図鑑好き


私は図鑑が好きだ。私たち兄弟は子供の頃から図鑑が好きで、ソロバンの検定が通るたびに、1冊ずつ図鑑を買ってもらっていた。動物、魚、昆虫、鳥、花、宇宙、地球…他にもいくつかあったと思う。しかしさすがに子供が使う本。本が重いのと、使い方が荒いので背ノリが取れて製本が崩れているのを、セロテープで補修してある。元をとるほど使ったな、という感じがする。

さすがにそんな姿になった図鑑は実家に置いたままになっている。今、うちにあるのは外に持って出られるサイズの小さい図鑑。海魚、川魚、観葉植物、木全般、花類、鳥、昆虫、貝、キノコ、薬草、チューリップ、バラ、…。鳥の図鑑はバードウオッチングでよく使う「実用品」だが、中には「コレクション」に近い図鑑もある。薬草の図鑑などは、買った時に1回見た位か。自分で薬草を探しに出ることがないので、仕方がないといえばそうだが。

私は暇な時に絵本感覚で図鑑をパラパラ見るのが好きなのだ。中身を覚えているかどうかは別にして、好きな図鑑は穴があくほど見る。(私の頭の中はインデックス状になっているようで、「何を調べれば答えがみつかるか」はたくさんあるが、「答えそのもの」はあまり詰まっていないようだ。)夜中に目が覚めて眠れない時、暇でどうしようもない時、見たいテレビのない時間帯…。読みかけの本もいくつかあるのだが、ついつい図鑑のほうにに手が伸びる。

最近買った物に「犬の図鑑」と「猫の図鑑」がある。それぞれ犬ばっかり、猫ばっかりの本である。まだ、ざざっと目を通しただけなのだが、猫の図鑑のほうに興味深い記事があった。「白猫の青目は聴覚障害が多い」。私は以前住んでいたアパートによく遊びに来ていた2匹の猫を思い出した。2匹とも真っ白の体に青目…。1匹は利口な婆さん猫「プリンス」、もう1匹は「白い爆弾息子」である。(プリンスと爆弾息子の話はこちら。今になって、2匹とも耳は大丈夫だったのかなあ、と思う。

インターネットで調べ物が随分楽になった。調べるターゲットがしっかりしているほどインターネット検索が早い。しかし弱点もある。「感じ」や「イメージ」だけでは検索できない。そういう時、図鑑をパラリパラリめくってできた頭の中のインデックスが役に立つ。「何か、見たことある」程度の記憶でも、ヒットする事がある。調べて当たればうれしい。大体、覚えようと思って図鑑を見ているのではないのだ。見るのが楽しいから、ついでに頭に入る。今、欲しいと思っているのは「宝石の図鑑」。図鑑は大人の絵本である。あなたの家の図鑑も、本棚の奥のほうに囲いこんでないで、すぐ出せる所に置いてみよう。そしてたまには手にとって見てみよう。何か新しい発見があるかもしれない。

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