りんごちゃ んは、遠くの町に売られてゆくのがとてもいやでした。列車に乗せられるまでになんとかしなくち ゃ。
 そして友達に脱走の誘いをかけるのです。

 「夜逃げをしよう」
 「うん」


 りんごちゃんと友達は、リンゴ箱をそっと抜け出しました。






 「りんごちゃん」の話はもっと長くて、このシーンの前後がありました。でも 、なぜかここだけが伝説のように語り継がれ(?)ています。いまだにわからないのは、どういう 発想で「夜逃げ」に至ったのか。
 「りんごちゃん」の作者である妹は、普段は融通がきかなくてクソがつくぐらいまじめなやつで すが、時々「伝説級」のギャグをかまします。天然ボケなのか計算ずくなのか。彼女は河村家の謎 です。



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