華蔵寺

 松江市街の北東にある枕木山(標高456m)の山上に華蔵寺(臨済宗)がある。華蔵寺は寺伝によれば、平安時代初期の825年(天長2)智元上人の開基になる天台宗寺院だったという。その後いつしか廃れ、鎌倉時代末頃、東福寺円尓弁円の法孫、霊峰慧剣が巡錫し、禅寺として再興したといわれる。
 薬師堂本尊は高さ81pの秘仏木造薬師如来坐像(国重文)である。藤原時代初期の作で、もともと彩色像であったが、今はほとんど剥落し、わずかに眉・目・唇に色彩を残している。流麗な衣文、ふくよかな面相、特に唇の紅は官能的でさえある。室町時代の日光。月光両菩薩像を脇侍にしたがえている。
 薬師堂の右には開山堂・庫裏などの禅院特有の建物が並んでおり、松平不昧の御成門がある。境内のはずれからはみる遠望は殊のほか素晴らしい。今も山頂登山を楽しむ人々がいる。

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松江市公式サイト
:松江市の公式サイト。国際観光都市だけあって役立つ情報が盛りだくさん。松江観光辞典で華蔵寺を調べてから行こう。


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