減な仕事をしてもあとはフォローしてくれるだろう,という態度が透けて見える。
こういう考え方だから初心者がラジコンに入って来ず,ひいては業界の衰退につながっているのではないだろうか。
認識を改めていただきたいと心から思う。
さて,愚痴はともかく,とりあえず色を塗る。メタリックパープルである。
臭い。
これはひどいシンナーの臭い。
私には娘が二人おり、当時2歳と0歳であった。幼児と乳児がいる家でやっていい作業ではないと後悔した。
次からはベランダに出て窓を閉めて外でやろう。寒いけど。
然る後マーキングを行う。
上記のとおりお手本がないので,ネットで画像を調べてそれに合わせて貼る。
上記で「デカール」と書いたが,実際には「シール」であった。
デカールと言えば,側を切り抜いて水につけ,台紙をはがして貼り付けるアレだが,今回は側に切れ込みがあって,それに沿ってはがして貼り付ければ良いということで,水どころかはさみも不要であった。バケツに水を入れて用意していた私…実は最初間違えて水に浸けてしまったのだが,なかったことにしよう(苦笑)
マーキングの際,一つ失敗に気付いた。
本来ウインドウの部分で塗装してはいけないところを誤って塗ってしまったのだ。
最初マスキングをする際,ボディではなくシールに合わせてマスキングテープをカットしたので本来そのようなことはないはずなのだが,そうなってしまったものは仕方ない。
取説にモーターの過熱対策としてウインドウをカットする方法が紹介されていたので,じゃあウインドウはカットしても良いのね,と思って一思いにばっさりやってしまったが,モーターが外部にむき出しになってしまったので,むしろ防塵の方が心配になってしまった。
まあ基本的には部屋の中で走らせるつもりではあるのだが。
なお,余談だが,取説で図示されていたボディがレーザーでなくオプティマのものだった。オプティマの組立キットは出ていないはずだが。
これでほぼ完成だが,最後にサンフレッチェ優勝記念バージョンにするべく,それ用のデカールを自作して貼る。
(そのため,一部デカールを残し,スペースを残している)
その前に…
早速何回か走らせてみる。
7 試運転
そこそこ速いので,室内走行では若干扱いにくい。よくぶつけるし…
で,京商のホームページに載っているテクニカルガイドを見ると,最高速を半分程度にする「トレーニングモード」というものがあるらしい。
スロットルトリガーを後進方向にしてスイッチを入れるだけらしい。
早速やってみた。
…あれ,動かなくなっちゃった…
送信機のスイッチを一回入れ直したら動くようになったが,もちろん従前と変化はない。
よく見ると,「トレーニングモードに入るとLEDインディケーターが点滅します」と書いてあるが,そのLEDインディケーターがない。
おかしいなあ,と思い,「ミニッツ プロポ トレーニングモード」で検索した結果,トレーニングモードに対応しているプロポは,ミニッツのフルセットに付属している「KT−18」のみであり,私が購入した「EX−5UR」には対応していないらしいことが分かった。代わりに「TikiTikiモード」にすると普段の最高速が70%になる(オーバーテイクモードを発動すると100%になって華麗にぶち抜ける,という触れ込み)らしいので,そっちで代用することにした。(嗚呼,情けない初歩的ミス…)
8 デカール自作
さて,上記で買ってきた「ミラクルデカール」を使い,デカールの作成開始である。
ネット上では「不要」とされているベーススプレーを,せっかく買ったんだからととりあえず吹きつけ,家のプリンタで印刷。
「光沢紙」「きれい」の設定で印刷すると,まずまず綺麗に刷れた。
しかし問題はここから。
ネット上ではさんざん「にじむ」「インクが流れる」と言われており,光沢仕上げ塗料を何回か吹きつけ,さらにしっかりと乾燥させること。これ大事。テストに出ます。
で,ミラクルデカールには下地が白の「ホワイト」と下地が透明な「クリア」がありまして,残念ながら両方に一長一短がございます。
ホワイトは発色はいいんですが,よっぽど上手に切らないと縁の白が残ってしまい,若干見栄えに難がある。
クリアは縁の色はもちろん残らないが,発色が悪い。色が透け,薄すぎて見えない。
クリアを使うことができるのは,下地が白かそれに近い薄い(明るい)色で,印刷色がかなり濃い(暗い)色の時だけ。
私のは下地が濃い紫なので,クリアは使えない模様。
あと,ちょっと剥がれやすい。貼った後で爪でがりがりやると簡単に剥がれてしまう。
結構たくさん作ったのだが,実際使ったのは小さいの数点だけ。
最初はたくさん作ってたくさん貼ろうと能天気に考えていたのだが,どうも私が思う以上に扱いにくいらしいことが判明したため,とりあえず必要最小限のロゴだけ最初に貼ってみようかなあ,と思った次第。
ただまあ,プリンタが良かったのか私の腕が良かったのか,思ったよりきちんとしたものができました。
9 完成
というわけで,ミニッツバギー,レーザーFX−5(サンフレッチェ優勝記念バージョン)の完成でーす!
