お正月の恒例行事


我が家のお正月はおせち料理もなく、旅行に行くでなく、基本的には寝正月です。しかし一つだけすごいことがあるのです。お正月には妹一家が実家に遊びにきます。いつも実家には父母弟の3人しかいないのですが、それに私、妹夫婦と子供三人、が行くので9人にふくれます。ある年行なわれた「花札大会」は壮絶でした。

基本的にお金は賭けません。昔あった「ポンジャン」というマージャンのようなゲームのコインを賭け、誰かがスッテンテンになった時点で一セット終了、コインを数えて所持金からの増減を点数とします。同じ負けでも僅差で負けるのと一人負けでは点数が莫大違います(勝ちも同じ)ので結構おもしろいんですよ。新規セットはコインを均等に分けて、また誰かが0円になるまでやります。

ある年、私が昼の11時に実家に帰った時、「いまから花札をはじめよう」ということになりました。3時位まで私はゲームに参加していたのですが、5人でプレーすると2人は必ず休まなければならない、席順がまずかったなどの理由で、私はちょっと台所の手伝いに1階に下りることにしました。

(我が家のルールをご存じない方への解説)
席順なんて、と思われるかもしれませんが、結構重要な要素なのです。この日の席は増実さん(妹のだんな)、弟、父、妹、私の順で輪になっていました。まず5人分、3人プレーの数だけ手札を配ります。プレー出来る権利があるのは親から時計回りに3名まで。上位順3名は自分の手が悪ければ下りてもよく、上位3名のうち一人下りれば4位が参加(手が悪ければ下りるのも可)権を得ます。また、4位がどうしても参加したいほど手が良い場合は、3位の人ににコインを払って参加権を買います。5位の人が参加したい場合は4位の人の2倍を2位の人に払って参加権を買う事もできます。(この場合、親、4位、5位でプレー)

席順が重要と書きましたが、この度のツキは増実さんと弟がにぎっていました。つまり私は席順4位か5位になる可能性が高かったのです。私がプレーに参加するには、父か妹に勝ってもらわなくては、コインで参加権を買わなければなりません。しかし参加権を買ってまで参加したいような「目の覚めるような手」はそう滅多に来るはずはありません。父や妹はツキに見放されているし、妹は普通なら勝負しないような「腐れ手」でもおりようとはしません。したがって私はほとんど「休み」、おもしろくないわけです。そういうわけで私は一時戦線離脱、となったわけです。

私が食事を済ませて復帰すると、交代で食事に行きました。そして夜11時に私が帰宅するときまでずっと花札は途切れなく行なわれていました。次の日、何時まで花札をやったのか聞いたら、深夜1時までやったらしいのです。名付けて「13時間耐久花札大会」。いくらほかにすることがないとはいえ、まったく呆れた家族です。今年?もちろんやりますよ。

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