03年8月23日〜8月24日と南紀は太地町と串本町,それと熊本は宮原町に行ってきました.その旅行記です.
太地町は「太地町立石垣記念館」,串本町は「串本応挙芦雪館」,宮原町は「みやはらの里絵画館」を訪れるのが目的です.
さて,計画は
大野浦2339--宮島口2351 2359(ムーンライト山陽)--新大阪548 629--紀伊田辺934 1047--太地1301 1312--くじら館1318 1424--湯川1433 1458--串本1533 1640--紀伊田辺1810 1814--御坊1858 1900--和歌山2006 2039--大阪2157 2208(ムーンライト九州)--博多727 735--久留米812 819--大牟田854 904--有佐1024 1131--大牟田1250 1333--小倉1551 1614--下関1627 1705(関門MUSASHI)--岩国1935 1944--大野浦1957
太地--くじら館間は太地町営バス,くじら館--湯川間は熊野交通のバスでの移動です.
大野浦--宮島口
いつものパターンで,8月22日 23:39大野浦発.7月は肌寒かったが,ここへきてだいぶ暑くなってきた.天気もいいようで明日も暑くなりそうだ.
23:44に列車は宮島口に着いた.ここで後発の上り寝台特急を待つことになる.したがって4分ほどこの列車はここで停車している.例によってホームの自販機でBOCOとウーロン茶の500mlペットボトルを買う.
23:56 いよいよムーンライト山陽に乗る.
日付変わって8月23日になる.車掌がやってきて,指定席券を確認する.
しばらくして広島に着く.どっと客が乗り込んでくる.阪神タイガースぼグッズも持っているところを見ると広島市民球場で試合を見ての帰りらしい.酒も入っているようだが,周囲の迷惑を顧みず,いい歳した男達が騒いでいる.阪神のマナーの悪さは報道などでつとに知られるところであるが,実際に当たってみると,実に始末が悪い.
そのうち騒ぐのにも飽きて,眠ってしまうだろうと思いつつ,本を読みながらしばらくすると,糸崎.ここで客扱はしないが,時間調整のための停車.夜食で買った稲荷寿司を広げて食べる.そうこうしているうちにじきに岡山に着く.くだんの阪神ファンもおとなしくなったようだ.
岡山で普段はジュース類を調達するのだが,今回はパス.宮島口で買ったウーロン茶がまだ残っている.
姫路を出ることには空も白みはじめ,加古川,神戸,三ノ宮,大阪と過ぎるうちに,くだんの阪神ファンの集団も一人二人と降りていく.
完全に明るくなった外の景色を見ながら新大阪へ.
新大阪で30分以上の待ち合わせ.日が昇り,暑くなりつつある中待つことになる.幸いホームに待合室があり,冷房が効いているようだ.しばらく待っていると他の客も待合室にやってくるようになった.このホームは在来線特急が発着するのだが,どうも同じ列車待ちのようである.
列車がやってきた.ボックス式の座席だ.新快速と同じ形式の車両を期待していたが,残念.
それでもしっかりボックス席の一角を占めて出発.前夜,阪神ファンの騒がしさが気になって眠れなかったこともあり,そのまますぐに眠ってしまう.
目が醒めたのは和歌山を過ぎて海南のあたり.座席はいっぱいになっている.日もだいぶ高くなり,思った通り暑い一日になりそうだ.
ふたたびうとうとしているうちに,列車は終着の紀伊田辺に到着.
紀伊田辺でも1時間近い待ち時間がある.この後,少なくとも15時ぐらいまで食品を買うことができないだろう.一旦改札を出るべく,きっぷを用意する.そういえばまだ日付が入っていない.申し出て入鋏印を押してもらう.ふと見ると,印の大きさが違う.JR東日本の下諏訪や松本駅の入鋏印のサイズと同じで,車掌が持っている印と同じサイズだ.しかし,私の記憶する限りでこのサイズの入鋏印はJR東日本以外では始めてだ.
たしか3年前に来た時は駅隣にコンビニがあったはずだ,と見て見ると無くなっている.食料を買い込むことができないとなるとヤバい.場合によっては,明日の朝まで何も食べれなくなるかもしれない.気を取り直して,駅前の通りを直進し,コンビニを探す.幸い,4分ほど行くとローソンがあった.
ローソンの中を覗くと,やはり阪神グッズが目だっている.「ローソンなんだから,ダイエーグッズもおけよ」などとヤボなことをいう気はないが,不景気の中のわずかな明るい話に懸命に乗ろうとしている姿がいじましいというかなんというか....
