祝 令和元年
令和元年5月25日

 宮島の令和元年の幕開けは、お正月や水中花火大会を彷彿させました。商店街や貴賓道路は勿論、町家通りも人波であふれ、来島者が5万人を超える迫力をまざまざと体感出来ました。厳島神社への参拝者の行列は、桟橋前広場まで連なり、3時間4時間待ちという状況でした。商店街の食堂は、押し寄せるお客さんの対応に追われ、最近若者が起業した食堂では、早々と満席の案内を掲示し、予約営業に切り替えていました。宮島の食堂が、国際標準に一歩近づいた喜ぶべき出来事です。他方、土産物店は渋い顔、あまりの人多さに商売にならないとこぼしていました。悲喜こもごもの宮島ですが、令和の時代も活気に満ちあふれています。

 宮島での令和商戦は低調でした。対岸のスーパーマーケットで、年越しそばが売られ、大宰府では、梅ヶ枝餅に令和の焼き印を押し、令和梅茶が販売されたようです。宮島の観光協会が桟橋駅前広場に祝令和の横断幕を掲げたのはさすがだと思いました。厳島神社の御朱印帳は、全国の有名神社の例にもれず長い長い長い行列が出来ました。驚かされたのは、その日のうちに、ヤフーオークションで即決価格25,000円で販売されていたことです。10,000円での入札者は確認しましたが、いくらで落札されたかは不明です。今年いっぱい続くであろう令和元年商戦、宮島では、いったい何が飛び出すやら楽しみです。

 6月3日から大鳥居の改修工事が始まります。1期目は、これまでも何度か工事した大鳥居の根元部分の補修、2期目は7月20日以降、大鳥居全体をメッシュシートで覆い本格的な改修工事となるようです。(詳しくは厳島神社のホームページをご覧ください)工事期間中は、参拝も観光にも何の支障もありません。それどころかシルエットに浮かぶ大鳥居を見ることが出来ます。なぜなら工事用のシートが、シ―スルーシートだからです。

 先代の宮司さんが、機会あるごとに、大鳥居の建て替えの話をされていました。主柱となるクスの木が見つからないからです。宮島のお山には、樹齢300年〜400年のクスの木が2本育っています。以前胴回りを計ったら13〜15mありました。包ヶ浦自然公園には、クスの木の群生林があります。自然公園管理者達が残したクスの木を生かせる機会が、もうすぐ来るやも知れません。

6月定例市議会で宮島の伝統的建造物群保存地域(伝建)の範囲と制度の審議が行われるようです。宮島は「伝建など必要のない、世界遺産の島ですよ」と言っても、この人達の興味は、重伝建指定を利用して、路面整備や電柱の埋設工事をすることしかないようです。どうしても、どうしても路面整備や電柱の埋設工事をしたいのなら、伝建建築規制で失う宮島市民の逸失利益を保障して下さい。伝建指定地域の固定資産税すべてを免除するぐらいの条件整備が出来ない限り、実現は不可能だからです。

入島税や伝建制度、平成の大合併で、広島市でなく歴史的につながり深い廿日市を選んだ宮島市民を、これ以上がっかりさせないで頂きたい。もう一度言います。「宮島は伝建など必要がない、世界遺産の島ですよ」。税の無駄遣いは止めましょう。 市税を払わなければ、家に帰れない、あるいは参拝やお参りが出来ない宮島に、してはなりません。

宮島の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)指定について