『 場度 耀のネット公開作品「バドミントンの王子様」 』

プロローグ:名前は越前ヨウマ12歳、バドミントン中国のジュニア大会を4連続優勝した。見た目は小学生かもしれないが、プレーは既にプロを超えているように見える。中国人である事で、小学校時代にいじめられた影響か、性格は暗く皮肉っていてる。広島の名門学校、安佐起北中等学校に進学する事になったが、そこでも先輩からのいじめは続くのか?

第一話:越前ヨウマ / 第二話:生意気なルーキー / 第三話:越前VS桃白 /
第四話:越前の新兵器 / 第五話:ダブルの海道 / 第六話:旧式と新型兵器 /
第七話:策野の応援方法 / 第八話:スネイク / 第九話:最後の決着明日 /



[ ]


第一話:越前ヨウマ

「俺、越前ヨウマ」

小学校3年生で日本に来た。今までいじめられてた小学校の同級生と別れる為、スポーツ推薦を使い私立の安佐起北中等学校に入学した。もう、いじめを避ける為に、俺は同級生とはあまり話さない事にしている。

スポーツ推薦で入学した俺は勉強はしなくていい、授業時間は睡眠時間と朝食にあてるか、 誕生日に買って貰った、iPodで音楽を聴きながら過ごそうと考えてる。

授業ではクラス全員の自己紹介だけで終わった。もう今は同級生は、クラスの外に出たり、友達を探したりしているが、同じクラスに居た奴が話しかけてきた。

「俺、堀江なー。ホリエモンじゃないぞ。ラケットバックを持ってるけど、お前もバドミントン部に入るのか?ここは名門学校なんだぜー。」

当然、知ってて来てる、無視をして教室を出た。

堀江「おい、待てよ〜。びびったか?テニス部にするのか?」

体育館は入学式で使ったので、場所はなんとなく分かった。体育館に入ってみたら、コートには二年生三人が、二対一でシャトルを打っていた。すぐに堀江も体育館に入ってきやがった。

一人の方がラリーの中で、大きく上がったクリアーに飛びつき、ジャンプスマッシュをした。

「ダンクスマッシューーーどーーーーーん」

二人の真ん中にシャトルが突き刺さる。

「やっぱ桃白つぇやー」

角度が浅いと思った。

越前「まだまだだね。」

二年生達の視線がこっちを向いた。

付いて来た同級生は、びっくりした様子で、

堀江「おい、越前やばいって、お前殺されるぞ」

この言葉で、張り詰めた空気が少し緩んだ。

二年生の一人が近づいてきて、にやついた顔で、

桃白「ふーん、お前が・・・顧問の言ってた越前か・・ちょい着替えろや。」



第二話:生意気なルーキー

桃白「こっちが更衣室だ。」

更衣室に、桃白と二人の先輩が入って行き、次に越前とホリエモンまで来た。

桃白「おぃ越前、先輩に勝ったらどうなるか分かるか?」

桃白はロッカーに向かい、右拳を腰のラインに溜めて、一呼吸後に思いっきりロッカーを殴った。

「ドゴーーーン」

ロッカーがぐちゃぐちゃに変形した。

桃白「分かったか?」

堀江「凄いパワーっす。桃白先輩。」

先輩「あ〜ん、なめてんのか?」

自分のパワーを認められ、気をよくした桃白は、

桃白「んーんー、桃ちゃんでいいよ」

越前「やれやれ」

越前「代わりにいい物見せてあげるよ、先輩」

ポケットから何か取り出した、大きさ的に携帯電話に見えたがはるかに薄い。

桃白「まさかお前学校に、そんな物を!!」

越前「何だか分かった?」

それの表にはヤクザが好きそうな、ドラゴンの模様が刻まれている。

越前「これ折りたたみ式で、鏡にも使えるんだけど、こっちの部分を引っ張ると。」

横にある金属部分を引っ張り、折りたたんでいたナイフの刃を見せた。

越前「これ中国で買ったんだけど、日本の通販でも買えるらしいよ、どう先輩?」

桃白「まさかマジじゃねーよな?」

越前「昔さぁ、よく殴られてて仕返しに、このナイフ使ったんだ。でも、俺は正当防衛が認められたけどね。」

先輩達は顔を見合わせて、

桃白「冗談だわりーわりー、ここで着替えてくれ。」

越前「先輩達、あまりMade in Chinaをなめない方がいいよ。」

更衣室を出て桃白は、「生意気なルーキーだ。」



第三話:越前VS桃白

越前ヨウマは、赤の短パンと白のユニホームを着て更衣室から出てきた。コートの端で各部位を30秒ずつストレッチをした後、最後には片方ずつ肩を回してコートに入り、クリアーを交互に打ち合った。

