■CIE XYZ表色系(1): 三刺激値 X、Y、Z

  ●XYZ表色系とは
 XYZ表色系はCIE(国際照明委員会)で1931年に採択した三色表色系で、2°視野XYZ表色系ともいいます。 観測視野が視角4°以下の場合に適用されます。 XYZ表色系は反射による物体色の三刺激値 X、Y、Zによって色を表現します。
 目に入った光は、目の網膜細胞にある3種類の錐体(Cone):
  ・S錐体(B錐体/青): 450nmの波長に最も反応する
  ・M錐体(G錐体/緑): 535nmの波長に最も反応する
  ・L錐体(R錐体/赤): 570nmの波長に最も反応する
に当たり、これらが出した信号(刺激)が脳に伝わり、色を感じるのです。
 この3種(赤・緑・青)の刺激によって起こる興奮を三刺激値 X、Y、Zと呼びます。
  ●物体色の三刺激値 X、Y、Z を求める式
  X = k S(λ) x(λ) R(λ) dλ
  Y = k S(λ) y(λ) R(λ) dλ
  Z = k S(λ) z(λ) R(λ) dλ
  k = 100 / S(λ) y(λ) dλ
ここで、
  λ: 波長(単位 nm)
  : λ=380 から λ=780 まで(可視光線の波長範囲、nm)の定積分
  S(λ): 色の表示に用いる標準の光の分光分布(JIS Z8720 で規定)
  x(λ)、y(λ)、z(λ): XYZ表色系における等色関数(Color Matching Function)
    各波長における赤み・緑み・青みと感じる度合いを表すもの。
    JIS Z8701 付表1で各波長ごとの値が規定されている(下図はこれをグラフ化したもの)。
  R(λ): 分光立体角反射率


 つまり、赤・緑・青の刺激の度合いは、感応できる各波長間の刺激の積算であると考え、目に入る反射光の値と等色関数から、得られる刺激の強さX・Y・Z値が求められます。
 標準光    物体の反射率  等色関数 三刺激値  色度座標
  S(λ) −−> R(λ) −−> x −−> X −−> x
             −−> y −−> Y −−> y
             −−> z −−> Z −−> z
  ●光源色の三刺激値 X、Y、Z を求める式
  X = k S(λ) x(λ) dλ
  Y = k S(λ) y(λ) dλ
  Z = k S(λ) z(λ) dλ
ここで、
  λ: 波長(単位 nm)
  : λ=380 から λ=780(nm) までの定積分
  S(λ): 光源の放射量の相対分光分布
  x(λ)、y(λ)、z(λ): XYZ表色系における等色関数
  k: 比例係数、Y値が測光量に一致するように定める。
(注1) 2°視野とは、50cmの距離で直径1.7cmの物を見た状態です。
(注2) 色度座標は三刺激値を無次元化したものです。

[参考文献]JIS Z8701:色の表示方法―XYZ表色系及びX10Y10Z10表色系

CIE XYZ表色系(2): 色度座標とxy色度図
CIE XYZ表色系
ホーム