釣りと花粉症

いよいよノッコミ、という時期。
気分を憂鬱にさせてくれるのは、この花粉症ですね。

「海は花粉、少ないんじゃないの?」
などと、花粉症のない人はノンキに言ってくれますが、一端始まってしまった花粉症はそんなに甘いものじゃあありません。
確かにアスファルト路面に比べれば舞い上がる花粉はないでしょうが、海というのは基本的に風が強いのです。
一端発症した花粉症は、僅かな花粉にでも反応してしまい、半日ほどの釣りでも、帰りは目が充血して目を開けているのが辛いほどになってしまいます。

それでも釣りに行かねばならぬ...のが釣り師というもの。

ここでは、花粉症ビギナーの釣り師の方に、花粉症歴15年、釣歴15年の私の経験から少しでもお役に立てる話をさせていただければ、と思っています。


1.究極の対策はない

いきなり絶望的な・・・と思うかも知れませんが、花粉症の方なら身をもってわかっておられるはずで、そもそも釣りをする上で完璧な花粉症対策というのはあり得ません。
あるとすれば、ドラえもんにお座敷釣堀を出してもらって部屋の中で釣りをするくらいでしょうか。

ただ、花粉の侵入量を少しでも少なくする努力、というのが現実的には一番よいのは確かで、これも何も変わった話ではなくて、マスクや眼鏡といった話になってきます。

ちなみに、私は花粉症に立ち向かうのを止めていて、素直にシーズン前から病院にいって、薬を常用しています。
今年(2005年)のように花粉の飛散量(悲惨量、ともいう??)が多い年には、薬を飲んだからといって完全に楽になるものではありません。

2.「釣り」であるが故の苦難

まずは早起きをしなければなりません。
基本的には寝不足なのです。
なのに...花粉症の薬。ここでいう花粉症の薬とは「抗ヒスタミン剤」という種類の薬の話です。
私くらい酷くなると、「抗アレルギー剤」では太刀打ちできませんし、
かといって、「ステロイド剤」は常用は身体に負担もかかりますから、抗ヒスタミン剤系の薬で強弱で種類を調整するしかありません。
当然、このあたりは素人判断できるものではありませんので、お医者さんに相談して症状と服用後の生活内容とのバランスから選んで戴くことになります。
抗ヒスタミン剤の基本原則?は、よく効く薬ほど眠い、のです。

周防大島まで約1時間程度の道のり。
普段なら、目をつむってでもいけそうなくらいでなんの苦痛もないのですが、実は目をつむったら行くことはできません。当たり前ですが。
たった一時間が我慢できなくなるほど眠くなるのです。

この時期、道端に車をとめて、仮眠を取りながら必死の思い出周防大島へ向かう私の姿を見かけることも可能ですが、誰も気にしておられないはずです。


釣り場に着きます。
マスクが有効であるのは先に述べたとおりですが、こいつがまた...

眼鏡やサングラスが曇るのです。マスクをすると、どうやっても吐息がマスクの上の隙間から上がってきて、これが眼鏡を曇らせる。
曇らないように努力する...つまり大きく息をはかないようにするのですが、やはり苦しくなって、「はぁ〜」と息を吐いてしまう。これでしばらく視界最悪。
風が強ければすぐに曇りは取れますが、これすなわち、花粉症にはよろしくない状況なのです。

そして、釣りにおいて口とは、「第3の手」といえるものです。
ハリスをくわえる、ガン玉を噛む、糸を切る、手でもてないものをとりあえずくわえて持っておく(針など)、糸を結ぶときの手助け(口助け?)をする、といった具合。
マスクをしていると、本当にわずらわしい。

鼻水。垂れてきます。
かといって、ティッシュで鼻をしょっちゅうかむような余裕はありません。
しかたなく垂れてきた鼻水は首にまいたタオルで拭く。また垂れる...鬱陶しいし、なんだか汚いし...

目。風を少しでも避けたいので、あまり見開きたくないのですが、浮きをにらみつけるのも釣り。やれやれ...

