石 東


 古代山陰道の最西端の石見国は、石海・石美あるいは石群などを語源とするという。荒々しい日本海の、海岸ぎりぎりまで中国山地の山並みがせりだし、それを刻んで静間川・江の川・周布川・高津川などが流れ下り、屈曲する地点に細長い河岸段丘と河口部に狭い沖積平野を形成した。そのため、厳しい風土に挑む積極性に加えて、地域的な独自性を育むことになった。
 政治の都合上、「島根県」で一括りにされてしまったが、本来は出雲と文化を異にする地域であり、独自の文化をもつ。これより西側についても、いつか紹介したい。

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