本--今月の一冊（11）
最終変更日(1998年6月20日)
このページでは，私がここ最近読んだ本についてのコメントを載せています．今月の一冊と題しながら，更新は1ケ月に1回というわけではなく，気の向いた時（コメントを書きたい本を読んだ時）に随時更新していく予定です．したがって，1ケ月の間に複数の本の紹介をすることもあると思います．逆に1ケ月以上も間があくこともあります．
ジャンルは，小説，エッセイ，実用書，マンガ，ノンフィクション等，一切ゴチャマゼの中から選択していきます．なるべく新刊についてコメントを載せるように心がけますが，私の読書速度からすると，発行から数ヵ月おくれにはなってしまうでしょう．
「生命の宝庫・熱帯雨林」
- ジャンル：ノンフィクション/科学
- 出版社：日本放送出版協会
- 出版形態：文庫（NHKライブラリ）
- 著者：井上民二
- 定価：920円（1998年4月20日発行の第1刷）
- ISBN：4-14-084081-1
- コメント：97年9月に飛行機事故で亡くなった京都大学教授の遺稿．本来，NHKの「人間大学」という番組のテキストとして書かれたそうである．番組そのものは「未来潮流」のある回として放送され，これを観て私はこの本を買ったのである．
熱帯雨林の「生物多様性」を，植物と昆虫との共生関係，特に受粉における関係を，植物の一斉開花という現象をもとに解説している．
この本の主題は「生物多様性」であるが，私はむしろ「共生」というキーワードで読んだ．生態系を語る際，競争原理をもとに語られることが多いが，それに反して，著者は「共生」の重要性を語りたかったのであろうと邪推している．
(1998.6.20)
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柴田光信/Mitsunobu Shibata/ shibata@enjoy.ne.jp/