ロールパンとおにぎりとジュースを買う.これが今日の朝食兼昼食となる予定だ.このジュースなのだが,関西ローカル飲料メーカー「サンガリア」の製品で,「氷結」というブランドの製品だ.凍らせても大丈夫だという製品らしい.ここではあらかじめ凍らせて販売している.これはいいと思い,さっそく購入する.
駅に戻るが,まだ,30分程度発車まで時間がある.そこで,木曜日に突然思いついた,来週の旅(18きっぷ+バスで長崎の平戸市を目指す計画)を実行すべく,紀伊田辺で,岡山8/30日発のムーンライト九州の指定席の予約をいれて見る.が売り切れ.とりあえず断念.
見ると,もう列車はホームに来ているようだ.待っていても暑いので,さっそく列車に乗り込むこととする.
2時間ほど乗ることになるが,その列車は2両編成のワンマンのロングシート車.トイレもない.きついが止むを得ない.
発車間際になると座席はいっぱいになり,立ち客もでるようになった.しかしそれも白浜でだいぶ降り,席がいっぱいになる程度に減る.やがて太平洋が見えるようになり,南紀へ来たという雰囲気になる.
単線区間なので,途中特急列車の追い越しや対向列車の待ち合わせのため,いろいろな駅に長時間停車.トイレ休憩の意味もあるようで,駅舎とは別にホームにもトイレが整備されている.明らかにとって着けたような簡易的なトイレのようだ.
そうこうしているうちに,太地に予定通り到着.
太地駅は無人駅.運転手にきっぷを提示して,降りる.
駅舎の壁に鯨の絵が描かれている.それなりに華やかなのだが,いかんせん無人駅.いや,無人駅だからこそ,意図的に華やかにしているのか.
駅前の小さな広場にはすでにバスが待っていた.熊野交通のバスが町の委託を受けて運行しているようだ.念のため,石垣記念館のもよりのバス停を運転手に尋ねる.くじら館の一つ手前の桟橋前というバス停らしい.前払いの運賃を払い,車中に乗り込む.
私と地元の女子高校生を乗せてバスは発車.しばらくするとバスは国道に出て,すぐに右折し,海沿いの道を通る.左手に太平洋を見ることになる.海の色が青い.当然のことと思うが,瀬戸内海の緑色の海を見慣れた者にとっては,すごく新鮮で,きれいに見える.
まもなく「桟橋前」に到着.すぐ前は桟橋で,入り江の対岸に向けて舟が出ているようだ.すぐ隣には捕鯨船が陸上げされて,捕鯨船資料館となっている.それを横目で見ながら,目当ての石垣記念館に向かう.
石垣記念館についてはこちらに記載
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石垣記念館を出て,バス停でバスを待つ.バス停-美術館の距離が思っていたのより短く(くじら館前で下車して,石垣記念館まで戻るつもりだった),また,美術館自身も思っていたのより狭かったので,30分の待ち時間ができてしまった.南国の強い日差しで立っているだけで汗が出る.すかさず桟橋前のヤシの木の木陰に移動し,涼をとる.
時折吹く海風がなんとも心地よい.
ラジオの電源を入れて,音楽を聞こうとする.とかかったのは志摩の観光案内.ふと,あと20kmも東に進めば三重県なのだと気がつく.
「サンガリア」の「氷結」はようやく氷も溶けて飲めるようになった.後々まで冷たいのはよいが,買ってすぐには飲めないのがこの商品の弱点だ.
そうこうしているうちに,紀伊勝浦行の熊野交通のバスがやってきた.バスは来た時の道を戻り,国道に出たところで右折して,来た道と別れ,国道を北へ向かう.いくつかトンネルを抜けて,国道沿いにある湯川駅に着く.
湯川駅も無人駅である.コンクリート造りの建物の入り口から下りホームに上がる.
ホームに上がると正面は海.「桟橋前」から眺めていた入り江の一番奥がこの駅になるようだ.遠くに捕鯨船の姿が見える.そしてその向こうに青い太平洋が見える.
ふと手前をみると,そこは海水浴場のようだ.が,客は数人しかいない.天気はすごくいいのだが,なぜだろうか.盆を過ぎているとはいえ解せない.
潮風に吹かれて列車を待つ.しばらくすると,串本行の来た時と同じ車種のワンマン車がやってきた.
乗り込むと見覚えのある顔がある.確か,紀伊田辺からの列車に,一緒に乗っていた男だ.私は途中太地で下車したが,そのまま乗り続けていたはず.一人旅のようだ.しかし,観光目的だと明らかに滞在時間が短い.私のようなピンポイントの観光計画を立てていたら別だが,そんなことはまずないだろう.
