XYZ表色系におけるxy色度図(CIE 1931)は色の絶対値の表示には適していますが、色度図上の2点間の距離が知覚される色差とかけ離れているため、色差の表示には不便です。 特に緑系の色は大きな差でないと見分けられません。●uv色度図(CIE 1960 UCS色度図)
そこで、xy色度座標(x, y)を変換(数学的な射影変換)することによって、知覚される色差にほぼ比例する色度図(均等色度図: Uniform Chromaticity Scale)が作られました。
マクアダム(David Lewis MacAdam 1910-1998、米国)が考案し、1960年にCIE 1960 UCS色度図として勧告されたものです。 xy色度図の縦軸方向が約1/2に圧縮されたような図になっています。●u’v’色度図(CIE 1976 UCS色度図)
上記uv色度図の縦軸(v軸)を1.5倍して、全体がほぼ正三角形になるようにしたものです。 これにより、均等性が更に向上しました。★[ 参考1 ] (x, y) と (u, v)、(u', v')の変換式
日本では、JIS Z8518:「人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−表示色の要求事項」に規定されています。
★[ 参考2 ] D.B. Judd(ジャッド 1900-1972、米国)のUCS色度図・(x, y)<--->(u, v)の変換式 u = 4x / (-2x + 12y + 3) v = 6y / (-2x + 12y + 3) x = 3u / (2u - 8v + 4) y = 2v / (2u - 8v + 4) ・(x, y)<--->(u', v')の変換式 u' = 4x / (-2x + 12y + 3) [ = u ] v' = 9y / (-2x + 12y + 3) [ = 1.5v ] x = 9u' / (6u' - 16v' + 12) y = 4v' / (6u' - 16v' + 12)
CIE XYZ表色系(6): 黒体と色温度マクアダムのUCS色度図の原型は実はJuddが考案した(u, v)色度図で、次の変換式で示されます。 ・(x, y)<--->(u, v)の変換式 u = (5.5932x + 1.9116y) / (-1.882x + 12y + 2.9088) v = 7.8972y / (-1.882x + 12y + 2.9088) x = (2.8714u - 0.6951v) / (1.8578u - 8.8395v + 5.5213) y = 2.0337v / (1.8578u - 8.8395v + 5.5213) マクアダムは計算を容易にするために、これを簡素化して前述の整数係数を持つ変換式にしたのです。