金屋子神社


  広瀬町の最奥部の重畳たる中国山地の小盆地、西比田に鎮座する。広瀬町の中心からおよそ25kmの南方にある。金屋子神社は、そのつくりの壮麗なことで近隣に比をみない。本殿(県文化)は古来タタラ神である金屋子神の社として、鉄山師達の厚い信仰を得ている。「鉄山秘書」(1784)は「太古ある旱天の日、土民が雨乞いをしていたところ、播州宍粟郡岩鍋に高天原から一神が降臨し、金属器の製作法を教えた。神はさらに西方に飛び、出雲国能義郡比田の黒田に至り、休んでいると、たまたま狩りに出ていた安部氏の祖正重なるものがこれを発見し、やがて神託により朝日長者なるものが宮を建立し、神主に正重を任じ、神は自ら村下となり、朝日長者は炭と粉鉄とを集めて吹くと、神通力によって鉄が限りなくわきでた」という伝承を載せている。
金屋子神社は近世に入ると急速に発展し、諸国に分詞をつくった。現在判明しているところでは、出雲・伯耆・備後・石見にわたって22社を数える。拝殿の欅の一枚戸の飾りには重厚豪華な彫り物が施されており、龍の彫刻は度々拝殿を揺さぶったと伝えられている。参道には大きなケラ(鉄の塊)と桂の古木がある。
隣には金屋子神話民俗館があり、たたらにまつわる暮らしや祭の様子を展示や映像で紹介している。9時から5時まで。月曜休館。大人500円、小中生250円。

広瀬町のホームページ
: 広瀬町のことならここにおまかせ。広瀬町役場が開設しているサイト。観光ガイドに金屋子神社の紹介あり。


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