そういえば,JR西日本が全線乗車のキャンペーンをやっていたはずだ.大阪方面から始発普通列車で新宮に行き,折り返し戻る行程だとこの列車で串本で待つか,次の新宮発紀伊田辺行になる.おそらくそれが目的だろう.
ふたたび海を眺めながら,串本へ戻る.
串本に着く.ここでは1時間の予定だ.
ここへは12年前,1991年に一度来たことがあるが,当時とだいぶイメージが違う.当時はもっと込み入った港町だった記憶があるが,駅前に立つとそんな気がしない.
以前の記憶を元にして,歩いて串本応挙芦雪館まで行こうと思ったが,この調子では迷ってしまいそうだ.時間も1時間しかなく,時間を無駄にしたくない.距離は1km程度しかないはずだが,あえてタクシーに乗り込む.ほどなくタクシーは目的地に着く.
串本応挙芦雪館は無量寺という寺の境内にある.ここも境内の蔵に置いてある作品を公開しているだけの印象があったが,いつの間にかりっぱな収蔵庫が建っている.見ると竣工が平成2年となっているのだが,記憶にない.天気が悪ければ蔵のほうに保管しているものだけ見せているのだというが,12年前は天気はよかったとはっきり記憶している. |
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店を出て,ふたたび駅はの道を歩く.串本町のメインストリートの商店街だが,真夏の午後3時という時間帯からか,あまり人を見かけない.いささか寂しい感じがする.
暑い中,汗をかきかき駅に着く.そこで紀伊田辺駅であきらめた計画を1日ずらして決行すべく,8/31日岡山発のムーンライト九州の指定を頼む.するとこちらは残っていたようだ.禁煙席なら残席ありということなので,購入する.
購入後,改札を抜け,トイレによってから陸橋を渡り新宮からやってくる列車を待つ.
1km程度炎天下歩いたため喉が乾いた.自販機でジュースを買っているうちに列車がやって来た.発車時刻より10分も前だ.トイレ休憩を含め,ここで特急列車をやり過ごすからだろう.列車に乗って買ったジュースを一気に飲み干す.
ふと見ると,また見覚えのある顔がある.確か,紀伊田辺からの列車に,一緒に乗っていた男だ.湯川駅から一緒の列車で来た男とは別人だ.もっとも湯川駅から一緒の列車で来た男も(その男とは全く無関係の行動をしているが),同じ列車に乗るようだ.
特急列車をやり過ごして,定刻通りに発車.
ふたたび海を眺めながら,今度は西に移動する.
出発時にジュースを飲んだが,まだ喉が乾く.長時間停車時に買おうと思ってタイミングを図る.着いたホームが駅舎側で階段等がなく,そのまますぐに外の自販機まで行ける駅だ.
周参見で特急を追い抜かせる.ちょうどここがそのまますぐに外の自販機まで行ける駅になっている.すかさず駅外の自販機でウーロン茶の500mlペットボトルを買う.
列車に戻るとほどなく発車.白浜を過ぎるころにはだいぶ乗車してきて,立ち客もでるようになった.ほどなく紀伊田辺に着.
紀伊田辺では4分の乗り換え.すでに列車は入線しており,ほぼ満席状態.なんとか席を見つけて座る.串本から一緒の「見覚えのある顔」もやはり乗り継ぐ.このまま少なくとも和歌山までは同じ行程でいくのだろう.
本を読んでいるうちに御坊に着.ここで2分の乗り換えで和歌山行に乗る.これもほぼ満席状態.なんとか席を見つけて居眠りをしているうちに和歌山に着く.
和歌山着は20時過ぎ.夏とはいえあたりはもう暗くなっている.弁当ばかりではなんなので,ソバでも食べようかとホーム内の蕎麦屋を覗くと,20時までが営業時間のようですでに店じまい.しかたがないので,改札を出て,夕食兼夜食の買いだしをすることにする.
事前の下調べでは比較的近辺にコンビニはなかったはず.どうしたものかと思っていたら,駅構内のKIOSKでおにぎりや弁当を売っていた.また「氷結」とおにぎりを買い込み,京橋行の紀州路快速を待つことにする.
ホームに行くとここでも冷房完備の待合室がある.そこでそこでしばらく待っていると,「見覚えのある顔」も待合室にやってきた.このまま天王寺まで同じ行程のようだ.
予定通りに入線.こんどはロングシートではなくクロスシートだ.往路 紀伊田辺を出てからずっとロングシートだったので少し安心する.
