出番はあるのか?


出番はあるのか?

私は今まで、スタッドレスタイヤやチェーンを買ったことがなかった。「雪が降ったら車には乗らない」と決めて、年中夏タイヤ。少々降っても国道には融雪剤がまいてあって積もっていない。そして国道から50メートル位の所に住んでいたので、50メートルほど騙し騙し運転をすることにしていた。

ヤバい時もあった。夕方から雪が降り始めて、7時から劇団の稽古。10時過ぎに帰るとき積もっていたらどうしよう、という時もあった。しかし今まではそれでなんとかなる所に家があった。去年の今頃は今の家にいたが、8年目の車にスタッドレスやチェーンを買うのもなあ、なんだかなあ、と思っているうちに春が来た。そして夏に8年8カ月つきあった愛車サイノスのエアコンが壊れ、Opaに買い換えた。今度の家は国道から600メートルの坂。今度こそ冬タイヤをなんとかしなきゃなあ、と思っていたら、買わざるを得ない行事が入った。12月31日の結婚式。場所は山陰。私は年末調整で戻ってきたお金を持ってタイヤ屋へGO!。

人のいいタイヤ屋さんで「今年は暖冬ですが、スタッドレスいりますかね?。」と私に聞いた。(それじゃ、商売にならんだろー。)私が「年末に山陰に行くので。冬の山陰をナメちゃいかんでしょう。」と言ったら、お買い得なのを選んで予算内におさめてくれた。

結婚式は雪がちらつきはしたものの、気温が高かったのでどんどん解け、夏タイヤでも十分だった。しかし年明けから雪の日が多い。今年は暖冬じゃなかったのかー?。1月15日も雪が積もっていて、雪道を一回も走ったことがない私は坂が恐かったので車で出勤しなかったが、よその家の車は平気で坂を降りている。「そうか、この位なら車で行けるのか」と思った。家を出るとき雪が積もっていたら、多分これからも歩いて出勤するだろう。車で坂を降りられても、国道がベッタリ混んでいたのでは出られないし、職場に何時に着くかわからない。せっかく買ったスタッドレス。今シーズンは出番があるのだろうか。出番がないに越したことはないのだが、それはそれでもったいない気がする。


久しぶりの寄り道

年末、自転車で出勤したのだが、帰りに雨に降られた。当然傘は持っていない。以前、夏にもそんなことがあったのだが、その時は自転車で濡れて帰った。しかしいくら夏服とはいえ雨で濡れた服が重く、とりわけ坂がキツかった。そして「とても濡れて帰れる距離じゃないな。」と思った。

今回は冬なので、濡れて帰る気にもなれない。バスで帰るか、タクシーにするか?…。タクシーに職場から乗ると、夕方のラッシュにかかるので、料金がいくらかかるかわかったものではない。でもバスに乗ると停留所から家まで600メートル。600メートルも濡れて歩くのはイヤだなあ、と思った。

いろいろ考えた末、電車に一駅乗って、そこからタクシーで渋滞を逆走する事にした。バスよりは高くつくが、最初からタクシーに乗るよりは随分安くつくはず。職場から駅まではアーケード伝いにほとんど濡れずに行ける。

たまにアーケードを歩いてみると、変わった物を売っている。100円均一ショップの店頭に、松、竹、梅の造花があった。さすがは年末である。葉物の造花はめずらしく、どこの100均でも滅多に売りに出ない。多分仕入れ担当者に生け花の心得がなくて、葉だけの造花は売れないと思うのだろう。隣街の花屋に併設されている100均(正確には88均)にだけはいつも葉物の造花が豊富にあるので、わたしはいつも葉はそこで買っている。

今回、竹のできはイマイチだったので買わなかったが、松と梅を6本ずつ、他の花を何本か買った。また、通りに50円の造花を売っている店があって、そこでも何本か買った。2店で合計3000円ぐらい造花を買ったらものすごい量になった。他の店にも行きたかったが、とても買える(持てる)状況じゃなくなってきたので寄らずに駅に行った。電車に乗っても目立つ目立つ。巨大な白ビニール袋にまんまるな着膨れ姿にリュック。「私一人で二人分位場所をとっているなあ。」

一駅電車に乗って、タクシーに乗ろうと思ったが、そこは郊外の駅である。駅前にタクシーは待っていない。雨がやんでいたので、駅の近くのタクシーの事務所まで歩いた。だが事務所はあったが誰もいない。そして事務所の外に電話があって、横に張り紙が。「配車センターは〇〇に移転しました。タクシーの依頼はこの電話で××番におかけください。」電話をしてみると、タクシーが全部出払っていて、なかなかつかまらないとのこと。突然の雨だし仕方ないなと思い「急ぎませんので、元の事務所の所で待っています。」と言って電話を切った。20分位待ってタクシーが来た。近かったので、運転手さんはガッカリだったろうが、私は濡れずに帰ることができた。たまには寄り道するのもおもしろい。


片付けられない女たち

今、読んでいる本の題名である。内容は「注意欠陥障害」という脳の整理整頓力に問題がある病気。整理整頓力に問題があるため、物事がテキパキと段取りよく進められない、忘れ物が多い、あれもこれもやらなきゃと思うとパニクって結局何もできない。「女たち」とあるのは、女性が発症すると、雑用ができないために肝心の仕事が進まず自信をなくしたり、家事がうまくできないことで世間から低い評価を受けたりするので、男性より余計に悩む人が多いとか。

かく言う私も片付けは苦手である。いや苦手、というよりやる時とやらない時の差が激しいのだ。なぜパワーを平均して出せないものかと思う。アイロンがけだって、毎週すれば1回に5枚でいいのに、3週間もためるから15枚、1時間もかかってしまう。本を読んでみて、自分に当てはまる点がいくつかあったが、生活に支障をきたす症状が常に出ないとこの病気ではないらしい。私は単にそそっかしかったり、気分屋なだけなのか?。

私が望んだ本とは内容がちょっと違ったが、なかなかおもしろい。私の片付け下手は、人を家に招いて、無理にでも片付けるきっかけを作るしかないのか。休みがあれば片付ければいいのに、なんかグウタラに休日を過ごしてしまっている。だが不思議な事にいくら休日にグウタラな日々を送っていても月曜の朝にはスイッチが入る。仕事に行く時ぐらい気合を入れて家事ができればなあ、と思う。環境が違うからスイッチが入るのか。他の人はどうやって家事をテキパキとこなしているのだろう。私は自分一人の面倒をみるだけで精一杯だというのに


ガソリンスタンドの横着者

ガソリンスタンドに寄ったとき、ヘンな物を持って灯油を買いに来ているお客さんを見た。ストーブの灯油タンクを外して持ってきているのだ。それも2つも3つも。そのときは私は「なんと横着者だなあ」と思った。

昨年9リットルタンクのファンヒーターを買って、その理由がわかった。18リットルのポリタンクで買って帰っても、9リットルタンクに2個つげば空。私はいつも18リットルタンクで2つ買って帰るのだが、買って帰るなり1個空になることがある。そのときなんだか情けない気持ちになる。「今、買って帰ったのに、また買いにいかなきゃ…。」

あの時、私が横着だなあと思ったお客さんは、灯油タンクの他にポリタンクを持っていたのだろうか。それとも近所なので、灯油が空になればタンクを持って来ているのだろうか。まだ、今年はストーブの灯油タンクを持ったお客さんには会っていない。

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