■車の数学(2): アッカーマン理論曲線

 車が旋回するときの操舵輪(通常は前輪)の切れ角を、外側車輪より内側車輪で大きくすることにより、前後の4車輪の回転中心が同一点となるようにした方式を、考案者(英国)の名を取ってアッカーマンステアリング(Ackerman steering)と呼んでいます。 これによりタイヤの横滑りがないスムースな旋回が可能になります。
 この方式における内側前輪の切れ角(α)と外側前輪の切れ角(β)の関係を表すものがアッカーマン理論曲線です。 車のホイールベース:W と トレッド:T が決まれば、アッカーマン理論曲線は下記のように表されます。

  1/tanβ - 1/tanα = T/W

 この式は下図から容易に導くことができます。
 右下のグラフは 比 T/W の値によるアッカーマン理論曲線の変化の様子を示しています。 図中の点線(α=β)は両輪とも同じ切れ角にする方式で、パラレルステアリングと呼ばれるものです。
Ackerman.jpg
  「車の数学(1): 最小回転半径」ではアッカーマン理論曲線に基づいたステアリングを行っています。

ホーム