臭いのはお前だ


実家は山なので、昆虫が多い。夏の夜など窓を開ければ大量の虫が電灯めがけてやってくるので締め切ってエアコンをつける。最初、網戸にすればいいかと思ったが、網戸の目より小さい虫や網戸と窓の間を通って来る虫、レールの下の隙間をくぐって来る虫、虫、虫。網戸キンチョールのような物を塗っても、塗った日はいいが、そのうち効果薄。窓をバッチリ締める以外に虫を防ぐ方法がないことがわかった。

また、畑にいろんな物を植えているので、害虫益虫いろんなのが来る。カメムシはナスやアサガオによくつく。アサガオの葉の裏に金色のツブツブがあったらそれはカメムシの卵だ。孵る前に速攻で捨ててしまおう。畑にいるだけでなく、布団を干したりしても要注意。とりこむとき、カメムシがついているのに気がつかなかったら地獄だ。弟の友人は、枕にカメムシがついているのに気がつかないで寝てしまい、頭でつぶしてしまった。枕は捨てたが、洗っても洗っても頭がカメムシ臭いのにはまいったという。

実家で風呂に入って着替えた。なんか臭い。しかしどこにもカメムシの姿はない。足ふきマットやバスタオルの裏、いろんな所を探したが姿はない。気のせいかなと思って風呂場を出た。しかしやっぱり臭い。家族に「どこかカメムシおらん?」「なんかカメムシ臭くない?」と聞いて回るが、どこの部屋に行っても臭い。どうもカメムシ臭いのは私のようなのだ。

おしりのへんがチカチカするので、まさか、と思って着ている物を脱いでみた。いたいたカメムシ。私はパンツにカメムシがいるのに気がつかずはいてしまったのだ。カメムシの毒にやられたのかどうかわからないが、私のおしりに五角形のシミのようなただれのような痣がある。カメムシを踏んでしまうひとはたくさんいるが、はいてしまったひとはそうはいないだろう。カメムシをはいた女。

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