星3つですー…というわけにはいかないかも知れないが,無事できて走らせることができたので良しとしよう。
いろいろと不平不満も述べてきたが,以前からあればいいなあと思っていた,「ミニ四駆サイズのRCバギー」を具現化してくれた京商の技術力には素直に敬意を表したい。
今後は部屋の中でちまちまと練習し,操縦も少しは上手くなれればと思っているところであります。
まだ改善してほしいところやフォローしてほしいところは数多くあるが,ミニッツバギーはまだ始まったばかりであり,これからのカテゴリーだと思っているので(だよね?),少しずつ充実していくであろうと思われる。信じてるからね!
10 後日談
その後,いろいろとオプションパーツを買って改造に着手した。
とりあえず,その後買ってつけたパーツは次のとおり。
○アンダーガード&ボールスタッドレンチ(MBW033)
アンダーガードについては,ネット上で「ジャンプなどで強い衝撃があるとすぐシャーシが割れる」という悪評があり保険として購入。
バンパーとステアリングプレートホルダーを外し,ねじ止めと両面テープ(→いいのか?)で固定。
しっかり固定しようと思うのであれば2か所穴を開けてさらにねじ止め。とりあえずピンバイス買ってやりました。思ったより難しくなかった。
○ジャイロユニットセット(MR−3)(MZW405)
走行を安定させたく思い購入。
モーターマウントに初めからジャイロステーがついているので,そこにジャイロをねじ止めしてジャイロの線をコネクタにつなぐだけ。
…なのだが,止めるためのねじが1.2×3.5mmタッピングビス。
…またメガネの鼻当てですか…
二度とお目にかかりたくなかったのだが,仕方ない。
四苦八苦した末に何とかねじ止め成功。まあ以前よりは上手くなっている…のではないかな(苦笑)
挙動を安定させる効果がある。あくまで気持ち程度ではあるが。
○ボールデフセット(MBW028)
ステアリングの挙動がリニアになります!とかいう触れ込み。
既存のデフギアと入れ換えるだけだが,結構なところまでばらさないといけないので意外に大変だった。
効果は微妙。何かあった時に調整したり全部ばらしたりするのは大変そう(ボールが小さい…)。
○アジャスタブルリンケージセット(MBW021)
○ユニバーサルスイングシャフト(MBW023)
足回りの強化の目的で購入。
アジャスタブルリンケージセットにより足回りのセッティング(トー角とかキャンバー角とか)調整が可能となり,ユニバーサルスイングシャフトによりドッグボーンの脱落を防ぐ。…まあ,走りが安定し,トラブルが減るという意味合いでいいか。
ロッドの調整を間違えるとどちらかに曲がってしまうので要注意。
○アルミ強化パーツセットゴールド(MBW2013AG)
一番の目的はリアダンパーマウントを交換してボディをピン止めにすること。
ノーマルのシャーシのジョイントにはめ込むやり方だとボディを無理にはめようとして結合部が割れるので…
京商でミニッツカップバギークラス開催記念とやらで,これを含めた数種のアルミパーツを安くまとめ売りするセットが発売されたので,一つ一つ買うよりはまとめて買っちゃえ,ということで購入。
ゴールドも意外に似合っており,満足。
○アルミヒートシンクパーツセットゴールド(MBW2013HG)
上記アルミ強化パーツセットゴールドを買ったのでそれに合わせる形で購入。
効果は不明。熱くなるものはなるし…て言うか、熱くなるほど走らせることもないし(笑)
○パナソニックエネループプロ
アルカリ電池を使っていたが,頻繁に交換が必要になり中途半端に減った電池だらけになってしまったためいっそのこと、と購入。
「プロも使うエネループ」との触れ込みのハイエンドモデルを選択。
効果のほどは…凄まじい。
2割方パワーアップしたような印象で,今までぶつかっていた段差も結構無遠慮に乗り越えてくれる。
