■太陽光発電:発電量算出に用いる日射量データに関する疑問

 太陽光発電システムの発電量予測に不可欠な各地の日射量に関するデータはNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)からの委託で日本気象協会が整備しており、全国の気象官署・アメダス801地点の日射量平年値(1961年〜1990年の30年平均値)データマップ MONSOLA05(801)(「マンソーラ」と読む)として公開されています。

 このデータは JIS C 8907: 2005 「太陽光発電システムの発電電力量推定方法」で推奨されており、太陽光発電システムの各メーカや本サイトではこれをベースに各地の発電量を予測しています。

 ところで、このMONSOLA05(801)のデータと気象庁のHPで公開されているデータに関して2つの疑問があります。

(疑問1) 例えば、広島の日射量について見ると、
   ・MONSOLA05では水平面日射量の年平均値は3.88kWh/m2/day
   ・一方、気象庁のHPで広島の1961-1990年の全天日射量の平均値を求めると
      3.71kWh/m2/day(13.37MJ/m2/day)
   となり、両者は一致しない。 その差はどこから来るのか。

(疑問2) アメダス点など、多くの地点ではそもそも日射量を観測していない(気象庁HPにも記載なし)。



 以前から抱いていたこれらの疑問点を日本気象協会に問合せしたところ、懇切丁寧な回答が届いたので要点を紹介しましょう。

(回答1) 広島市の日射量について
  ・広島の観測地点(広島地方気象台、広島市中区)は周囲に高層ビルなどの障害物がある。
  ・気象庁HPの日射量データは観測値をそのまま記載している。
  ・MONSOLA05では、山や建物などの地形・地物に影響されない(地域代表性の高い)日射量を提示する考えから、
   障害物の影響を除去(補正)した日照時間をベースに日射量を求めている。

(回答2) アメダス点など日射量を観測していない地点
  ・実測値のある日照時間などのデータから間接的に日射量を求めている。

日本気象協会:標準気象データ
JIS 検索画面

太陽光発電:日射量の年次変化(広島市)
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