最初で最後の技2


6月17日に、岩国港に「マースクコンステレーション」という米軍の貨物船が入った。日米地位協定をタテに荷物の中身は一切明かされない。おまけに米軍は入港料(45,252円)と係船料(132,814円)は払わない。荷物の中身を公表しないのなら、核や麻薬なんかも上手に梱包すれば運びこめるかな?と思うのはシロウトだろうか。

岩国港でいろんな軍事物資を降ろして、トラックで国道を走って岩国基地まで運ぶ。道中は岩国の幹線道路で、交通量も事故も多い。交通事故やトラックがジャックされたりする心配はないのかと思う。また、基地内に大きな港ができる計画になっており、完成すると基地内の港に直接輸送船がつくようになるだろう。そうすると岩国港から基地までの道中での事故の心配はなくなるものの、市民の目の全く届かない所で荷物の積み降ろしがされるわけで、米軍はやりたい放題。岩国港を使っても、基地内の港を使っても、どちらも危険にはかわりがない。

私は17日の朝、米軍貨物船の入港抗議集会へ行った。そのときにまた「最初で最後の運転テク」を発揮してしまったのだ。


国道から海へ向かって真っ直ぐな道を突き当たりまで行って、右に曲がった突き当たりの岸壁に米軍船がつく。当分走って行くと、堤防が見えた。私は現場に行くのは初めてで、ああここを右折なんだな〜と思って曲がったとたん、ガガガッと音がして車が少し左に傾いたような気がした。「ヤバい。左が落ちたっ!。」と思ったのだが、そのままスピードを緩めずに走ったら復帰できた。すぐ車を停めて車を降り、道路を見て唖然とした。道路が下の図のようになっていたのだ。


国道から堤防へ向かう時、正面に見える道は一面、白いコンクリートで、まさか大きな段になっているとは思わなかった。おまけに下段は車で走れるくらい広い。前に見える堤防に沿って曲がろうとすると、ちょうど通るラインが一段下がっている。車が傾いたような気がしたのは、一瞬2輪または3輪走行になっていたに違いない。あの時スピードを落としていたら、脱輪したままで止まってしまったかもしれない。私がまぐれで下に落ちずにすんだのは、右足が沈む前に左足を出し、左足が沈む前に右足を出す、水上歩行のようだ。ここでの脱輪はきっと私だけではない。特に夜、絶対他の車も落ちているだろうなと思う。

私は集会の間、オイルや水が漏れてないか心配で、写真を撮りながら、心は船どころではなかった。あれから数日、何もしないでも普通に走るので、車は何ともなかったようなのだが、私としては「最初で最後の技」を何度も発揮しなくても済むような運転を心がけなければ、と思う。

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