そしてそれが持続するのがありがたい。アルカリだと結構すぐへたっていたので。
現状これ以上のパワーは要らないと思う。私の腕前では扱いきれない(苦笑)
○大径タイヤ
その1
段差を乗り越える走破性を求め、かつての「ミニッツモンスター」のような大径タイヤを探してみた。
当初,タミヤの「楽しい工作シリーズ」の「70194 ピンスパイクタイヤセット(65mm径)を見つけ,「これを何とか使えないものか…」と思案した挙句,ホイール内側にレーザーのホイールをねじ止めして装着。
装着はうまくいったものの,走らせると異常に遅く,さらにしばしばモーターの保護装置が働いて動かなくなる。
とても実用に耐えず、失敗に終わる。
その2
ミニッツバギーのブログを見ると,タミヤ「楽しい工作シリーズ」の「70096 オフロードタイヤセット」を着けている人が多い。
ホイールの選択は様々だが,純正のホイールのフロントとリアを接着してその上に上記の中空タイヤをかぶせるというやり方が手軽で良さそう。
ナット締めの便宜とホイールの軽量化を兼ねて要らない部分は全部くりぬいて作った。
前後の接着方向を間違えるとホイールが無駄になるので注意。(私は2セット無駄にしたので)
かなり手間のかかる作業だったが,一応完成。もちろん若干走りは重くなるものの,きちんと走るのでとりあえず成功かな。
○スタビライザーセット(MBW030)
まず率直に言って装着が難しい。小さな隙間を縫うように組み込んでねじ止めしないといけない。
3時間くらい格闘してようやっと組んだものの,効果は…ようわからん。
走りにこだわる人ならともかく,私のように「とにかくびゅんびゅん走ればそれで満足」という人には要らなかったかも。
○ボディ
純正ボディを紫塗装したサンフレッチェモデルも良かったが,リアのボディマウントに差し込む穴のところが割れた。
また,フロントノーズも両面テープの粘着力がなくなってよく取れるので,気分転換に別ボディを載せてみることに。
選んだのは,「ホットショット」。
方法は,ミニ四駆(PRO)のホットショットを買ってきて,干渉するところを徹底的にカットし,フロントにポリカの切れ端をねじ止め。
フロントをはせこんでリアは両面テープ止め。ボディ脱落もなくいい感じで走れている。
ちなみにこのために毎日のように模型屋でミニ四駆を物色していたために「ミニ四駆大好きな人」だと思われてしまい,店のおっちゃんに「もうすぐジャパンカップですね〜今回のコースは(以下略)」などと声を掛けられた。知らんがな(苦笑)
○アルミステアリングプレート(MBW027G)
スタビライザーセット装着の際,フロントは結構ばらす羽目になったが,それが悪かったのかそれとも以前からなのか,樹脂製のステアリングプレートのピロボール穴が割れていた。最初放置していたが,結局曲がらなくなってしまい交換。
樹脂製はすぐ割れたり折れたりするのでアルミ製が必須っぽい。特に私はぶつけるので(苦笑)
丈夫なことのほか、長さの種類がありトー角の調整が可能となることが利点。
○アトミック製 ミニッツバギー用アジャスタブルショックConv.(KMB02)及びスプリング(ゴールド,シルバー)
○ビッグボアショックセット(MBW037)
最初はアトミック製を、次いで京商のビッグボアを購入。
これにより,オイルダンパーのばねの長さ,固さの調整が可能になる。
普通に部屋で走っている限りではあまり考えないところだが,一応装着。
ビッグボアダンパーについて言えば、スプリングの選択が難しい。
セット附属のスプリングは径が大きい&柔らかすぎ、アトミック製は短すぎて流用困難。
オプションのスプリングセットを購入し、ハード用を使用するのが現状最善だろうか。
実用性能はともかく、赤アルミはかっこいい。ホットショットボディには一番似合うかも知れない。
○RC-ART製 グラスホッパーU用フロント二段ピッチスプリング(ソフト、WP-0144)
