謎のカリカリ?


先日、妹の子供たちと動物園に行った。かねてから行こうと約束してあったイタリアンレストランに寄って、帰るまでの時間が大幅に余ったのだ。あまりかわりばえはないが、久しぶりの動物園は楽しかった。

ミーアキャットの檻の前に来たとき、カリカリカリカリ音がしていた。ミーアキャットは、走り回ったり、シーソーに寄り掛かって背伸びをして首をきょろきょろしたり、別にヘンな様子はなかった。

どうもカリカリは隣のプレーリードッグの檻から聞こえるようだ。プレーリードッグの檻は、地面に柵がしてあって真ん中に木が植えてある。木の側には巣箱のような小屋が置いてある。木をひっかくのか、木のまわりにはトタンのような物で保護囲いがしてある。プレーリードッグは穴堀りが好きなようで、地面はトンネルだらけ。先程からの「カリカリ」は木の囲いのあたりから聞こえるようだ。

私たちが見ているあいだ、カリカリカリカリ、音がやむことはなかった。私は穴を掘ってトタンの下から入ったのかと思った。それなら自力で出られるはず。しばらく見て檻の前を離れようとしたとき、母が「ゆかちゃん、どうも様子がおかしいよ。」と言った。私は事務所に「プレーリードッグが木の囲いから出られなくなっているようだ。」と言いに行った。すぐ飼育係の人が来てくれ、木の保護囲いを取り外した。中からキョトンとした顔のプレーリードッグが出てきた。どうやら小屋伝いに木に上り、囲いの中に落ちたらしい。最近地面に真ん中の木の葉が落ちているので、なんでかな、と飼育係の人も不思議に思っていたそうだ。これで一件落着。

囲いの中に落ちたプレーリードッグはきっと涙目で、パニクってトタンを引っかいていたに違いない。

次ページへ