■純正律と平均律における構成音の周波数比

 ドレミファソラシド(CDEFGABC)の音階の各音が協和するように、周波数比が簡単な整数比になるように決めたものが純正律(純正調)音階です。

 これに対して、1オクターブ間を周波数比が等しくなるように12等分したものが平均律音階です。現在のピアノをはじめとする多くの楽器は平均律に従って調律されています。

 平均律音階 (C C# D D# E F F# G G# A A# B C) における隣り合う各音の周波数比
   21/12 ≒ 1.059463

で一定ですが、純正律では次のようになっています。

純正律における各音の周波数比
 音 名C (ド)C#D (レ)D#E (ミ)F (ファ)F#G (ソ)G#A (ラ)A#B (シ)(C)
 基本比1/116/159/86/55/44/345/323/28/55/39/515/82/1
隣接比(分数) 16/15135/12816/1525/2416/15135/12816/1516/1525/2427/2525/2416/15
隣接比(概略) 1.0671.0551.0671.0421.0671.0551.0671.0671.0421.081.0421.067
(注)基本比:基本の音(ここでは C)に対する周波数比
   隣接比:隣接する2音の周波数比

 楽器のチューナー(クロマチックチューナー、調弦器)の中には、たとえばヤマハのTD-12のように純正律の響きを作るのに便利な純正長三度(4半音)純正短三度(3半音)のガイドマーク付のものがありますが、これは平均律の長三度、短三度に対して以下の補正量を画面上に表示したものです。

純正長三度(4半音):C に対して E(周波数比:5/4)
  log2(5/4) x 12 - 4 = -0.13686 = -13.7 cent

純正短三度(3半音):C に対して D#(周波数比:6/5)
  log2(6/5) x 12 - 3 = 0.156413 = +15.6 cent

(注1)クロマチック(chromatic)
   「色彩の」、「半音階の」の意味。 ここでは後者(隣り合う音の音程関係が半音で構成される音階)。

(注2)cent(セント)
   平均律の半音の100分の1の音の幅をセントといい、周波数比では
    (21/121/100 = (21/1200) ≒ 1.000578

純正律と平均律
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