■車の数学(4): クロソイド曲線の定義式に基づく描画 (簡易版はこちら)

 クロソイド曲線(Clothoid curve)は車が一定速度で走行している時にハンドルを一定の割合(角速度)でゆっくり回したときに車が描く軌跡であり、道路や鉄道の経路設計に利用されています。
 曲率半径をR、クロソイド始点からの曲線長をLとしたとき、両者の積が一定となります。
   RL = A2 (A:定数)
 クロソイド曲線上の点(x, y)はパラメータ t(曲線長に相当)を用いて、次式で定義されます。
   x(t) = cos(θ2/2)dθ
   y(t) = sin(θ2/2)dθ
 ここで、積分記号はθ = 0 〜 t までの積分を表すものとします。

 下のアプレットでは、この定義式に基づいて(数値積分により)クロソイド曲線を計算し、表示します。計算刻み刄ニを指定し、「計算・表示」ボタンを押してください。

(注1)計算刻み刄ニを大きくすると計算誤差が大きくなり、正しい曲線からずれてきます。
(注2)計算刻み刄ニが小さくても、パラメータtが大きい領域では曲線が発散します。
(注3)クロソイド曲線の収束点(t = ∞)の座標は次の通りです。
     x = y = sqrt(π)/2 = 0.8862269…
▲実際の道路におけるクロソイド曲線の利用について
 直線部からカーブ部分を経て直線に戻る形状でカーブ部分が円弧の場合を考えると、円弧に入った途端にハンドルを急に切り一定の角度を保持しなければなりません。円弧から出る場合も同様に一瞬でハンドルを戻さなければなりません。このような急ハンドルを避けるために、直線部と円弧部の間にクロソイド曲線を入れます。
  直線 −> クロソイド曲線 −> 円弧 −> クロソイド曲線 −> 直線
車の数学(3): クロソイド曲線

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