出雲の民俗行事
出雲に残っている民俗行事から海洋民族国家出雲の原形が見えてこないものか
。そう思っていたところ、今年松江のホーランエンヤ神事が行われた。あの中心
にたって指揮をする人の持っている柄の役目を銅剣がになったのではなかろうか
。勿論、ホーランエンヤ神事は江戸時代から始まったものである。だから古代の
出雲とは関係ないではないかと言われる人もいるであろう。確かに関係ないかも
しれない。しかし技術の断絶はあっても似てくることはあるのである。ましてや
この出雲の神事である。何らかの記憶の断片が残っていたのかもしれない。
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(ホーランエンヤ船)
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(御神体を運ぶところ)
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そして現存する民俗神事として最も信頼のおけるのが美保神社の諸手船神事で
ある。日本における三大船神事の一つである諸手船神事は古船の走法のほとんど
唯一の伝承であるともいえる。美保神社には古代の舟と言われているその諸手船
が飾られている。
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(諸手船)
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(諸手船神事)
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このような神事が残っていること自体が少なからず出雲が航海と関わりがあっ
た地域であることの証拠でもある。またこの神社の祭神は大国主命の子息と言わ
れている事代主命である。このことからも出雲系の神が航海の神であることがわ
かる。
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