桃白「もうアップはいいのか?」

越前「いいっすよ、先輩が試合の中でアップさせてくれそうだし。」

桃白「おぃいいのかよ?ラリーポイント制でやるからな、・・・もしお前が負けた場合は部長に報告させてもらうからな、覚悟しとけよ。」

ホリエモン「審判させてもらいます。いいっすか?」

桃白「あぁー、頼んだ。」

桃白のサーブから試合は始まった。 桃白が打ったサーブはバックライン限界まで上昇を続けて、そこから急激にシャトルが落ちていくミサイルのような軌道を描いて落ちてきた。

桃白「核弾頭サーブ!!」

越前は高い・・・バックアウト予想してウォッチしたが、バックライン上にシャトルは落ちてきた。

ホリエモン「1-0」

桃白「おー入っちゃったよ。」

越前「へー、いい軌道で打ってくるじゃん・・。でも、確か・・・核弾頭は日本には無いはずだけど?」

桃白「ふん、減らず口を・・・俺が開発したんだよ!!打て打てバンバン核弾頭サーブ行くぜ!!」

しかし、越前は冷静だった。

越前「だけど、こんなのチャイナでは見慣れてるよ。」

次のサービスで越前は、バックラインで軽くジャンプして、フォア側にストレートカットを打ち込んできた。
筋力が弱いジュニア世代ではスマッシュのエースは少ない、シャトルスピードが速く角度が付いて、筋力が弱くても打てるカットが、ジュニアで有効なショットになってくる。

桃白は動く事は出来ない、桃白のフットワークではカットに対して反応出来ない。

5-1まで得点が開いた。

焦りを隠せない桃白・・見かねたホリエモンは応援する気持ちで、

ホリエモン「想定内っすよ、先輩。」

あいつはカットでしかエースは取ってない・・・やるしかない、

カットが一番多い越前のフォア側にクリアーを打ち、逆にカットを打たせてそれを狙い打ちする。この戦法で桃白はラリーを組み立ててきた。そして越前のカットに対し桃白はネットにつめて・・・、

桃白「てめーの配球は読んでるぜ。」

桃白「ダンクスマッシュ!!」



第四話:越前の新兵器

越前「ふーん、これで勝てるなんて思ってないよね?」

桃白「あーん?てめぇーにはカットしか決め球に出来ない!そうだろ?」

越前「さぁ、どうだろね〜。」

桃白の核弾頭サーブから始まりラリーが続いていく、越前フォアーのクリアーに対し、ラケット面が少しだけ下がった、カットと読んだ桃白はネットに突っ込むが・・・・・、なんと、越前はコンパクトなスイングからクリアーを打って来た。

桃白「とどかね・・・・」

桃白はふと越前を見ると、既にガットがずれたのをいじってる。

桃白「この野郎!!!!!!」

桃白はラケットをスイング中に手から離した・・・・そのラケットは越前の頭めがけて・・・・・

「ごつ・・・・・」

硬いもの同士があたった音が、体育館に鳴り響いた。

桃白「わりーわりー、手が滑った。ラケットとってくんないか?」

越前は先輩のラケットを持ち、気にしてない様子で、

越前「先輩、核弾頭サーブに頼ってるようだけど、まだまだだね。いいもの見せてあげるようか?」

桃白「確かに、お前は日本人離れしたラケットワークを持っている。所詮は小学生上がり!パワーはないだろ?恐くないね。」

桃白は越前が打ったフェイントを利かせたクリアーが、バックラインに届いていない事を知っていた。

今度は越前のサーブになった。

大きなロングサーブだったが、バックラインには届きそうもない、桃白の指摘どうりパワーはないのか?桃白はコート中盤でシャトルが落ちてくるのを待ち構えている。 しかし・・・、シャトルは天井のライト部分に接触して、羽が二、三枚空に舞い・・・シャトルは急激に落ちてきた。

