２月の25日位だったか、うちの前が臭い。なんか血のようなタンパク質の腐敗臭のような、何か臭うのだ。団地に上がる大きな道を曲がってうちの前に来るのだが、曲がる前と後では空気の臭いが明らかに違う。懐中電灯で側溝の穴を照らしてみても、フタのない所からのぞいて見ても何も詰まっている風ではない。側溝の中で何か死んでいるのなら、猫か鯉位の大きさなのだ。臭いの強さがネズミサイズの死体ではない。 晴れた２日間位臭かったが、その後雨が降っている間は臭わなかった。しかし晴れたら、また臭うようになった。しかし今度は臭う場所が30メートル位下流へ動いていた。そして数日、まったく臭わなくなった。臭いの元は下水本管に落ちたのだろうか…。

そういえば、25日のちょっと前、３日位毎日続けて夢を見た。私は夢をほとんど見ないので、初夢がゴールデンウイークごろになる年はざら。なので、３日連続で夢を見るというのは異常事態なのだ。

それと、大切な物を紛失してしまった。私は机もカバンもぐちゃぐちゃだが、不思議に物はなくさない。メチャクチャなりに秩序があるのか、傘を盗られることはあっても忘れて帰ることはない人なのだ。臭い、夢、紛失。私は不安になった。「何か私に気づいてほしいのでは…。それはいったい何？。」

上に書いた話を母にした。実家に行ったのは別に今日行かなくてもいい用事(冷凍コーンを届けるだけ)だった。話を聞いた母も私の話を何かの警告と思ったらしい。私が大切な物をなくす時は、いつも何かの身代わりになってくれている。前にカバンを落した時もそうだった。いつも地面に買い物もカバンも置いて車の鍵を開けるのに、その時はカバンだけ屋根の上に置いた。その瞬間「そういえば前にも屋根のポスター乗せたまま走って落したよな…。」と思った。そのまま買い物だけ車に乗せて発進した。屋根に置いた失敗を思い出しながら、カバンを置くのはおかしい。どうしても私がカバンを落さねばならない運命というか、落すように仕組まれたというか、私の行動なのに私以外の意思の関与があるとしか思えないのだ。

それから母はこんな話をした。母の話によれば、母の祖母は霊がとりつきやすい人だったという。葬式に行く度によその霊をひろってきて体調を壊す。地元の霊媒の人に拝んでもらうと、今までの苦しみようがウソのように治る。母の兄が行方不明になっていて、死んだ時も知らせてくれた。また、母が海で霊を拾ってしまって腰が悪くなって、霊媒さんが不在なのでそのまま家に帰った。霊媒さんが帰ってから母の母が代わりに拝んでもらいに行ったのだが、母の腰が軽くなった時刻と、母の母が霊媒さんを訪ねた時刻がピッタリ同じ、など結構当たる人であった話はよくきいている。

その霊媒さんはもうお隠れになっておられるだろうが、私も拝んでもらったことがある。子供の頃、夜な夜な私が無断で家を出る。私はトイレ（外の共同トイレ）に行くにも、母に声をかけていった。（昼間など、言わなくてもいいから勝手に行きなさい、と言われていても声をかけていた。）おかしいと思った母が私に聞くと「友達が遊びに来る」らしい。母はさっそく拝んでもらいに私を連れていき、トウフを賽の目に切って、年の数だけ団子を作り、船に乗せて川へ流すように言われた。トウフは１個だけその場で食べ、後ろは振り返ってはいけない、と言われた。この話は私が小さい頃の話なので、話の内容は後で聞いたことで覚えてはいない。覚えているのは大嫌いなトウフをムリヤリ口に入れられた事。母の賽の目は大きいので、何でもっと小さなかけらを食べさせてくれないのか、と思ったことだけだ。

私の友達には結構霊感のある人がいる。いろんなものが見えたり聞こえたり、事故現場を雰囲気だけで察知したり、私はそのようなものは何も感じない。感じないというか、私ではコントロールできないのだ。何か来ても、何であるかわからない、どうすればいいのかわからない。でもそれは多分私に対する警告、知らせ。今回滅多にない変なことが３つ続いて起きた。何者かが、何かを私に知らせようとしている。そんな気がしている。いったい何に気づけばいいのか、どうすればいいのか。もう、すでに身代わりになってくれているのか…。いつでも聞ける話なのに、わざわざ母の霊感話を聞きに実家へ車を走らせたということ自体おかしな話なのだから。久しぶりに来た不思議な知らせなのだが、私に何がおこっているのかわからない、しかし非常に気になっている。

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◆後日談◆
母の勧めで、朝、仏様にあげた水を一口もらって、新しい水をあげるようにしました。21日間続けなければならないそうなのですが、話を聞いた次の日から始めても泊まりの出張が入っていたので、21日連続は不可能。それでも話を聞いた次の日から始めました。それ以来ヘンな夢は見なくなり、数日後、側溝は業者の人がフタをしていました。