○ビッグボアスプリングセット(MBW038)
上記ビッグボアショックに付属しているスプリングは細くて柔らかく、車体を沈めた後元に戻らないので、もう少しバネの線形の太いものはないかということで、これを購入して流用。
半分に切って、等長になっている部分をリアに、ピッチが変わっている部分をフロントに装着した。
ただ、これだと逆に硬すぎて跳ねるので、結局純正のスプリングセットを購入し、硬い方(黄色)を使うことにした。
ちなみに、グラホ2用スプリングが定価1,100円であり、純正のセットは3種×2本で990円である。
また、「グラスホッパー用」は流用不可なので、こちらも注意。
○フロントジョイントギアセット(MBW034)
○リアジョイントギアセット(MBW035)
確実に駆動力をホイールに伝達する、という触れ込み。
前後のサスペンションをほぼ全部ばらさないといけないので大変な作業であった。
しかし、交換後に走らせてみるとスピードが恐ろしく違う。
これはパーツの効果なのか、あるいは最初の私の組み方が悪くて組み直してまともになったからなのかは分からない。
仮に前者だとしたら必携のパーツであり、もっとその効果が喧伝されても良さそうなものだが。
現在の写真です。(いじって写真を撮ったら入れ換えようと思います)
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以前はビッグタイヤをつけていたが,思ったほど効果がなかったので元に戻した。やはりこっちの方が格好良い。 ミニ四駆ボディのカットについて,本来なら不要な部分(フロントサスアームやサイド回り)もあったが,強度確保,装着時の安定性,雰囲気を考えて残すことにした。 シールの貼り方が若干アバウトであることには触れない方向で(笑) |
![]() |
ボディを外したところ。 ゴールドが自己主張している。 また,モーターマウント上部にジャイロが乗っているのが見える。 フロントのサスペンションをいじっているのもおわかりいただけるだろうか。 |
11 現状の課題について
現状唯一にして最大の課題は、「舵残り」の問題である。
片方にステアリングを切ってニュートラルの位置に戻しても元に戻らない、というものである。
結局「まっすぐ走らない」ということになり、走行上致命的とも言える欠陥である。
この問題についてはネット上でもしばしば論われているところである。
原因としては、
1 タイヤのガタ
2 ステアリングプレートのガタ
3 サーボの組み付け不良
辺りが考えられる。
まず1を疑い、タイヤナットを交換した。
○タミヤ2mmアルミロックナット(95555)
ミニ四駆用のパーツであるが、目に留まったので買ってみた。
ミニッツバギーのタイヤとフィットするため、お勧めである。
ただ、舵残りの解決には至らなかった。
次いで2の対策として、次のパーツを取り付けてみた。
○タミヤ4mmピロボール(SP−590)
○タミヤ4mmアジャスター(SP−633)
ステアリングプレートに合致するパーツであり、今後供給が怪しい京商純正より良かろう、ということで購入。
取り付けはスムーズで、またガタもかなりなくなったが、舵残りは消えないままであった。
次いで3の対策のため、ついにサーボをばらすことになった。悲劇の始まりである。
ばらしたまでは良かったが、組み立て直すのが非常に難しい。
まず部品の一つ一つが非常に小さく、老眼かつ細かいものを扱うと手が震える年齢に差し掛かった身では扱いが困難である。
そもそも多くのユーザーは「レディセット」を購入しており、組立に慣れてはいないだろう。
そのことを京商は考えていたのであろうか。
さらに困るのが、基盤にアクセスしなければならない上、基盤の配線が切れやすく、しばしば断線することである。
そのたびごとに、非常に小さなスペースに細い線をはんだ付けしなければならない。