発車.しばらくして,日根野で関西空港方面の列車を増結.居眠りをしているうちに気付くともう新今宮.ここで眠ると終点まで行ってしまうと懸命に眠いのをがまんする.
定刻どおり大阪着.
さすがに大阪は,この時間になっても日中と変わらないぐらい人が多い.
幾度か山陽本線の下り夜行に乗ったことがあるが,ムーンライト山陽/松山/高知しか乗ったことがない.しかもすべて京都から乗っている.どのホームから出るのかわからずに困っていると,他でも困っている人がいるのか.駅員に尋ねている.ところが駅員もわからないようだ.困ったものだとは思うが,臨時の列車の発着場所まで,すべての駅員が知っているわけではないのも現実だろう.
LED表示を頼りにホームへ上がると間もなくムーンライト九州が入線.座席につく.車掌に指定席の確認を受ける.大阪発の時点では隣の席には誰も来ない.途中どこからか乗るだろうか.
定刻に大阪を発車.三ノ宮,神戸と停車する.いずれもホームにはまだ人がたくさんいる.明石のあたりではさすがにまばらになった.しかし,隣の席には乗って来ない.
日付が変わって岡山着.ムーンライト山陽ならここで分離作業があるため,しばらく停車時間があるのだが,ムーンライト九州では2分しかない.いつもはここでジュースを買うのだが,今日は見送らざろう得ない.
夜食を食べてしばらく眠る.外が白み始めるころ厚狭に着く.またうとうとしているうちに下関に着く.
下関では10分の停車.一旦列車外に出て背伸びをする.
門司で機関車を付け替える.いよいよ九州へ入った.すぐに小倉へ着く.小倉駅構内では全車指定のアナウンスが流れる.もう普通の快速列車が走り出している時間帯なのだ.
うとうとしているうちに博多に到着.
予定どおり博多に着く.ここで荒木行の快速へ乗り継ぐ.駅のホームでハンバーガーを買い,朝食とする.ほどなく,入線.この快速は博多始発なので,確実に座席は確保できる.
定刻に博多発車.この列車は荒木止りなので,途中で追い抜く大牟田行にどこかで乗り換えなければならない.時刻表でみると,追い抜くには二日市のようだ.どこで乗り換えるのが便利かと思案しているうちにもう二日市に着く.着いた正面のホームで大牟田行が待っている.幾人かが降りて乗り換えている.ここで乗り換えるべきかと迷ったが,(迷っているうちに列車が発車してしまい,この際だから)久留米まで乗ることにする.
久留米駅で降りる.ここは駅舎内のコンビニがあったはずだ.ジュース類を調達しようと改札外へ出ようときっぷを見ると,まだ日付が入っていない.日付をいれてもらい改札を抜ける.
改札をでてすぐにコンビニ「生活列車」がある.ここはJR九州資本のコンビニだが,ふと見ると近日閉店予定との貼紙がある.代わってampmが入るようだ.そういえば熊本駅も「生活列車」があったはずだが,ampmになっているし,6月に行った西鹿児島駅でも「生活列車」が閉店になっていた.事業がうまくいかず,営業権をampmに売り渡したのだろうか.
結局何も買わずに店を出て,大牟田行を待つ.
まもなく大牟田行が到着.クロスシート車だ.そのまま乗り込み大牟田へ.
大牟田--有佐
大牟田に予定どおり着.10分ほどの待ち時間で,八代行の列車がくるはずだ.
いつもの通りの2両編成のロングシート車.さっそく乗り込む.
トイレはあるが,カーテンやブラインドもなく,日が当たると暑い.紫外線遮光で車内設備は痛まないのだろうが,これでは困る.
1時間ほどで熊本着.6分ほど停車の後発車.30分ほどで目的地の有佐に着く.
有佐に着く.無人駅かと思っていたが,有人だった.ここから1km強.隣の町である宮原町まで歩くことになる.駅正面の道路をまっすぐ進むと「宮原町」の標識が立ち,宮原町に入ったのが判る.
道路を歩いていると,突然子供の「お願いします」の声.見るとお地蔵さんの小さな社の中で数人の子供たちが呼んでいた.先を急いでいることもあるし,無視して通り過ぎる.
宮原警察署の前を通り過ぎ,国道3号線を横断する.横断してすぐ右に曲がり路地に入る.地図ではそのあたりが町役場だ.実は「みやはらの里絵画館」の住所は判っているが,実際の場所は役場の近所としか把握していない.とりあえず役場を目標にやってきたが,ここから近辺を探索して探し出すことになる.
