変なダイエット法


先日、テレビで結石の特集をやっていた。私も石持ちなので、痛いのはよくわかる。俳優の石田純一さんをモデルに、石ができやすい生活習慣をたどっていた。過度な美食、塩分の多いロケ弁、ワイン、ホウレンソウの食べ過ぎ、待ち時間が多くて座りっぱなしの日々、水を飲まない…。

私は「おや?」と思った。病院で見た掲示板と違うぞ。私が泌尿器科でみた結石防止のポスターには、親兄弟に結石体質の者がいる、肉好き、乳製品好き、水を飲まない人は注意とあった。私の食事は薄味なので、塩分は控えめだ。お弁当のふりかけも1袋で3回位お弁当が食べれるし、サラダには何もかけない、煮物も薄味。おまけに美食とは程遠い。結石の元になりやすい物質を含む内蔵もの(レバー、白子、フォアグラなど)やウニなどは一切口にしない。「水を飲まない」以外は石田純一さんとは似ても似つかない生活。しかし俳優さんには水を飲まない人が少なくないそうだ。舞台本番中や番組収録中はトイレに行けない。衣装によっては上から下まで全部脱がねばトイレに行けない服もある。私も「True happiness」の舞台の時は衣装が全身タイツなので、リハの前日から水分をとらないようにしていた。もっとも私の結石の場合は食生活に問題ありというより、水を飲まない、トイレに行かない、汗も出ない、ますます水がいらない、という水分摂取少なすぎの悪循環なのだが。

だが番組の問題は「前兆に気づけば死ぬほど痛い思いをしなくてすんだ」という点。「そんなもんわかるかー!」と言いたい。ほとんど鈍い腰痛のような痛みなので、いままで結石をやってなかったらわかるわけがない。痛いところが段々下に動いていく感じも、あとから言われてわかったこと。2回めならわかるかもしれないが、初めて結石ではドカンとくるまでわかるわけがないのだ。私が前に発症したのは休日の家だったのは幸いだった。今、最も恐れていることは車の運転中にドカンと来ること。前にヤバい痛みを感じて病院に行って検査したところ、何でもなかったこともあり、なかなか本物の痛みを見分けるのは難しい。

結石予防には、1日2リットル以上水を飲めといわれている。しかしそんなに飲めるかと思う。夏場、バレエなど運動して汗をかくときは1リットル一気飲み位できないことはないが、それはその場で全部汗で出る。職場にペットボトルを置いていて時々飲んでも1日500mlで精一杯。食事の時のお茶を全部飲んでも3食でプラス600ml。2リットルは私にとってとてつもない量である。正月から少し太ってしまったし、食事の前に水をたくさん飲んで、水飲みダイエットでもしようかなあ。ああ、1日2リットルも水を飲んだら、食べるものが何も入らなくなりそうだ。あ〜あ、バカな事考えてないで、運動するか、ごはん減らさなきゃ。

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