つまり、釣り、というものは、花粉症患者にとっては最悪の行為といえるのです。

3.対策

さて、では私はどうしているか?
どうする、といってもどうしようもないので、ケア中心に少しでも役にたっている細かなことを書いてみます。

(1)眼鏡やサングラスは絶対に掛ける
あるとないでは全然違います。
もし、眼鏡を常用されていない方やコンタクトを使われている方は、薬局などに売っているスカッシーという花粉対策眼鏡を使われるといいと思います。目を覆って花粉が入らないようにするやつですね。

眼鏡が必要な方...私もですが、本当ならオーバーグラスタイプのゴーグルなどすればいいのでしょうが、今のところはそこまでしていません。


(2)目のアフターケア
私は釣りに行くとき、花粉用(アレルギー用)の目薬と、濡れタオルと、アイボン(目を洗うもの)を持っていっています。

まず、釣りをはじめる前に目薬を点しておきます。これも「抗ヒスタミン剤」系の目薬です。

釣り終わったら、まず濡れタオルで顔の汚れ、とくに目の周りをふき取ります。

次にアイボンで目を洗う。これが実に気持ちいい。
私はあまり薬とかに詳しくないのですが、アイボンにも消炎剤のようなものが配合されているようなので、アイボン使用後は5分程度間を空けてから、それからまた目薬を点すようにします。
それでも気になる方は、水で目を洗える「洗眼アイカップ」というものがあります。


(右がアイボン、左がアイカップ)


症状が比較的軽いときは抗ヒスタミン(たとえば「リボスチン」など)でいいですが、すでに目が充血してきていて、ヤバそうなときは、ステロイド系の目薬(「フルメトロン」など)を点します。フルメトロンはそれほどキツくないそうなので、この程度の使用であれば問題ないようです。
ちなみに、リボスチンを点したあと、これでは効かない、と思った場合は、やはり5分程度間を空けてからフルメトロンを点せばいい、と先日薬局で言われました。


(左がステロイド系のフルメトロン0.1%。右が抗ヒスタミン系のリボスチン0.025%。
当然、お医者さんの処方箋無しでは買えません。
ただ、薬局で通常買う目薬よりかなりよく効きます。)

あとは、これから気温が上がってくると余計に辛くなりますので、エアコンをつけて室温を下げると若干楽です。この場合、サングラスを掛けておかないと目が乾燥して辛くなりますので、このあたりの配慮も必要です。ちなみに言うまでもありませんが、絶対に窓を開けて走ってはいけません。自殺行為です。


(3)マスク
最近は使い捨てマスクが一般的になってきており、これが非常に便利です。
昔ながらのマスクだと小さすぎて鼻まで覆えませんし、あるいはあくびをしたら口がはみ出てしまいます。
それに、オキアミ臭い手で触るわけですから、布のマスクでも使い捨て状態になってしまいますので...

使い捨てマスクは不織布製のものが多く、これは息苦しさもあまりありません。また形状の自由度が高いためか、立体形状に作られたり、複数の折り目(ヒダ)を入れて口への密着を防ぐようにしたり、また大き目の形状にしたものが多く、本当によくなったと思っています。

今年はユニチャームの超立体マスク、というのを買ってみました。
この超立体マスクは確かに口にマスクは密着せず、また呼吸も楽で、通常使用には優れものなのですが、イタダケナイのはマスクの上側のこの隙間に対する配慮がイマイチなところです。
私の顔の形だと(多分誰でもそうだと思いますが)、結局隙間が完全に塞げずに、眼鏡が曇りまくってしまう、という問題がありました。

このほかでは、この部分の隙間発生を防ぐため、ワイヤーが仕込まれているものが多いと思います。
これでも完全、とはいえませんが、超立体に比べると幾分眼鏡の曇りは防ぐことができると思います。

ワイヤーが仕込まれているタイプは、たとえば10枚入って200円程度とかという安いものから、3枚で400円近い高いものまで色々あります。
花粉は基本的に粒子が大きいため、それほど高価なタイプでなくても大丈夫と思いますが、やはりいいものはフィット感や耳掛けゴムの装着時の違和感など、やはりいいような気がします。


(左からノーブランド:10枚200円弱、ユニチャームの超立体:10枚500〜600円、住友スリーエムのNexcare:3枚で400円弱)

ところで、地磯を歩くと、当然呼吸が早くなって、こうなってくるとマスクの内側が水滴でベタベタになって気持ち悪くなります。
現在、この対策を考え中です。

4.が、結局

翌日はキツイです。
最悪です。
マスクは糸を結ぶときなどは外していますし、かなり花粉を吸い込んでしまうのは事実。
花粉症はたくさん花粉を吸った翌日が最悪、と思います。私の場合、酷くなると頭痛を起こしてしまいます。
対策により程度は下げられるにしても、これだけは覚悟しましょう。

そこまでして釣りにいかなくても...という気もします。最近は本気でそう考えてしまいますね。
でも、潮がいいなぁ〜、天気もよさそうだなぁ〜、となれば、やはり行ってしまうのです。なにせノッコミですから。これもやむを得ない真実。

花粉症のシーズンは大体5月の連休明けくらいまで。

花粉症仲間?の皆様、一緒にがんばり...いえ、耐えましょう。