ネズミの好き嫌い


以前アパートに住んでいたとき、部屋にネズミが出ることがあった。調べてみても出入りできる穴がない。家に入れる所といえば、風呂がまの排水口か、換気扇、玄関ぐらいしか思い当たる所がない。

風呂がまの排水口は、外にあるタメマスとの高さ関係から見て、トラップになってないようだ。タメマスから風呂がまに出て、そこからジャンプ。ジャンプといっても風呂がまの深さは60センチぐらいあるので、そんなに飛べるのか?。または風呂の栓のチェーンを伝って入るのか。

また、うちの換気扇はちょっと工夫がしてあって、換気扇の回転が止まってもフラップが開きっぱなしになっている。冬は隙間風が入ってちょっと寒いのだが、夏場は留守にして閉めきっていてもテキトーに換気できるので便利であった。一つ問題点はそこからヘンな物が入って来ること。以前、コウモリが家に入ってきて恐ろしかったことがある。(いきなり明るくて狭い所に入ったコウモリもかなり慌てていたようだが、やみくもに飛んでも壁にぶち当たらないのはさすがである。)ネズミもそこから入って来たのかも。

それとも玄関を開けて私がよそを向いた隙に入ってくるのかもしれない。うちは定期的にバルサンを焚き、ホウサンダンゴも置き、ゴキブリは撲滅したはず。しかし子供も卵も見たことないのに、突然親ゴキブリ1匹だけ見つけることがある。そういうのは外にいる「野のゴキブリ」が入ってきたと考えられる。よその家でバルサンを焚かれ、外に逃げ出したゴキブリで、外壁に張りついていたり、飛んでいたりするのを見かけていた。よその家でいぶり出されたネズミが玄関からコンニチワなのかも…。

部屋をネズミが横断するのを見つけた時は、ゴキブリホイホイで取った。小さいネズミだったこともあり、ダメ元で仕掛けたゴキホイにヒット、ご用となった。しかし風呂場で石鹸をかじるネズミにはまいった。歯形から考えてかなり大きいネズミとみえる。石鹸の1/6位が一度に減る。このサイズではご対面するのも恐い。前にとった小ネズミのように、ゴキホイの上からゲタで一撃、というわけにはいくまい。こいつは姿は見せないが何度も出没する。業務用ネズミホイホイをしかけたが、つかまらない。姿なき敵との戦いである。

おもしろいのはネズミにも石鹸の好みがあるようで、いろんな石鹸を置いていてもかじる石鹸とかじられない石鹸があることに気付いた。何度もかじるということは石鹸はおいしいのか?。どう考えても人間の味覚ではマズいのだが…。そこで3種類あるせっけんに交互にフタをして、ネズミが食べない石鹸を見つけた。ミューズである。他の石鹸にフタをしてミューズだけ出しておくとかじられない。また、排水口の上にミューズを置いておくと、ネズミは出なくなった。

今の家で、「ひょっとしてネズミ?」な歯形を見つけた。今度も効くかどうかわからないが、ミューズを置いてみようか。バトルの始まりだ。

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