久しぶりの痛み


久しぶりに歯医者に行った。久しぶりと行っても2年ぶり位なのだが…。歯に金属を被せてある土台の歯が筋状に虫歯になって、虫歯の筋と金属までの間がボッコリとれて歯が欠けてしまった。ごはん1粒ぐらいまるまる入る位の大きな穴なので、すぐ治療に行った。

私の歯は虫歯痕が多い。ただし、完全に治療済。歯並びが悪いので虫歯になりやすく、子供の頃から毎年歯科検診でひっかかり、夏休み前は必ず歯医者通い。小学生の頃は新規治療なので歯医者での治療はかなり痛かった。高校の頃になると、小学生の時に治療した歯の詰め物がとれたりして、前に治療した歯の修理で通うことが増えた。歯の修理はあまり痛くない。詰め物を取るためにちょっとだけ掘ればいい。新規治療のように麻酔がいるほどガンガン掘ったりすることはない。

働くようになって、歯科検診もなくなった。「虫歯になっていても気づかないなあ、困ったなあ。」と思っていたら親不知が痛みだした。この際、悪いところは全部直してもうことにした。それ以来、2年おきぐらいにあっちがポロリ、こっちがポロリ、と昔治療した詰め物や被せ物が取れるので、ずーっと歯医者と縁が切れないでいる。虫歯痕は多いが歯は調子がいい。ここ20年位、冷たい水がしみたり、甘いものがしみたりすることはないし、虫歯で痛かったのは親不知だけだし、氷やアメ玉もバリバリ噛み砕ける。体の弱い人が再々病院に行って早く病気が発見され大病になるまえに対処できるのと同じで、私も2年に1度位歯をオーバーホールしているようなものなので、すこぶる調子がいい。

親不知を抜いた時の話、どこかで書いただろうか。歯医者に行く前、「死ぬかと思った」とか、「若先生では抜けなくて大先生が出てきた」とか、「2時間かかった」とか、親不知を抜いた時のすごい話ばかり聞かされた。私が行った歯医者では若先生が私の担当になった。治療椅子でガチガチに固まって待っていると、先生が「そんなに緊張しなくていいですよ。」と言ってくださった。麻酔を親不知のまわりに4本打った。真ん中に穴をあけてもう1本麻酔を打った。あとは真ん中の穴にシノ(足場を組む時など、番線をキュッキュッとしめる物で、1本角みたいな形の道具)みたいな道具を入れグラグラっとさせて、ペンチみたいなので挟んでスッポン。麻酔が十分効くのを待つ時間を入れても15分。話に聞いていたほど恐ろしいものではなかった。話してくれたみんなは大昔に行ったのか、抜歯がヘタな歯医者に行ったのかな?。

そんなもんで私は割と気楽に歯医者に行く。虫歯が痛みだして行くのではないので、余裕があるのかもしれない。しかし今回は久しぶりに痛い治療だった。メインの欠けた大穴の治療は痛くないのだが、他の歯に小さい穴があいているのをみつけて、ついでに直してもらったのが痛かった。「小さい歯で折れやすくなるので、神経は抜きません。」と大先生に言われた。「ああ、これが子供の頃の歯医者の痛みだぁ〜。」と思った。虫歯でずっと痛いのがいいか、直す時だけ痛いのがいいか。

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