美保神社

 美保関の港は、今では小さな漁船が出入りする小漁港にすぎないが、かつては大社町宇竜と並んで日本海西部有数の港であった。単に風待港としてでなく、出雲の鉄・木綿・年貢米などを積み出す港であり、また隠岐へ渡る最適の港でもあった。そのため他国の船がしきりに出入りし、朝鮮の「海東諸国記」などにも名前がのっている。
 港の近くに鳥居が立っており、これが美保神社(祭神事代主命・三穂津姫命)である。「出雲国風土記」には祭神を御穂須須美命だけとしているから、古代には祭神はこの女神だけだったと思われる。事代主命・三穂津姫命を祀るようになったのは「記・紀」の国譲り神話の影響であろう。代表的神事として青柴垣神事と諸手船神事があるが、これも国譲り神話にちなんだもので、前者は4月7日、後者は12月3日に行なわれる。
 諸手船神事に使用する諸手船2隻(国有民)は境内の船庫に保管されているが、約40年ごとにつくりかえられる。この船はモミ材で、古代刳り舟の系譜をひくものである。なお、船神事に関連して、近くの美保関海洋展示館に中海のそりこ舟(国重文)、隠岐のともど舟と沖縄糸満の漁船サバニ(ともに県有民)といった舟も展示されている。

関連リンク

美保関町公式サイト
:美保関町の公式サイト。観光名所マップ、イベント情報など役立つ話題が盛りだくさん。

美保神社公式サイト
:美保神社の公式サイト。美保神社の歴史からイベント情報まで役立つ情報がいっぱい。特にリアルプレイヤーを使用した映像が素晴らしい。


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