舞台を見るつれづれ


先日、シングライクトーキングというバンドのコンサートに行った。6時からの公演で、昼頃に広島に行き、友人と買い物をした。まず、私の靴の紐が切れかかっていたので、そごうの靴屋に行った。中途ハンパな長さでなかなか合うのがなかったが、店員さんが店にあるだけの紐のパッケージを開けて合うのをさがしてくれ、頼んだら両足とも靴に通してきてくれた。(しかも靴がちょっとだけきれいになっている気がした。)たった150円の靴紐を買っただけでこのサービス。さすがはそごうだな、と思って感心した。

私が広島で買いたかったのはグレナデンシロップの300CCのもの。岩国ではどこの酒屋に行っても750CCのしか置いていない。(300CCだって使い切るまで何年もかかっている。750CC瓶なんて誰が買うんだ?。業務用にしては中途ハンパに量が少ないし。仕入れのセンスを疑いたくなる。)確か、そごうの地下の酒屋にあった気がしたので寄ってみると、日本酒とワインの専門店になっていた。グレナデンシロップは酒屋ではなく、地下の普通の食品売り場にあった。私はこれが買えたので満足だ。

他には服を見た。バーゲン前なのでまだ定価販売だ。私が好きなブランドの店でスカートを1つ買った。衝動買いだが、気に入ってどうしても欲しくなったので、定価でもよかった。友人は別の店でかなりお買い得なダウンコートを見つけ、買った。それから100円ショップに行き、封筒を買った。友人も何か買っていた。4時過ぎにお茶をして、本通りのディスカウント店で激安の、しかも気に入った香りの香水を見つけて、友人と同じ物を買った。私たちは小さいカバンを持ってコンサートに来たつもりだったのに、会場入りする頃には買い物がものすごい大荷物になっていた。(笑)

コンサートは新しいアルバムの曲を中心に、いい内容だった。シングライクトーキングの照明は、舞台から客席を照らすライトをよく使う。そのため会場が明るいので、他のファンがよく見える。「前の姉ちゃん、ノリノリだなあ。」とか、「手拍子ズレてるよ。」とか結構ファン観察がおもしろい。さすがにシングライクトーキングのファンは平均年齢が高く、見た感じ、私と同じぐらいの年のひとが多かった。中に一人幼稚園児ぐらいの子連れの女性がいた。24時間営業の託児所に入れるよりチケット(6500円)のほうが安かったのかなあ。託児所にコンサート会場からの往復の時間も入れて4時間超えて預けると1時間1500円(実際どのぐらいの保育料か知らないが)だとチケット代と変わらないかなあと思った。さすがに子供は終わりごろには退屈している風だったが。お母さんファンがんばれ、である。

シングライクトーキングのコンサートはここ2年ぐらいは給料日に重なっていて休めなかったので久しぶりだ。私が行かない間にシステムが変わったのか、今回はコンサートの最後にやるお決まりの曲「ユートピア」をしなかったので、客席のファンがなかなか帰ろうとしなかった。私も友人に「最後のお決まりの曲をやってないから、アンコールがまだあるよ。」と言った。しかし終わったとの場内アナウンスが。「アナウンスがあったら、ほんとに終わりだろう。」と言いながら帰ることに。客席にはまだ納得いかない人たちがたくさんいた。

私は演劇を始めて、いろんな舞台を見ても純粋に楽しめなくなった。宝塚、劇団四季、オペラ、他の劇団等々、舞台装置や照明のアイデアなど、見て盗めるものがあれば、とついつい思って探してしまう。しかしシングライクトーキングのコンサートは私にしては珍しく純粋に楽しめるので、いい気分転換になる。


先日、地元の劇団の演劇公演に行った。私の斜め前に座っていた小学生の男の子2人。最初から最後までずーっとゴソゴソしていて、全く芝居を見ていない。椅子を立てて座る、パンフレットを丸めてたたきあいをする、隣の子とこづきあう、一時としてじっとしていない。私の隣に座っていた子供が、真ん前がそんな状態なので芝居が見えなくて、右に寄ったり左に寄ったり、前に寄ったりしているのが気の毒だった。芝居は2時間。私は何回前の男の子たちにげんこつをお見舞いしよう思ったことか。「芝居を見ないのなら出ていけ〜〜〜〜〜〜〜!」

彼らの保護者も保護者である。男の子たちの保護者は右に座っていた年配の方か、左に座っていた年配の方か知らないが、無料だからと言って、見る気のない者を連れて来ないでほしい。周りが迷惑である。両隣の年配の方は、どちらも子供が騒ぐのを止めようとしないのだ。料金を取る公演なら、あの子たちは間違いなく係員につまみ出されていただろう。芝居がどうこうより、男の子たちの不快な態度のほうが印象に残った。隣に座っていた友人と「前の子供らぁ、最初っから最後まで騒いでばっかりで、いっそ(全然)芝居見てないじゃん。」「連れて来るなっちゅう感じよねえ。」と話した。子供たちの左隣の人が保護者なら、この会話は聞こえているはずなので、バツが悪かっただろう。シングライクトーキングのコンサートは完全に大人向けの内容、今回のお芝居は子供向けの内容だったにもかかわらず、コンサートで見た幼稚園児のほうがまだおとなしく見ていたがなあ、と思うと、情けなくなった。マジで情けないぞ、岩国の小学生。


しかし、歯が痛くて寝込んで、次の週にミュージカルの本番。その週末にいもほりと宴会、翌々日にコンサート行って、週末に演劇鑑賞。その間に仕事では卓球大会にソフトバレー大会、ボーナスの支度と忙しかった。行事がてんこもりでほんの3週間前の話とは思えないほど遠く感じるなあ。
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