小泉八雲旧居



 塩見縄手の西隣には、小泉八雲旧居(国史跡)と小泉八雲記念館がある。小泉八雲はラフカディオ・ハーンの日本帰化名である。ハーンが松江に着任したとき、ハーンの字をヘルンと読んだ事から、今でも松江ではヘルンといい、小泉八雲旧居もヘルン旧居とよび、ハーンをヘルンさんと親しみをこめてよんでいる。
 ハーンは1890年(明治23)、松江尋常中学の教師として赴任し、わずか1年3ヶ月滞在の後、第5高等学校の教師として熊本へ去った。ハーンが士族根岸家に住んだのは、1891年5月から11月までの6ヶ月間である。この間に小泉セツと結婚し、新しい気持ちで日本の伝統文化の研究に取り組み、「知られざる日本の面影」(日本瞥見記)などの原稿を書き上げている。いわばハーンの最も充実した時期であった。
 ハーンはこの家の左側3部屋を主に使っていたが、部屋の置物や庭木などは当時のまま保存されている。居間は10畳で、三方に庭が見え、真中に日本風のテーブルを置いて応接や食卓に使った。三方に広がる庭には、今も彼がこよなく愛したサルスベリや蓮池が残っている。
 旧居の西隣に、木造平屋建てで和風の小泉八雲記念館がある。館内にはハーンが愛用した遺品など約200点、ハーンの著書や関係図書・資料が約790点展示されている。その中でも高い机に目が行くだろう。これはハーンがひどい近視のうえ、13歳の時左眼を失明したため、原稿や書物を見るとき、できるだけ近づけて見ることのできるように特別に作らせたものである。

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松江市公式サイト
:松江市の公式サイト。国際観光都市だけあって役立つ情報が盛りだくさん。松江観光辞典で小泉八雲旧居を調べてから行こう。


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