慣れない事


先日、50人位の人の前で60行位の文章を読む機会があった。朝7時に仕事にいって、当日急に読んでくれと言われた。一般の人なら引っ掛かりもっかかりになる見慣れない特殊な文章だが、私にとっては仕事がら目に慣れている文章。ざっと目を通して読めない漢字はない事だけ確認して原稿をポケットに入れた。

私は何度か舞台を踏んでいるが、舞台であがったことはない。自分が間違えても元に戻す次の対策を考えていたり、いつも冷静。今回もなんとかなるだろう、とタカをくくっていた。

呼ばれて前に出た。私の出番だ。最初の5行位は余裕だった。時々原稿から目を離してお客の方を見たりした。しかし原稿の半分位まで来ると、行の右端まで読んで行って次行の左端に着地するのに、よーく見ていないとどこに降りていいかわからなくなってきた。目は原稿に釘付け。もっとも、原稿のほうも声に出して読みよいようには書かれていない。A4の紙にかなり行間をつめて書いてあるので読みにくいし、紙の右端まで読むと、左端は視野からはずれる。なんだか心配になってきた。

  不安になるとアガるもので、後半になると膝がガクガク笑ってきた。こうなると、私はその場をなんとか丸くおさめるのに精一杯。自分がどんどん早口になっているのがわかっているのだが止められない。最後の一言は早口言葉のようで、1回では言えなかった。「自治労山口県本部反基地闘争本部」こんなに言いにくい言葉だとは思わなかった。この言葉、ナメていました…。

今回の経験を、自分が書く文章をもっと読みやすくするように役立ててみようかと思った。転んでもタダで起きるものか。

次ページへ