雲樹寺


  安来の市外を抜けて、伯太川をさかのぼること約5キロのところに臨済宗系の古刹・雲樹寺がある。清水寺から徒歩でおよそ20分ほどである。寺伝によれば、1322(元亨2)年、孤峰覚明(三光国師)によって創建された禅寺で、出雲地方では最古の禅寺の一つである。
 覚明は南北朝時代の名僧で、元から帰朝ののち能登の永光寺で瑩山紹瑾に従い、禅の奥義を極めた。紹瑾の勧めで山陰を訪れ、能義郡宇賀荘の土豪牧新左衛門入道の援助を受けて雲樹寺を創立した。覚明は隠岐に遷幸した後醍醐天皇に禅を説き、周易を講じたりした。南北両朝の天皇と信仰上の交渉をもち帰依を受けたという。
 松並木の参道を通って境内に入ると、まず四脚門(大門、国重文)がある。それを進んでいくと寺にいたるが、そこに県下では数少ない朝鮮鐘(国重文)がある。寺宝には、古文書・古図・頂相など多くの優れた文化財がある。四季折々の花々もみごとで、なかでも初夏のつつじは美しい。


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