母の楽しみ


母の楽しみその1、「園芸」
草花を育てるのが好きで、言いようによっては「ガーデニング歴30年」だが、流派にとらわれず、好きなように植えまくっている。家の庭は畑なのか花壇なのかわからない状態。今年は庭の設計に失敗し、ド真ん中にハナモモを植えたのが予想外に大きくなってしまっている。他にもカボチャの木でトンネルを作り、キュウリを植えナスを植え、何だか分からない紫色の花からダリアから、とにかく茂りすぎで庭はジャングル状態。今年庭の目玉は3メートル位の巨大ヒマワリ。茎の直径は下の方が10センチ位はあるだろう。大きくなりすぎて鉄の棒でつっかえ棒がしてあるが、ジャングルの庭では目立たない。庭が広いからいいものの、来年はもうちょっとスッキリするよう植えかえてほしい。(自分でも今年の庭はうっとうしいと言っていた。)

母の楽しみその2、「温泉」
母は無類の風呂好きだ。近くの温泉によく行くのだが、なかなか出て来ない。「せっかく行ったのだから元を取るまで入る」これが母のモットーであるらしい。私と温泉に行くと、私はいつまでたっても「出よう」と言わないのでいいらしい。母はサウナが好きで出ったり入ったりしているが、私はずーっとつかりっぱなし。孫たちをつれて温泉に行く時は子守りの私は必需品だ。

母の楽しみその3、「つまみ食い」
料理をして最も楽しいのは揚げ物のつまみ食い。揚げたてサクサクの所を誰より早く試食。これは私も同感だ。テーブルに出てくる時は多少なりと冷めている。揚げ物のつまみ食いは料理を作る者だけの密かな楽しみ。言わば特権だ。(母は特にコロッケとイモ天のつまみ食いが好きらしい。)

数ある楽しみの中でも、一番の傑作はこれだ!「メロン4分の1」
我が家では夕食後メロンを食べる時4分割する。家族は父母弟私だが、私はメロンが嫌いなので3人で食べる。ということで、4分の3が一回に消える。残った4分の1はどうするか。実は母が昼に食べるのだ。弟が仕事から帰って「メロン残ってないかな」とかすかに期待して冷蔵庫を開けるが、あったためしはない。
「母だけ2分の1玉食べてズルイ」だの、「夜、初めから3分の1に切れ」だのという弟の意見は取り入れられない。切りわける母に全権があるのだ。自分は4分の一玉しか食べられないのがわかっていながら、いつも弟がメロンを買ってくる。(メロンのスポンサーはいつも弟。弟が文句を言うのもムリはないか・・・。)

1〜3までは私も同じなので母の気持ちはよくわかる。
1、うちの庭はジャングルになるほどスペースがないので、なんとかまとまりを保っているが、好き放題植え放題だ。
2、私も長湯である。おまけに熱い湯に長くつかるのが好きなのだ。私が姪たちと風呂に入ると、湯冷めをしないと重宝がられている。しびれる熱さの湯にフラフラになるまで入って、上がってからも大汗をかいて、何のために風呂に入ったのかわからない。熱い湯を好むため、最後に入るのは不経済だということで一番湯が多い。
3、私も揚げ物のつまみ食いには”必ず参加”する。
4、メロンは嫌いなのでよくわからない。おいしいかどうか聞いておいしいと返事があったときだけ、一口もらってみるが、おいしいと思ったことはない。なんであれがおいしいのかなあ。

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