■CIE XYZ表色系(11): xy色度図 と RGB色立体との関係

 XYZ表色系におけるxy色度図(CIE 1931)とRGB色立体の関係について考えてみましょう。
 左下図のxy色度図中の三角形は、sRGB(D65)方式における3原色を示した所謂「カラートライアングル」で、この方式ではこの3角形の内部の色が再現できます。 ほぼ中央の白色点(White Point)から3方に延びる淡色の帯が見えます。
 一方、RGB色立体は右下図のように、R・G・B の3軸直交座標系により色空間を表示したものです。

 左右の図の対応は次のとおりです。
項目xy色度図RGB色立体 備考
 白色点:中央の白い部分中央の白い頂点R = G = B = 1
 R原色:三角形の右下頂点立体の右下頂点R = 1, G = B = 0
 G原色:三角形の上の頂点立体の上の頂点G = 1, R = B = 0
 B原色:三角形の左下頂点立体の左下頂点B = 1, R = G = 0
 R,G,Bの内の
 2色が100%域:
三角形内の淡色帯部立体の稜線R = G = 1, B = 0 など
 R 100%域:三角形の右下部
(淡色帯の右側)
立体の右側面R = 1
 G 100%域:三角形の上部
(淡色帯の上側)
立体の上面G = 1
 B 100%域:三角形の左下部
(淡色帯の左側)
立体の左側面B = 1

 また、RGB直交座標系での直線はxy色度図上でも直線になりますが、後者の直線に沿った(R,G,B)値の変化は一様ではありません。
 RGB直交座標系で点P1(R1,G1,B1)から点P2(R2,G2,B2)に向かう直線上の点P(R,G,B)をパラメータtを用いて次式で表します。
  R = R1 + t(R2 - R1)
  G = G1 + t(G2 - G1)
  B = B1 + t(B2 - B1)  [ 0 ≦ t ≦ 1 ] ・・・ (式1)
また(R,G,B)から(X,Y,Z)への変換式を次式で表します。
  X = a11R + a12G + a13B
  Y = a21R + a22G + a23B
  Z = a31R + a32G + a33B ・・・ (式2)
(式1)を(式2)に代入すると、
  X = a11[R1 + t(R2 - R1)] + a12[G1 + t(G2 - G1)] + a13[B1 + t(B2 - B1)]
   = a11R1+a12G1+a13B1 + t[a11(R2-R1)+a12(G2-G1)+a13(B2-B1)]
   = X1 + t(X2 - X1)
  Y = a21R1+a22G1+a23B1 + t[a21(R2-R1)+a22(G2-G1)+a23(B2-B1)]
   = Y1 + t(Y2 - Y1)
  Z = a31R1+a32G1+a33B1 + t[a31(R2-R1)+a32(G2-G1)+a33(B2-B1)]
   = Z1 + t(Z2 - Z1)
となり、これはXYZ座標系での直線を表しています。 XYZ座標系ではパラメータtとともに(X,Y,Z)の座標値も一定割合で変化していきます。

XYZCube.gif
 xy色度図は点(X,Y,Z)と座標原点Oを結ぶ直線が、平面: x + y + z = 1 と交わる点C(x,y,z)をXY平面に投影したものであるので、XYZ座標系上の直線はこれと原点Oを含む平面と平面:x + y + z = 1の交線、即ち直線に変換されます。 しかし、xy色度図上のこの直線に沿った(R,G,B)値の変化は一様ではありません。 このことは色度座標の定義式[x = X/(X+Y+Z)など]からも明らかですが、幾何学的にも容易に想像できます(右図)。
CIE XYZ表色系(12): xy色度図と等色関数の関係
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CIE XYZ表色系
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