和布刈神事は寒かった!!
出雲の海に関する神事の一つに「和布刈神事」がある。 太陰暦でいう正月5日(2月21日)、まだ肌寒い潮風が吹き荒れる中、 日御崎神社の裏手にある宇龍港でその神事は行われた。 この神事には由来がある。 ウミネコが神社の欄干に和布を掛けて飛び去ること3度におよび、そのとき人々は初めて和布なるものを知り、以来これを神に供え、一般にも採るようになったという。その古事にちなみ、毎年正月5日に和布の刈り初めを行い、それを本社に供えるようになったという。
集まった人達は地元の人達がほとんどという ほのぼのとした雰囲気の中、午後二時、その神事は始まった。 魚市場では地元の婦人会の方々が熱い汁を作って客を迎えている。 神職らが12隻の漁船を渡り歩き、宇龍港から約50m沖の権現島へ登る。 待つこと小一時間。祝詞が奏上され、神職が船場まで降りてくると、岩場で箱眼鏡を使いながら和布採りが始まった。その後、赤ふんの若者らが海に飛び込み、神職らが港に降りるはしご板を舟と船着場の間にかける作業を行った。
なぜに赤ふんいっちょで? それが神事というものだから・・・ 実に寒い中、理由を越えた「まつりごと」の中に綿々と続けられてきた文化の奥深さを知った。 その夜、インフルエンザにもかからなかった僕なのに、ちょっと熱が出た。それが風邪によるものなのか、神事のせいなのか、今は考える余裕もない・・・・・・ |