三瓶山自然林


 出雲と石見の境にそびえるトロイデ(釣鐘状)型の火山が三瓶山(標高1126m)である。「出雲国風土記」に佐比売山として記されているのが、この三瓶山である。八束水臣津野命が、出雲国は狭く細長い国なので、新羅国の余りを大鋤で切りとり、佐比売山を杭として綱をかけ、「国来、国来」とよびながら、「もそろもそろ」と引っ張って、島根半島の西部につなぎ合わせたという。
 この三瓶山主峰の親三瓶北東斜面と、室の内とよばれる南噴火口に三瓶山自然林(国天然)が広がっている。樹種はブナ・コナラ・クリ・ケヤキ・ミズナラなどで、人手を加えられたことのない老齢木で占められている。
 山腹の姫逃池は、八つの浮島とカキツバタ群落(県天然)で知られる。カキツバタは、5月末頃から紫色の大輪の花を咲かせる。カキツバタの咲きそろう浮島が、風によって音もなく漂う6月は、三瓶山の最も美しい季節といえる。あるいは全山紅葉した11月に、親三瓶の頂上から雄大な国引き神話に思いを馳せるのも爽快である。

関連リンク

Mt.sanbeホームページ
: 三瓶山の公式サイト。三瓶山の全てがここで分るといっても言い過ぎではないだろう。山好きの人、必見。
リンク集もあり。


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