ネット上では純正品の出来栄えを評して「パートのおばちゃんの仕事」と揶揄されているが、逆にあれをはんだ付けできるおばちゃんがいたら大したものであり、弟子入りしたいくらいである。
また、樹脂パーツが非常に脆弱で壊れやすい。
ネジを締めたり緩めたりするだけでネジ穴が割れる。
パーツが壊れてすぐに購入できるなら良いが、パーツの入手性が悪いのも大きな難点である。
私見だが、まず基盤というやり方は良くなかったと思うし、サーボをあのような機構にする必要もなかったと思う。
基盤については京商側も課題を認識しているのか、あるいは修理依頼が殺到して嫌気が差したのか(多分後者だろう)、ブログに「はんだ付けを覚えて自分で直そう!失敗したらユーザー相談室に送ってくれたらサポートします!」という記事を載せたが、しっかりとそのコメント欄には「失敗したのでユーザー相談室に送ったら修理不可と言われました。こんな記事載せないでください。儲けが目的ですか?」という恨み節が載っていた。
サーボについては、市販のマイクロサーボで代用できるようにした方が良かったのではなかろうか。
京商のブログでは「サーボを分解するだけでその緻密さが理解できる」と自画自賛しているが、多くのユーザーにとっては迷惑であろう。
また、これだけ壊れやすいのであれば材質を工夫するなり、スペアを最初から入れるなりしておいてもらいたかった。
小さいため1ミリのガタでも走行に大きな影響を与えるものになることには同情するが、なまじ「緻密なマシン」を作ろうとして技術が追い付かず、走行性能が伴わない、まっすぐ走らないレベルのマシンを世に出してしまったのは皮肉としか言いようがない。
このマシンに関しては小さな欠点には目を瞑り、寛大な心を持って黙って走らせるのが吉であると言える。
走行性能を追求して改良・改善を図るのは愚の骨頂であり、あくまでドレスアップを目的としてオプションを入れるのが正しい楽しみ方であると言える。そうですよね、京商さん?
ちなみに、私は次に挙げるパーツを購入してサーボの補修・改善に当たった。
○アルミサーボセイバーリンクセット(MBW022B)
純正の樹脂製に代わり、アルミ製のサーボセイバー。
アルミ製であることからステアリングフィールがリニアになる、という触れ込みであるが、あまり実感がない。
また、ステアリングプレートと接続するシャフトが取れやすいと悪評が高い。
私も最初はがっちりついていたので安心していたが、あとでしっかり取れた。
○ポテンションメーター(MZ8−4)
サーボパーツの一つ。ニュートラル位置などを把握し、サーボホーンをあるべき位置に保つ。
2つ購入したが、はんだ付けに失敗して1個ダメにしてしまった。
また、3本のコードをつける必要があるため、配線を間違えないよう注意する必要がある。
○サーボプレートセット(MB008)
サーボ関係のスペアパーツ。
これも2セット購入したが、サーボケースについては強度不足ですぐ割れてしまうので、もう少しスペアがあった方が良かったと思う。
○サーボギアセット(MB010)
サーボ関係のスペアパーツ。
なお、他のミニッツのサーボギアとの互換性はない。
たとえば、ミニッツで必須とされている4thギアのメタルギア(通称「金歯」)への交換は不可なので注意。
○サーボモーター(MR-03)(MZ408−2)
コードが何度も切れてははんだ付けを繰り返し、コードが短くなり過ぎたために購入。
元々もうへたっていたようでもあり、交換。
(追記)
舵残りのガタの原因は、
1 サーボホーンとサーボセイバーをつなぐ部分のすき間の広がり
2 サーボセイバーを取り付けるためのシャフトを通すサーボプレート側の穴の広がり
これらの穴をできるだけ塞いでガタができないようにする必要がある。
ネットで見つけた方法は、アロンアルファを流して乾かして穴を埋める方法である。
実践してみたが、この方法は有効だと思う。
12 おまけ〜広島のラジコンショップについて
