和鋼博物館



  安来駅から港にむかい、西岸に沿って進み橋を渡ると市立和鋼博物館が見えてくる。1993年開館。1946年〜1993年までは日立金属安来工場の付属博物館であった和鋼記念館の資料を再構成して公開している。
 奥出雲では、古代から豊富な砂鉄を原料とするタタラ吹き製鉄法によって、きわめて良質の和鋼を生産してきた。日本刀は、このタタラ製鉄で作られた玉鋼(和鋼)を鍛えたものである。中世以降、奥出雲の和鋼の多くは富田川や伯太川の舟運によって安来港に集められ、輸出されていた。安来は鉄の集散地としてかなり繁栄した。
 タタラ製鉄は、中国山地の良質で豊富な砂鉄を背景に成立した産業で、近世後半にはその生産量は全国総生産量の8割を占めていたという。しかし近代になると、高炉による生産に圧され、大正末年をもって日本製鉄産業の伝統の座を譲ることとなった。
 和鋼博物館は、タタラの歴史と鉄の流通など、多角的に紹介することを目的に開設されたものである。主な収蔵資料としてはタタラ製鉄関連資料・日本刀関連資料など一万5000点があり、その中には中国山地のタタラ製鉄用具250点が含まれている。また、館内にはレストランも併設され、安来港の夜景を楽しみながらの食事もできる。9時から5時まで。水曜日休館。大人700円、中高生500円、小学生300円。

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