越前「劣化ウラン弾」

桃白は慌てて上体を反らし、急降下してくるシャトルをかわした。

桃白「こいつ、俺のした事を返してきやがった。」

越前6-3桃白



やや息を整えるてるような声が体育館に響いた。

「苦戦してるようだな。」

桃白「海道!!!ランニングは終わったか?」

桃白「駄目だ俺じゃ手におえねよー、あいつ・・・」
海道「あぁ、ババア(顧問)から聞いてる・・・・ジュニア優勝はシングルの話だろ?俺にいい考えがある。」

海道「おい、チャイナ野郎!シングルは終わりだ。次はダブルスやるぞ!先輩達をのけものには出来ないよな?ククク」

越前「別にいいっすけど、俺、パートナーいないっすよ。」

海道「いるじゃねーかよ。」

海道は、ラケットでホリエモンを指した。

ホリエモン「お、俺っすか?想定外っす。」

海道「どうだ?やめとくか?シングルしか勝てないようじゃ、名門、安佐起北中学校のレギュラーは無理じゃねーか(笑)」

ホリエモン「俺、前とれないよ〜、越前、絶対負けるって。」

越前「・・・・いいっすよ。別にレギュラーなんて狙ってませんから。」

海道「おいおい、桃聞いたかよ???早くも言い訳だよ、ククク」
桃白「あぁ、そうだな、俺たちに勝てなければチャイナ野郎は〜一生補欠だな(笑)」

越前は一瞬口が緩み、うつむきかげんで話し始めた。

越前「まだまだだね。」

越前「レギュラー入りは興味ないね、世界チャンピオンに興味があるんだよ。」



海道「馬鹿なやつだ、おい、桃白、ホリエだけ狙うぞ。」

桃白「あぁ、チャイナの野郎だけには・・・。」

しかし、試合展開はシーソーゲームになった。桃白/海道の狙い打ちが出来ない、ホリエモンはネット右隅から動かないのだ、スマッシュレシーブから、左前の処理まで越前が行っている。越前は試合前、ホリエモンに「右前だけ守ってくれれば勝てるから。」と言っておいたのだ。

7-7

海道「ば、ばかなありえねー、ダブルスじゃねーよ。」

桃白「本で読んだ事がある、ダイアゴナルに似てる、ミックスのフォーメーションの応用系だ。」

海道「攻略するのにはどうすればいいんだ」

桃白「通常に比べて、このフォーメーションは越前の体力消耗が激しい・・・・粘るぞ海道」

海道「粘りなら任せろ。」

桃白はふと思いついた、越前のバック側にドリブーンクリアーを打てば、あいつの力でハイバックは打てない。しかし、越前は軟体動物のように体を後ろに曲げて、スマッシュを打ってきた。

桃白「!!」

越前「驚いてるようだね。まだまだ行くよ。」

桃白(く、今度はチャイナ野郎の左前に落としてから、上がった所をダンクスマッシュで狙ってやる。)

桃白は、我慢して次の甘い球を狙い打った。

桃白「おぉーーーーーーーっし。」

長い叫び声が響いた。

越前/ホリエモン10-10桃白/海道

越前「ふーん、やるじゃん・・・これだけは、とっておきたかったんだよね。」

越前「全面核戦争まで・・・」

桃白(ゾク)

桃白(嫌な予感がするぜ)

再び、桃白が越前の左前に落としたシャトルを越前は・・・

桃白(ロブか?ヘアピンか?)

ところがトップアンドバックにいた、海道と桃白の中間にシャトルを落とした。

桃白「な、なんだ、この軌道は・・・。」

越前「旧ロシアが使っていた球だよ。」

越前「テポドン(中距離弾道ミサイル)」

越前/ホリエモン11-10桃白/海道

ホリエモン「越前やっぱお前すげーよ。」

桃白「く、二度目はねーぞ。」

桃白が再び左前に落とした、

桃白「テポドンが来るぞ!!!!」

海道「わかってる。」

しかし、前に突っ込んだ海道とは逆方向に、軌道はどんどん延びていきバックラインまで到達した。ロブ気味のプッシュだった。

桃白(テポドンじゃない)

