奥出雲



 奥出雲は、一般に雲南3郡といい、大原・仁多・飯石3郡から成り立っている。
 奥出雲は、山また山の連なりの地域で、最も奥部の仁多郡横田町の船通山に水源を持つ斐伊川が、いくつもの支流を集め、3郡の間をぬいながら下流の平野部に流れている。仁多郡・飯石郡は、「出雲国風土記」の時代から、出雲と備後を結ぶ重要な交通ルートであったが、それは今も生きていて、西の赤名峠を越える国道54号線、仁多町の大貫峠を越える国道432号線、東の横田町三井野峠を越える、オロチループとよばれる2段のループを持つ国道314号線などが、出雲の南玄関になっている。
 この地方の花崗岩地帯では、古くから砂鉄によるたたら製鉄が行なわれ、近世半ば以降からは、企業たたらとしての技術の向上が、松江藩の鉄行政のよさとともに、その生産力を高めた。

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