しばらく近辺をうろうろする.するとまた,子供の「お願いします」の声.やはりお地蔵さんの小さな社から声をかける.どういうことかいぶかりながら歩いていると,今度は何やら手作りの人形のようなものが社の隣に飾られている.見れば,宮本武蔵の格好をしている.また,路地の上には地元の小学生が書いた習字を灯篭にし,吊っている.なにか町レベルでのイベントがあるようだ.
が,しかし,肝心の「みやはらの里絵画館」が見当たらない.やはり住所とネット上の地図ソフトだけを頼りにして来るのは無理があっったかと思い,喫茶店に入り,道を聞くことにする.この喫茶店,町起こしのためにできたもののようだ.古い商家の建物をそのまま使っている.
店員の女性に道順を聞く.半分観光案内所を兼ねているようなものなので,親切に教えてくれた.
店の中には観光客の夫婦がいる.夫妻ともカメラが趣味のようで,一眼レフのカメラを持っている.ご主人のほうは2台も持っている.どうやらポートレイトが専門らしい.子供たちのにこやかな顔を撮っている.
教えてくれた通りに行くと,確かに「みやはらの里絵画館」はあったが,人の気配がしない.戸を明けて中を覗き込んでも何もない.展示スペースとなっているはずの壁の絵も取り外された形跡だ. どうも休館らしい.道に迷ったためあまり時間もない.急いで戻ることにする. |
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有佐駅に戻り,自販機でジュースを買って一息つく.ふと見ると,改札脇に新聞立てがある.どうやらこの駅では駅員が新聞を売っているようだ.委託駅なのかと思いながら,地元紙である「熊本日々新聞」を買う.
改札を抜けて陸橋を渡り上りホームに行き,しばし待つ,まもなく大牟田行の2両編成車がやってくる.
列車に乗り込んで,さっそく新聞を広げる.ローカルニュース面を読むと,今週はこの近辺で夏祭があるようだ.「地蔵まつり」というらしく,江戸時代の藩主が地蔵を祭ったことがはじまりで祭が始まったとある.また,「造りもん」という人形の披露で,発砲スチロールや木,紙,空缶などを利用して町の人が造るようだ.また,通りに建てられたほこらに地蔵を祭り,子ども達が念仏を唱えながら喜捨をお願いするというものらしい.これで理由が把握できた.
新聞をじっくり読んでいるうちに大牟田に到着する.
大牟田--小倉
大牟田では40分ほどの待ち時間.ここで昼食とする.
ホームの中から入れるソバ屋に入る.メニューを見るとザルそばや冷やしソバなどの夏物はないようだ.しかたないので,天ぷらそばを汗をかきかき食べる.
食べ終わって,上りホームへ行き,荒尾発の門司港行を待つ.ほどなく入線.今度は転換クロスの車両だ.列車に乗り,トイレで用を足して眠る.
目が醒めたのは福間のあたり.あとは本を読みながら過ごす.
小倉--下関
小倉で下車.持ち金が尽きそうなのでここで金を降ろすことにする.銀行のATMを利用してもよかったのだが,小額なので手数料を考えると,クレジットカードのキャッシングの金利ほうが安い.幸い1本列車を遅らせても後続列車には間に合う.後続列車は全車指定であり指定席をとっていることもある.駅ビル4FのクレジットカードのATMコーナーまで行き金を引き出す.ついでに本屋に行って新刊を眺めるがこれといって面白そうなものはなく,何も買わずに引き返す.
ふたたび改札内に戻って16:26発の下関行に乗る.
当初予定より20分遅れて16:47下関到着.下関からは臨時の快速 関門MUSASHI号に乗ることになる.関門MUSASHI号は入線しているが,全車指定のため,席とりのためあせる必要はない.
自販機でウーロン茶を買って乗り込む.しばらくすると,対面のホームに着いた1703着の門司方面からの列車からの乗客が乗り込む.9人連れの中年の団体だ.どうやら指定券をもっていないらしい.とりあえず乗り込んで後で指定代を払うつもりでいるようだ.
すぐ前の席を占領し,酒盛りをし始める.五月蝿い限りだ.
すぐに列車は発車.車掌に指定を確認してもらう.案の定すぐ前のグループは指定代を払うつもりだ.このまま広島まで行くようだ.
新下関,防府と停車.さすがに防府あたりまで来たら前の集団はおとなしくなった.これで少し落ち着く.徳山,柳井と停車し,岩国に.
ここで下車し,駅前のスーパーで今夜の夕食を買うことにする.ふたたび駅に戻り,大野浦へ.買い物の時間分だけ遅れて,2035 大野浦着.