越前「中国から日本に来る前に覚えたし、こう名前を付けたんだ。」

越前「テポドン2(大陸間弾道ミサイル)」

海道「あ、あいつテポドンだけでなく、テポドン2まで打ちやがった。」

越前/ホリエモン12-10桃白/海道



「キャー、あの一年生強い応援しなきゃ。策野なんて名前?」

策野「友ちゃん、同じクラスの越前 ヨウマ、中国人よ。」

明るく元気な声で、

友ちゃん「越前様ファイト!」

しかし、越前は見向きもしない。

友ちゃん「あれ、日本語分からないのかしら?」

小さな声で、

策野「越前様、万世!」

越前は振り返り、目を合わせた。

友ちゃん「策野だけなんで???」

策野「敬愛する将軍閣下様に敬意を表す言葉を、万世、ってお婆ちゃんから聞いていたの。」

友ちゃん「へぇー、策野なんか変。」

友ちゃん「まぁ、いいや。」

友ちゃん「越前様、万世、万世!!!!!!!」

海道「ち、しゃない奥の手を使うか。」

海道は自分のラケットバックに戻り、もう一本のラケットを持ってきて、両方の手にラケットを持ち、構えた。

独り言で、

ホリエモン「海道先輩は二本持って、ルール違反じゃないの・・・。」

「校内戦にかける、海道だからありなんだよ。」

桃白「不治先輩!」

そして、安佐起北中学校のレギュラーが組みが体育館に揃った。



桃白「ちち、ちわーっす。」

手塚「いいから続けろ。」

海道(部長の前では・・・・・負けられね。特に一年には負けれね)

海道「おい、こっちはずっとトップアンドバックで行くぞ!」

桃白「あぁ、しょうがねぇ・・・。一年相手に使うとは思わなかったぜ。」

読みが鋭い桃白が前衛、両方でフォアが打てる海道が後衛の形になった。

ネット前は桃白のダンクプッシュ、浅い決め球は海道がドリブーンクリアーで越前のバックを狙う。

海道「スネイク」

ホリエモン「???」

海道(勝てばいいんだよ。)

徐々に越前の体力は削られていく。

友ちゃん「越前様、なんて汗。」

不治「二人は甘い球は確実に決め、越前の体力を奪う作戦に出たね。」

越前「確か、海道先輩の二刀流って違法だよね。」

海道「なんだと?」

海道は越前のバック奥にドリブーンクリアーを打ち込んだ、越前はバック奥に追い込まれたが、ラケットを左手に持ち替えて逆にスマッシュを打ち込んだ。

前衛の桃白の間を抜け、コートにシャトルが落ちる。

越前「僕の国ではこう打つよ。」

海道「ち、両利きかよ。」



最終話

両者譲らず、マッチポイントを迎えた。

越前のサービス。

天井に大きくロングサービスを上げた。

策野「キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!!ヨウマ様の、劣化ウラン弾!」

しかし、天井のライトに当たらず、途中でシャトルが粉砕された。校内戦ではシャトルの交換を頻繁に行わないために、まれに起こる現象であった。

桃白(劣化ウラン弾じゃない。)

越前「クラスター爆弾。」

桃白「なんて危険な兵器を持っているんだ。」(国際的には禁止の方向で動いている。)

シャトルの羽が舞い散り、シャトルのコックが見えない。

海道の後ろにトーンとコックが落ちた。

ホリエモン「ゲームセット。21-19」

ホリエモン「勝った、俺達、勝ったんだ!」

策野「越前様、万世だわ。」

越前「さっきのはいちよフォルトだけど続ける?」

息をきらせながら、 桃白「ち、今日はここまでだ。」

越前「今度は部長、シングルをしませんか?」

手塚「今日はガンダム00(ダブルーオー)の放映日だ、帰るぞ。」

レギュラー組み「じゃ、そう言う事で、またね。」

越前「ちぇ。」

桃白「良かったな。越前、ガンダム00の放映日で・・・戦ってたら負けてたぞ。」

海道「他のレギュラー組みはたいした事ないが、部長だけは別格だ。」

桃白「ああ、かなりのオタクだが、実力は間違いなく・・・全国区だ。」

越前「へー、将軍様より強いの?」(完)


管理者ブログ

この話はフィクションです。実在の人物、団体とは一切関係ありません。

執筆小説

名探偵コカイン:http://www.enjoy.ne.jp/~bado/book2/
古泉神話:http://www.enjoy.ne.jp/~bado/book/

designer site:http://www.enjoy.ne.jp/~bado/web/

LINK FREE