初めての障子貼り


この夏、初めて一人で障子を貼った。家族と一緒に住んでいた頃、母の手伝いで貼ったことはあるのだが、一人で貼るのは初めて。それに前貼ったのは、巻紙状の障子紙。今回貼るのは1枚貼りの物だ。

まずはお買い物。ノリに障子カッター、障子定規、ハケ…。最近は便利な道具があるものだ。障子カッターは丸歯になっていて、直線歯のカッターで濡れた紙を切るとグジャっとなってしまうのがスパッと切れる。また、障子定規は、障子の角に定規を当ててカッターで切れば、桟の内側1センチの所で紙が切れる。

障子貼り用品は簡単に決まったのだが、問題は紙。今まで無地の地味なものだったので、今度は柄入りのものにしたい。しかし、巻紙状の障子紙はいろいろ漉き込み模様があるのに、1枚貼りはバリエーションが少ない。そんな中に一つ気に入ったのがあったのだが、値段が高い。普通の無地の1枚貼りの半分の量で値段は2倍。うーんどうしよう…。雲流模様に色紙が漉き込んであって、かなりかわいいのだが…。

迷った時は即相談だ。母に電話して、どうするのがいいか聞いてみる。やっぱり年の功、聞いてみるだけのことはあった。「日が当たって焼けそうな所は安いのを使え。」「部屋全体総柄や、柄+柄はうるさいので、一部無地にすれば日焼けするところが無地でもおかしくない。」そうか、そうすれば一番大きな障子4枚分だけ値段の高い柄入りを買って、欄間や小障子は無地にすればかなり安くつく。

最近は補修専用の障子紙にも粋なのがある。私が小さい頃は、障子は子供が破ると決まっていたので、張り替えの楽なもの、補修のしやすい柄が中心だったのに。破れる前から補修(というか、そこだけ違う紙を貼る)しようか、と思うくらいかっこいい紙がある。次の張り替えが楽しみである。

とりあえず買ってきた日に貼るつもりはなかった。夕方から出かける用があるし、買い物に出たのは午後になってからだし、買っておけばいつでも貼れるから、と思っていた。でも買ってきたかわいい紙を見ていると、どうしても貼ってみたくなった。

駐車場に障子を出して水洗い。紙を取り除いて桟をタワシで洗って古いノリを取る。桟が乾くのを待って、練習がてら欄間を1枚貼ってみた。おもしろい!。欄間の桟の幅が中途半端なので、あらかじめ紙を桟の大きさに切っておいて貼るだけなので簡単だ。

次に西日が当たるのを防いでいた小障子を貼ってみる。この小障子がないと西日がガンガンに入るので、障子を外してある間、サッシにダンボールを貼って西日を防いでいた。窓を開ける事もできないし、部屋も薄暗い。障子を洗ったはいいが、この状態が1週間も続くのはツラいな、と思っていたのだ。おもしろいので次々と貼る貼る。結局、小障子2枚、欄間4枚、大障子2枚を貼り、残すは大障子2枚のみとなったところでタイムオーバー。お出かけの時間だ。次の日に残り2枚を貼ったのだが、こんなにおもしろいのなら、もっと早くやればよかった。

私は障子が好きだ。この前まで住んでいたアパートにはなかったが、家族と住んでいた家には障子がたくさんあった。障子越しのやわらかい光が差し込む感じが好きなのだ。まさか障子のある家にまた住めるとは思っていなかった。これから2〜3年おきに張り替えるのが楽しみになりそうである。

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