内容は,
関東大震災時の「朝鮮人蜂起」から松本サリン事件まで,種々の例をあげ,なぜマスコミは誤報をするのか,誤報の原因と過程を分析し,対策等を述べる.
といったところです.
松本サリン事件の河野氏の場合のような犯罪報道上のきめつけとそれに伴う人権侵害,スクープ合戦による勇み足,提供を受けた情報のチェックミス,「ヤラセ」,記者の功名心によるいきすぎ,などを例にあげて,失敗の過程を内部にいた物として詳細に分析しています.
マスコミに限らず,我々一般人もこうしてWWWなどで,あるいはネットニュースやNiftyのフォーラムなどで情報を発信することが可能になり,その情報は瞬時に多数の人が読むことが可能になったわけです.,つまり,マスコミと同じ能力を手にいれたわけです.とすれば,我々もマスコミと同じように,誤報によって人権侵害や,デマの増長の可能性は十分にあるわけです.したがって,我々も誤報に対して注意と責任を持たねばならないと思います.そういう意味ではマスコミ側の自己批判としてこの本を片付けるべきではなく,情報発信者としての自らの問題として謙虚に読むべきではないかと思いました.
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