■CIE XYZ表色系(10): XYZ / RGB 変換マトリックスの計算
              "iCIE XYZ/RGB"

 RGBカラーモデル自体は、R:赤、G:緑、B:青の3原色について測色学的にどのような色とするか(正確なスペクトル構成)を定義していないため、sRGBやAdobeRGBなどさまざまな色空間(RGB色空間)が存在しています。
 それぞれのRGB色空間では3原色とホワイトポイント(白色点)が規定されており、これに基づいて三刺激値(X,Y,Z)と(R,G,B)値の対応付け(変換マトリックス)が決定されます。

 ここでは、RGBの3原色とホワイトポイントに基づいて変換マトリックスを求めてみましょう。
 それぞれの色度座標(x, y)を入力し、「Calc(計算)」ボタンを押してください。


 予め登録されたRGB方式を「RGB/wp選択」から選択することもできます。 これにより、RGBWの各色度座標が自動的に入力されますので、値を確認して「Calc」ボタンをクリックします。

[参考1]RGBの3原色とホワイトポイント(W)に基づいて変換マトリックスを計算する方法
・3原色と白Wの色度座標を(Rx,Ry,Rz), (Gx,Gy,Gz), (Bx,By,Bz), (Wx,Wy,Wz)とします。
  ここで、Rz = 1-Rx-Ry などの関係があります(G、B、W も同様)。
・3原色の値を R, G, B とします。(0 ≦ R, G, B ≦ 1)
・刺激値Y(輝度信号)と3原色(R,G,B)の関係を次式で表現します。
   Y = rR + gG + bB
  ここで、係数 r, g, b は R,G,B がそれぞれ単独で強度100%(値1)の時のY値です。
  任意の色(R,G,B)に対するY値は r, g, b とそれぞれの強度の積の和になります。
・R,G,B がともに強度100%(値1)の時に白色になります。 白色のY値を1とします。従って、
   1 = r + g + b

・3原色と白WのXYZ座標(三刺激値)は次のようになります。
          X   Y   Z
  R原色 Pr:(rRx/Ry,  r,  rRz/Ry)
  G原色 Pg:(gGx/Gy,  g,  gGz/Gy)
  B原色 Pb:(bBx/By,  b,  bBz/By)
  W色  Pw:( Wx/Wy,  1,   Wz/Wy)
 これらは(X,Y,Z)と色度座標(x,y,z)の次の関係から明らかです。
  x = X/S,  y = Y/S,  z = Z/S    (S = X+Y+Z) 
 より、
  S = Y/y   ∴ X = xS = Yx/y (Y値に色度座標x,y の比を掛ける)
         Z = zS = Yz/y (Y値に色度座標z,y の比を掛ける)
・さて、3原色 Pr、Pg、Pb の和が白色 Pw となるので、
  Pr + Pg + Pb = Pw
 これをX,Y,Z成分毎に書くと、
  rRx/Ry + gGx/Gy + bBx/By = Wx/Wy
  r      + g      + b      = 1
  rRz/Ry + gGz/Gy + bBz/By = Wz/Wy
 マトリックス形式では、
  |Rx/Ry  Gx/Gy  Bx/By||r|  |Wx/Wy|
  |  1      1      1  ||g|= |  1 |
  |Rz/Ry  Gz/Gy  Bz/By||b|  |Wz/Wy|
 (r,g,b)に関するこの連立方程式を解いて、(r,g,b)の値を求めます。
・この(r,g,b)を用いて、3原色と白WのXYZ座標が決定されます。

・任意の色(R,G,B)は、この3原色を線形加算したもの(PrR+PgG+PbB)であるので、
 そのXYZ座標は次のようになります。
  |X|   |rRx/Ry  gGx/Gy  bBx/By||R|
  |Y| = |  r       g       b   ||G|
  |Z|   |rRz/Ry  gGz/Gy  bBz/By||B|
・(X,Y,Z)を(R,G,B)に変換する式は、上式右辺の逆マトリックスを求めて、
                   -1
  |R|   |rRx/Ry  gGx/Gy  bBx/By| |X|
  |G| = |  r       g       b   | |Y|
  |B|   |rRz/Ry  gGz/Gy  bBz/By| |Z|
 となります。
[参考2]変換マトリックスからRGBの3原色とホワイトポイント(W)の色度座標を逆算する方法
 R:(Rx,Ry,Rz), G:(Gx,Gy,Gz), B:(Bx,By,Bz), W:(Wx,Wy,Wz)とし、
 RGB−>XYZの変換マトリックスを
  |X|  |Xr Xg Xb||R|
  |Y|=|Yr Yg Yb||G|
  |Z|  |Zr Zg Zb||B|
 と置くと、
  Rx = Xr/(Xr+Yr+Zr), Ry = Yr/(Xr+Yr+Zr) [, Rz = Zr/(Xr+Yr+Zr) = 1-Rx-Ry]
  Gx = Xg/(Xg+Yg+Zg), Gy = Yg/(Xg+Yg+Zg)
  Bx = Xb/(Xb+Yb+Zb), By = Yb/(Xb+Yb+Zb)
  Wx = (Xr+Xg+Xb)/T,  Wy = (Yr+Yg+Yb)/T
   但し、T = (Xr+Yr+Zr)+(Xg+Yg+Zg)+(Xb+Yb+Zb) ・・・ マトリックスの全成分の和
 の関係が成立します。
CIE XYZ表色系(11): xy色度図 と RGB色立体との関係
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