今回,RCに再び首を突っ込むに当たり,広島市近郊の模型屋さんをなんぼか巡ってみた。
一応下に備忘録として載せておくことにする。(状況が変わったのを確認したら随時修正)
店名 | 場所 | 特色,感想 |
ホビーショップタムタム広島アルパーク店 | 広島市西区(アルパーク東館4階) | アルパークに出現した広島RC界の救世主。ミニッツ、ドリフト、ミニ四駆の屋内サーキットを備える。RCというよりはプラモデルや鉄道模型など、いわゆる「ホビー」全体を網羅する。品揃えは大都市の専門店(スーラジ、洛西など)にはさすがにかなわないし、ドリフトに偏っているきらいはあるが、贅沢は言えない。願わくば撤退せずに長く続いてほしい(懇願)。 |
マルタホビー | 呉市(呉駅近く) | 広島近郊では最も品揃えが豊富。ミニッツも各種(バギー、モトクロス含め)あり。ミニッツのパーツは現在ボディやタイヤ程度。昔の各種モデルのパーツもかなり取ってある模様。ただ行く度毎に店内が乱雑になっている印象。いい加減整理した方が良いと思う。 |
Pony | 東広島市(賀茂ボウルの近く) | マルタホビーと並び,各社の商品がかなり揃っている印象。私の見た限り,残念ながらミニッツはなかったが,普通に1/10のRCをやるなら不自由はないだろう。 |
東広島市(八本松駅南) | 店構えだけなら一番だが,物を売るよりもサーキットの利用が主。失礼ながら店はすかすかで,パーツは売れ残りばかりで新しいものを仕入れる意思がなさそうな印象。2014年8月17日閉店とのこと。 | |
広島市(広島駅西) | 広島市で恐らくほぼ唯一のラジコン専門店で,パーツはかなり豊富にあったが,古いものが多く,一部は変色していた。2013年3月18日に閉店。 | |
広島市(紙屋町バスセンター南) | かつてはラジコンをある程度は売っていたのだが,移転を経て今やすっかり消えてなくなっている。 | |
広島市(紙屋町東) | ガンプラなどのプラモデルと鉄道模型が中心で,ラジコンの品揃えはいまいち。品揃えで言えばエディオンに負けるレベル。2016年12月30日閉店とのこと。 | |
4階おもちゃ売り場 |
広島市(八丁堀) | かつて5階にあった頃はタミヤのみではあったがRCキットがあり,またプロポとバッテリーまで一式あったが,今は影も形もない。 |
ホビーショップつちや | 広島市(安佐北区可部,可部上市バス停南東) | タミヤとヨコモのキットがあった。キットはそこそこ揃っているが,パーツは少な目。値引き率はかなり良かったと思う。ひっそりとしていて入りづらい。 |
広島市(本通りサンモール5階) | 改装を経て閉店。今「Yellow」という店で細々とミニ四駆を売っているが,そこにラジコンが1台飾られている。 | |
広島市(アルパーク東棟3階) | ミニ四駆とガンプラに非常に力を入れている印象だが,RC用のデカールやポリカ用塗料(ミニ四駆のためだと思うが)があるほか,ワイルドウイリー等のキット,ネオマイティフロッグ等のXBがあった。プロポやバッテリーなども置いてもらえればキットの売れ行きも違うのだろうが。→日時不明だが,もう閉店している。 | |
広島市(横川駅南) | 2018年3月末で閉店,オンラインショップが残る。なお,ラジコンの取扱はない模様。 |
私が購入したミニッツバギーについては,購入当時私の地元である広島のRCショップでは売っておらず,通販で購入することとなった。
衰退著しいRCシーン、ましてや広島というRC文化不毛の地にあって長らく冬の時代にあったのだが、2023年6月に突然、しかも全国区のショップである「ホビーショップタムタム」が広島に出店して私を驚かせた。
無論RCだけでなくプラモデルやモデルガン,鉄道模型というところまで網羅している強みもあるからこその出店なのだろうが,プラトピアや洛西モデルの二の轍を踏まないことを願ってやまない。