最初に父方の婆ちゃんの墓に行って、線香を忘れたのに気がついた。仕方がないので、水をかけて拝むだけした。

次に母方の婆ちゃんの墓に行った。墓石掃除用のたわし（久賀では墓石を洗うため、墓にたわしを置いている所が多い。前に行ったときボロボロだったので次は持っていこうと話していた。）を忘れてきたのに気がついた。ここでも水を換え、拝むだけにした。

次に母方のひい婆ちゃんの墓に行った。お寺に供えるバナナと御布施を忘れていた。

私たちは墓参グッズを何もかも忘れて来ていた。早い話が身一つで、来ただけ。今まで線香や花（持って行こうとわざわざ買っておいたやつ）を忘れた時はあった。しかし今回は特別。これでもかと言うほど何も持って来ていない。

「これは今回のお参りで、お盆に来たつもりになるんじゃない。また来い。」 という意味なんだろうなあ、と思った。

夏の忘れ物王は、はるばる大島くんだりまで来て、天ぷらとざるそばを食べて帰っただけであった。

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